メダカのお話 1

先日、東京・江東区の東大島文化センターで行われた「メダカの世界」という催し物に講師として招かれ、みなさまにメダカについてお話をする機会がありました。
様々な質問を多く受け付けましたが、今日はメダカについて見ていきましょう。

東京で暮らす私たちがメダカに接するには、大きくふたつの道があります。
ひとつは自然(フィールド)に出かけて、野生に暮らすメダカを観察すること、
もうひとつは家庭に水槽を設置してメダカを飼育することです。
自然環境で生活するメダカと水槽環境で飼育されるメダカ、共通する部分と、分けて考えなくてはならない部分がありますので、今回はこのふたつの面からメダカの世界をのぞいてみましょう。

現在、自然の中でメダカを探すのは意外とたいへんなことです。
田舎に出かけて地元の人に「あの川にメダカがいるよ!」と聞いて出かけても、実際は別の川魚の幼魚であることも少なくありません。
日本でメダカが生活できる場所はたいへん少なくなってきているのです。
メダカが住んでいるのは川、池、沼、用水路、田んぼなどです。春から秋にかけてのあたたかい季節には流れのゆるやかな浅瀬があるような場所の水面に、群れを作って暮らしています。冬になると川底の落ち葉の下、岩や流木の陰などにかくれて暮らします。
流れのはやい場所にはいません。ゆるやかな流れに対して全員が頭を向けて群れで泳ぎます。
メダカはそこで何を食べているのか?
メダカの食べ物となるのは
緑藻類 アオミドロ、ミカヅキモ、ボルボックス
原生動物 ミジンコ、ゾウリムシ、ケンミジンコ、イトミミズ、アカムシ、ボウフラなど
水面に浮かんだエサを食べることが多いようです。
水槽飼育の場合、多くは市販されているメダカのエサ(配合飼料)ミジンコなどです。
飼育下でなれた個体は水底のエサも食べる様子が観察できます。

こうした緑藻類、原生動物、プランクトンは河川の開発とともに減少します。
生息環境の開発や悪化によりメダカの野生個体は減少傾向にあり、1998年には環境省のレッドデータブックに掲載されました。日本で絶滅のおそれのある野生動物であるというリストに載ってしまった、ということです。
メダカは何に食べられるのか?
メダカが生活している場所にはほかの生き物も多く生活しています。自然界ではメダカをエサとする生き物も多く知られています。
メダカを食べる生き物
ヤゴ、タガメ、ゲンコロウ、タイコウチなどの水棲昆虫、
サギなどの鳥、
アメリカザリガニやブラックバスなどの外来生物です。

飼育下では水槽にフタをする場合が一般的ですが、屋外のスイレン鉢や池などでは猫、カラスなどには注意が必要です。防止のため容器にアミをしている管理者も見かけます。残念なことにメダカや水草、場合によっては飼育容器を持ち去る泥棒被害も毎年耳にいたします。

続く