店長日記
メダカのお話 3
2010年07月29日
メダカの飼育
メダカたちの命は100パーセント、人の手にゆだねられています。どうしたらメダカが幸せに暮らせるかを考えるのは人間の役割になります。
メダカにとっての幸せとは命の維持・発展が妨げられない環境で生活することであります。
メダカが成長し、繁殖し、世代交代をする瞬間を、バーチャルの世界ではなく
目の前で観察・体験することで生命の尊さ、その舞台となる自然の本質について考えることができるのがメダカ飼育水槽であります。
実際に飼育するにあたって、
この飼育方法は正しいのか、もっと良い方法はないのか、などいつもメダカのことを考えてあげることはたいへん重要です。
一日のうち、朝と夕方、夜中とで水温変化が大きい置場所、直射日光が当たり水温が上昇する場所、開閉の多いドア付近などはメダカにとって生活しにくい場所になります。
メダカに側線なし。
体側線は、魚の感覚器官といわれています。魚は側線で音や振動を感じています。
しかしメダカには側線がありません。そのかわり、目のまわりと頭の上のほうに点状の器官があって、そこで音や振動を感じています。メダカ飼育はメダカたちが静かに暮らせる場所選びから始まります。
メダカの水槽を「見ること」と「観察すること」とはたいへん大きなちがいがあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、メダカにとって住みやすい水であるかどうかなど、チェックする項目はたくさんあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、体のハリ・ツヤなどからメダカのコンディションを把握し、どのように管理していくかを決めていきましょう。
飼育・管理において一番大きなウェートを占めるのは「エサやり」と「水かえ」です。
どんなエサを与えるか?
配合飼料
容器に入って市販されている「メダカのエサ」はたいへん手軽で、メダカの主食になりえます。配合飼料の性能は年々高くなっており、健康なメダカづくりには欠かせないエサであります。摂取量に対してフンが少ないエサがより優秀なエサといえます。それだけ血となり、肉となった証拠であります。水を汚さないということを売りにしたエサも多く見かけます。与えたときにメダカたちが飛んできて喜んで食べるエサを探してあげましょう。
冷凍飼料
冷凍ミジンコ、冷凍赤虫、冷凍ブラインシュリンプ、冷凍コペポーダ、冷凍ワムシ、冷凍ブラインシュリンプなどがあります。いずれも冷凍庫で保存ができ、手軽に与えられるうえ、嗜好性も高いです。メニューに加えることで、メダカがより多くの栄養素を摂取でき、なんでも食べる強く健康な個体に育ちます。
フリーズドライ飼料
赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプ、イトミミズなどがフリーズドライ加工されて容器に入って市販されています。フリーズドライ飼料は水に浮きやすいため、メダカたちにとっては食べるのに好都合といえます。
活きエサ
イトミミズ、赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプなど、生きたまま与えます。
嗜好性は高いですが、病原菌を水槽に持ち込んでしまうリスクがあります。活きエサを入手するときにどういう経路をたどってきたかを調べられるとよいでしょう。
どのくらい与えるか?
与えたエサはすべてメダカの口に入るのが理想です。
水槽の底にエサが沈んだまま
与えたエサがろ過器(フィルター)に吸い込まれている
などといった状況は水質悪化に直結します。水槽内に残ったエサは、水槽の水をどんどんメダカが生活しにくい水にしてしまいます。
まずは少量のエサを投与します。みている内にエサがなくなるのが理想です。メダカはコンディションが良ければ活発にエサを食べますし、具合が悪ければほとんどエサを食べません。エサ食いは体調を知る目安になるのです。
水温も大きく関係しています。
メダカの体温
メダカは言うまでもなく魚類で変温動物です。人間のように決まった体温を持ちません。生活している水の温度がそのまま体温になります。
メダカの場合は季節によって、あるいは一日のうちでも体温に変化があることになります。
水温が高ければ代謝は活発でより多くのエサを摂取しなければなりません。
水槽飼育においては「エサは毎日このスプーンにこのくらい」などと決めつけずに、毎回観察しながら与えていきましょう。極端な例を挙げれば、冬、氷が張るような状況でメダカはエサを食べません。
春から初秋にかけては水温も高めですので1日に2~3回、食べ残さない量を与えます。
水かえ
水槽や池などの飼育環境は「閉ざされた・限られた空間」です。
毎日エサを与えメダカを飼育していくと、飼育水はメダカが生活しにくいものになっていくのです。
水質データをもとにしますと
pHが下がってくる(あるいはpHが急変する)
アンモニア、アンモニウム値が増える
亜硝酸値が増える
などはメダカの命に関わる項目です。こうなる前に行わなくてはいけないのが「水かえ」作業です。全体の三分の一ないし半分の水を捨て、新しい水を注入するのです。
悪い水を捨てて、良い水を入れ、飼育環境全体を良好にキープするのが目的です。
ポイント
用意する新しい水は、飼育水槽の水温と同じにすること。
「同じくらい」はダメです。水温計で確認が必要です。
水槽の水温と異なる温度の水を入れると
水槽の水温が変わるので、メダカの体温が変わってしまいます。
目には見えませんがバクテリアが死亡するので飼育水はメダカが生活しにくいものになってしまいます。
我々人間も、体温が34度だったり38度だったりしては普通の生活がおくれないように水温はきわめて重要なポイントです。
水温が変わりやすい置場所の設置は避けなくてはなりませんし、気温・水温が変化する季節の変わり目も注意が必要です。
どのくらいの周期で水かえを実施するか?
もっとも一般的な目安とされるのが「一週間に一回」です。
あくまで目安です。
同じ大きさの水槽がふたつあったとします。ひとつには10匹のメダカが、もう一方の水槽には30匹のメダカが収容されているとしたならば、当然水の劣化、悪化の速度は変わってきます。
メダカは新しい水で飼育してあげたいものです。キビキビと泳いで元気にエサを食べます。
古い水だと泳ぎの「キレ」が鈍り、エサの摂取量も低下しやすいのです。病気になりやすいのも酸性化した古い水や汚れた環境です。
メダカたちにいつも同じ水質や環境を提供するために必要な作業が定期的な水かえです。
水かえ前と水かえ後の環境がちがい過ぎてもいけませんので、水かえはさぼれません。
どのくらいの周期で水かえを実施するかは管理者が最適なレンジを探ってあげなくてはなりません。1日おきがいいのか、水曜・日曜と週2回がいいのかは、飼育者が観察し、実施して決定していくことです。
続く
メダカたちの命は100パーセント、人の手にゆだねられています。どうしたらメダカが幸せに暮らせるかを考えるのは人間の役割になります。
メダカにとっての幸せとは命の維持・発展が妨げられない環境で生活することであります。
メダカが成長し、繁殖し、世代交代をする瞬間を、バーチャルの世界ではなく
目の前で観察・体験することで生命の尊さ、その舞台となる自然の本質について考えることができるのがメダカ飼育水槽であります。
実際に飼育するにあたって、
この飼育方法は正しいのか、もっと良い方法はないのか、などいつもメダカのことを考えてあげることはたいへん重要です。
一日のうち、朝と夕方、夜中とで水温変化が大きい置場所、直射日光が当たり水温が上昇する場所、開閉の多いドア付近などはメダカにとって生活しにくい場所になります。
メダカに側線なし。
体側線は、魚の感覚器官といわれています。魚は側線で音や振動を感じています。
しかしメダカには側線がありません。そのかわり、目のまわりと頭の上のほうに点状の器官があって、そこで音や振動を感じています。メダカ飼育はメダカたちが静かに暮らせる場所選びから始まります。
メダカの水槽を「見ること」と「観察すること」とはたいへん大きなちがいがあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、メダカにとって住みやすい水であるかどうかなど、チェックする項目はたくさんあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、体のハリ・ツヤなどからメダカのコンディションを把握し、どのように管理していくかを決めていきましょう。
飼育・管理において一番大きなウェートを占めるのは「エサやり」と「水かえ」です。
どんなエサを与えるか?
配合飼料
容器に入って市販されている「メダカのエサ」はたいへん手軽で、メダカの主食になりえます。配合飼料の性能は年々高くなっており、健康なメダカづくりには欠かせないエサであります。摂取量に対してフンが少ないエサがより優秀なエサといえます。それだけ血となり、肉となった証拠であります。水を汚さないということを売りにしたエサも多く見かけます。与えたときにメダカたちが飛んできて喜んで食べるエサを探してあげましょう。
冷凍飼料
冷凍ミジンコ、冷凍赤虫、冷凍ブラインシュリンプ、冷凍コペポーダ、冷凍ワムシ、冷凍ブラインシュリンプなどがあります。いずれも冷凍庫で保存ができ、手軽に与えられるうえ、嗜好性も高いです。メニューに加えることで、メダカがより多くの栄養素を摂取でき、なんでも食べる強く健康な個体に育ちます。
フリーズドライ飼料
赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプ、イトミミズなどがフリーズドライ加工されて容器に入って市販されています。フリーズドライ飼料は水に浮きやすいため、メダカたちにとっては食べるのに好都合といえます。
活きエサ
イトミミズ、赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプなど、生きたまま与えます。
嗜好性は高いですが、病原菌を水槽に持ち込んでしまうリスクがあります。活きエサを入手するときにどういう経路をたどってきたかを調べられるとよいでしょう。
どのくらい与えるか?
与えたエサはすべてメダカの口に入るのが理想です。
水槽の底にエサが沈んだまま
与えたエサがろ過器(フィルター)に吸い込まれている
などといった状況は水質悪化に直結します。水槽内に残ったエサは、水槽の水をどんどんメダカが生活しにくい水にしてしまいます。
まずは少量のエサを投与します。みている内にエサがなくなるのが理想です。メダカはコンディションが良ければ活発にエサを食べますし、具合が悪ければほとんどエサを食べません。エサ食いは体調を知る目安になるのです。
水温も大きく関係しています。
メダカの体温
メダカは言うまでもなく魚類で変温動物です。人間のように決まった体温を持ちません。生活している水の温度がそのまま体温になります。
メダカの場合は季節によって、あるいは一日のうちでも体温に変化があることになります。
水温が高ければ代謝は活発でより多くのエサを摂取しなければなりません。
水槽飼育においては「エサは毎日このスプーンにこのくらい」などと決めつけずに、毎回観察しながら与えていきましょう。極端な例を挙げれば、冬、氷が張るような状況でメダカはエサを食べません。
春から初秋にかけては水温も高めですので1日に2~3回、食べ残さない量を与えます。
水かえ
水槽や池などの飼育環境は「閉ざされた・限られた空間」です。
毎日エサを与えメダカを飼育していくと、飼育水はメダカが生活しにくいものになっていくのです。
水質データをもとにしますと
pHが下がってくる(あるいはpHが急変する)
アンモニア、アンモニウム値が増える
亜硝酸値が増える
などはメダカの命に関わる項目です。こうなる前に行わなくてはいけないのが「水かえ」作業です。全体の三分の一ないし半分の水を捨て、新しい水を注入するのです。
悪い水を捨てて、良い水を入れ、飼育環境全体を良好にキープするのが目的です。
ポイント
用意する新しい水は、飼育水槽の水温と同じにすること。
「同じくらい」はダメです。水温計で確認が必要です。
水槽の水温と異なる温度の水を入れると
水槽の水温が変わるので、メダカの体温が変わってしまいます。
目には見えませんがバクテリアが死亡するので飼育水はメダカが生活しにくいものになってしまいます。
我々人間も、体温が34度だったり38度だったりしては普通の生活がおくれないように水温はきわめて重要なポイントです。
水温が変わりやすい置場所の設置は避けなくてはなりませんし、気温・水温が変化する季節の変わり目も注意が必要です。
どのくらいの周期で水かえを実施するか?
もっとも一般的な目安とされるのが「一週間に一回」です。
あくまで目安です。
同じ大きさの水槽がふたつあったとします。ひとつには10匹のメダカが、もう一方の水槽には30匹のメダカが収容されているとしたならば、当然水の劣化、悪化の速度は変わってきます。
メダカは新しい水で飼育してあげたいものです。キビキビと泳いで元気にエサを食べます。
古い水だと泳ぎの「キレ」が鈍り、エサの摂取量も低下しやすいのです。病気になりやすいのも酸性化した古い水や汚れた環境です。
メダカたちにいつも同じ水質や環境を提供するために必要な作業が定期的な水かえです。
水かえ前と水かえ後の環境がちがい過ぎてもいけませんので、水かえはさぼれません。
どのくらいの周期で水かえを実施するかは管理者が最適なレンジを探ってあげなくてはなりません。1日おきがいいのか、水曜・日曜と週2回がいいのかは、飼育者が観察し、実施して決定していくことです。
続く