生きものの立場に立って・・

生きものの立場に立って・・
生きものの目線で・・
生き物にたずさわっておりますと、 こんな言葉をよく耳にいたします。

素通りできない、奥の深い言葉で、学べば学ぶほど知れば知るほど自然が持つ力を痛感させられます。
水槽環境の絶妙のバランスとは数値だけで判断できるものではなくてあくまでもそこに暮らす生き物たちの息づかいが決めるものです。

基本は基本であって王道ではありません。
水槽や流木、石、添加材・・・多種多様に道具はありますがこれらを万全に揃えたからと
いって必ずうまくいくと言うわけではありません。(もっとも、趣味の世界ですから次から次へとあれこれと欲しいものはでてくるわけですが・・・)

人間の欲を優先する前にまずはその水槽に入る生き物の視線に立って環境の構築を考えてみましょう。
どれだけ高価な道具を使い、どれだけ綺麗にレイアウトを施しても生き物の側からすれば、あくまで「自然のような感じ」でしかないのです。

どこからやってきたのか、体長50メートル、音だか声だかわからない言語を発する巨大生物がいきなり 10階建てのコンクリートの建物を用意して机のようなモノや椅子のようなモノを不自然に配置して私達人間を飼い始めました・・・
人間は肉や魚を日替わりで採りながら米と言うものを主食にし、頭を撫でたら喜んで映画を見せると機嫌が良い・・・
たったこれだけの条件で私達は暮らせるでしょうか。

いつもこんな気持ちで水槽を眺めていたのではすぐに気が振れてしまいますので、どうかご注意ください。

新しいアイテムを試してみる、管理のしかたを変えてみる、自分の水槽はこれでいいのか?ということを常に考える。
ガラス1枚隔てた向こう側、単に水槽の奥行○○センチというものではないのかもしれません。