2010年10月

23

大型で勢力の強い台風が関東上陸の恐れ・・というニュースがこまめに流れています。
東京から出荷したお客様への商品が無事に到着することを祈るばかりです。
台風に向かって、台風をかすめて、台風をくぐって・・。
走るドライバーさんたち、ほんとうにご苦労様です。

湿度が高いとコイ科の仲間、メダカの仲間、水槽の外へ飛び出しやすいです。
水位が高い水槽は特に・・
フタ、してくださいね。
寒いですね。
少しの時間
少しのお金
少しのやさしさ
少しの思いやり
少しの手間
が水槽環境を作っていきます。

朝のトーストがおいしくなる水槽
朝のコーヒーがおいしくなる一匹
気持ちをこめた水槽管理 プライスレス

いきなり冬の寒さになりました。
空気の色がちょっと変わりましたよ。
10月27日(水)付けの産経新聞 に
アマゾン「驚くほど豊か」 新種動植物、1200種
という記事がありました。

世界自然保護基金(WWF)が、南米アマゾンで2009年までの10年間に約1200種の新種の動植物が発見されたことをCOP10で26日、明らかにしたというのです。
3日に1種が見つかったことになり、WWFは「驚くほど豊かな生物多様性が証明された」としています。

発表によると、10年間で発見された新種は、
植物637種
魚類257種
両生類216種
爬虫類55種
哺乳類39種
鳥類16種。

ボリビアでは体長4メートルのアナコンダの新種が確認され、
ペルーでは色鮮やかなカエルが見つかったそうです。
小型霊長類のマーモセットやオウムの新種も発見されたそうです。

WWFによりますと、アマゾンでは過去50年間に熱帯雨林が少なくとも17%消失しています。WWFのフランシスコ・ルイズ氏は「緊急に対策をとらないと失われてしまう」と警告しています。

驚くほど豊か
ということと同時に
この地球には人間だけが生きているのではないのだ
と認識しなおすことが必要なのかな、と考えさせられる記事でありました。
昨年、田舎で採取したザリガニが繁殖してザリガニが増えました。こんなにたくさん世話できないので、親がいた場所に戻そうと思うのですが・・どうでしょうか?

という質問を受けました。

ダメです。

一度、人間の管理下に置いた生き物は、いかなる理由があっても野外へ放ってはいけません。
1年間ザリガニを飼育・観察して、これを野外に放ったらどうなるか、想像してみてください。

野外に放つと・・
1、死亡する。
2、本来ないはずの菌をも放つことになる。
3、もとからその場所にいた生物を食べるなど、影響を及ぼす。
4、ひいては生態系がこわれる。
などなど多くの理由があって「ダメ」なわけです。
ふえすぎて飼育しきれない場合は、どなたか引き取り手を探す、雌雄別々に飼育するなど、対策をお願い致します。


冷たい言い方になりますが、死んでしまった生き物、とくに魚やザリガニは東京ですと条例により「燃やすゴミ」として処分しなければなりません。勝手に公共施設・公園の土に埋めることも「ダメ」です。
飼育した生き物はさいごまで世話をする、これが基本です。
曇り空です・・東京。
いつも思うのですが、でっかい掃除機で ぐおーーーーっと吸って快晴にならないかな・・・・・と。
秋が深まるにつれ愛魚がコンディションを崩して困っているというお客様が多くご来店されます。常備薬、あると安心ですよね。
金魚やディスカスをはじめ底砂を敷かないいわゆるベアタンクの場合、
毎日!目の細かい網で魚たちのフンを取り除いてやることはたいへん有効です。
これをするのとしないのとでは、1年後には別の魚になるといっても過言ではありません。
ないほうが良いものはすみやかに取り除く、これが原則です。
分厚い雲は取れなくても、排泄物なら。たいへんですががんばりましょう。
さて、お客様の問い合わせで最近目立つのは
水面の泡が消えない・・。というものです。
泡ぎれが悪い水というのはいいことではありません。
魚たちが分泌した体表粘膜が原因であることがあるからです。
その水槽の水が生活しにくい水であればあるほど泡ぎれが悪いという傾向は強くなります。水槽の内側に白い付着物が認められたり、ヌルヌルが多い場合には
すみやかな環境改善が必要です。
金魚の場合、自分で分泌した粘膜が体表を覆い、エサぶたが不自由になることがあります。死と直結していますので注意が必要です。
水かえのやり方、水かえの量、とりかえる水の質など管理のしかたを変えていかなくてはいけません。魚はそれを自分でできませんので。
水槽の内側を磨き、水をとりかえる。水温、水質、水質の変化のしかた、エサの量、チェックしなければならない項目はたくさんありますね。
生活しやすい水は泡など残らず、水面を下のほうから見上げてみると、鏡のように見えるはずです。透明度も高いですし、魚も気持ちよさそうに泳ぎます。
「ミッキー20匹!」
「タイガー2匹。」
「パンダも2匹!」
「こっちのエレファント。」
「ハンバーグ3枚。」
んー、文字にすると何屋さんかさっぱりわかりませんね!

ミッキーマウスプラティ
タイガープレコ
コリドラスパンダ
エレファントノーズ
ディスカスハンバーグ

お買い上げ、まことにありがとうございます。
観賞魚は
ワイルドと呼ばれる自然環境から採取した魚と
人の手によって繁殖した魚がいます。
多くの改良品種は、観賞目的のために人の手が加わっています。
ヒレを長くしよう、アルビノにしよう、赤くしよう、青くしよう、いろいろな目的をもって交配、選別、淘汰がされて作出されてきます。
改良品種を理解しようとするとき、その品種をつくる元となった原種の理解が必要になってきます。
基本的な性質、食性、繁殖のしかた、水質レンジなど上手に飼育する手がかりとなるのが原種になります。
例えば、熱帯魚の王様ディスカス。
人気のブルーダイヤモンドは目のさめるようなブルーですが、やっぱり父と母がいます。
その父、その母・・・とさかのぼっていくと、たどり着く原種はグリーンディスカスになります。原種グリーンディスカスのメタリックブルーの素質、ぜひ観察してみてください。
ブライトオレンジで人気のピジョンブラッドの系統や、真っ赤なマルボロレッドの系統をさかのぼっていきますと、たどり着くのはブルーディスカスです。
ほんまかいな!というかたもいるかと思います。似ても似つかない表現ですから、無理もないと思うのですが、ほんとうです。

500年以上の歴史がある金魚も多くの改良品種がしられています。
さかのぼると金魚すくいで多くみられる和金が出てきます。
和金は赤いフナ(ヒブナ)の突然変異です。
ヒブナは黒いフナの突然変異ですから、多くの金魚の元となっているのは「フナ」ということになります。
長野地方で秋の味覚として人気のフナっこですね。
田んぼの水を抜く秋にお米といっしょにすくって収穫されるそうです。
フナが育つ田んぼは低農薬ですから、そこでとれたお米は貴重で、お値段もやや高めだそうです。
昨日、帰宅して我が家の水槽をのぞきこむとザリガニが脱皮をしていました。
脊椎骨のないザリガニは脱皮をして大きく成長していきます。
古い殻は、あたかももう一匹いる!!かのようにキレイに脱ぎ捨てられます。
よし、古い考えを捨て、新しい考えを見つけよう。
1ヶ月のあいださわってないモノ、捨てたほうがいいな!
いろいろなことを教えてくれます。
ホトニア
いい草姿です。
育成には強めの光
低めの水温
炭酸ガスの添加が欠かせません。
好条件下で育成し、その水槽に適応すると、素晴らしい水景をつくってくれます。
たいへんな猛暑で水温を下げるのに苦労した今年、
育てるならばいまからスタートするのが良いでしょう。

個人的に、あくまで個人的にですが、水上葉が水中葉になることを「水中化」なんて呼んでいます。水中葉が育成環境に適応することは「水槽化」と呼びたいのです。

強めの光とは60cm水槽で20Wランプ3本以上が目安です。
低めの水温の目安は23~25℃。
二酸化炭素を添加し、1リットルあたり5mg以上の二酸化炭素が溶け込んでいる環境にしてあげます。
名古屋市で開催されている国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)は18日、生態系を保全するための新たな国際目標の設定などを議論する本会議が開幕しました。微生物や動植物といった「遺伝資源」をもとに開発される医薬品などの利益配分の国際ルールを定める「名古屋議定書」の本格協議も始まります。

会期は29日までで、193カ国・地域の政府代表や市民団体、企業関係者ら約1万人が参加。27~29日には菅直人首相ら約130カ国の閣僚が出席する閣僚級会合が予定されています。

開会式で、議長を務める松本龍環境相は「私たちは地球の未来のために名古屋に集まった。地球の命を将来につなげていくために、これまでの人と自然のかかわりを振り返り、私たちに与えられた2週間に英知を結集して国際社会で一致した行動を起こしていきましょう」とあいさつ。

また、COP10名誉大使で日本人アーティストのMISIAさんは、作詞した公式ソング「LIFE IN HARMONY」を披露したそうです。

生態系保全では、02年に決定された10年までの目標「生物多様性の損失速度を著しく減少させる」が未達成に終わりました。
そこで、本会議では生態系の損失を防ぐため、50年までの新たな中長期目標と、20年までの短期目標を策定します。また、短期目標では20の個別目標も設定します。だが、目標次第では開発行為に影響が出るため、各国がどこまで合意できるかは不透明です。

一方、名古屋議定書は16日までの準備会合で原案を作成しましたが、30条のうち14条で合意できず、本会議に委ねられました。
植民地時代に持ち出された動植物など遺伝資源の対象範囲
不正取得の監視の仕組み
など多くの点で各国は対立しており、決着は閣僚級会合に持ち越されそうです。

生物資源の産出国と
それを使って新薬などの研究開発をする先進国・・・溝を深めている場合ではありません。
どうすれば良好な関係になれるかを考えてください!
水草・クリプトコリネを見たとき、あるいはクリプトコリネのイメージを聞いたとき、
多くのかたが感じる印象は『地味』かもしれません。
クリプトコリネは水槽で育てても決して主役になるスターではないかもしれません。
しかし
愛好家たちをはじめ、その魅力を知っている人は「渋い!イイ!」と言います。
南米産の水草にはない深い味わいがあり、同じレイアウトで何年育てても飽きの来ない落ち着いた穏やかな水景を作り出してくれます。
クリプトコリネを主役として多く用いたレイアウト。
ラスボラたちが群れをなして泳ぐ光景はいつまで見ても飽きの来ないものであります。
自分の部屋なのに時間がゆっくり流れるかのようです。
もっともっとスターになってほしいのです、クリプトコリネには!
秋のレイアウト、クリプトコリネにラスボラ、しっとりといかがでしょうか?
秋が短く感じられるのは
人が夏の終わりと冬のはじまりに敏感だからでしょうか。
このあいだ良い香りだなぁと感じたきんもくせいも、雨の後はもうピークを過ぎてしまっています。
都会に暮らす自分としては、やっぱり秋を見つけにいかないといけないのかな。
せっかく咲いているコスモスも見逃してしまいそう。
空気の質感はしっかり秋ですが、山々の紅葉が見たい!と強く思いました。

この一週間は魚病薬がよくでました。
春先、秋口、季節のかわりめにコンディションを崩しやすいのは
人も魚も同じようです。
まずは魚たちに良好な生活環境を提供してあげたいものです。
チリの落盤事故、全員救出されたようで、現場はすごい盛り上がっていますね。
明るい性格の国民性が出ていて、たいへん興味深かったです。
地下でムードメーカーとしてみんなを勇気づけていたかたが引き上げられたとき
「はい、おみやげ」といって地下の石を持ってあがってきたのが印象的でした。

話はちがいますが
フィールドに出て、かっこいい岩を見つけると、水槽レイアウトの構想が浮かびますね。
まずその場所の自治体なり、フィールド管轄内で採集が可能かどうかを確認しましょう。勝手に岩や砂などを採ってはいけないところも少なくありません。

岩の場合は持ち帰ったら、水道でざっと洗ってみます。
その後、中性・pH7.0ほどの水につけておきます。数日が経過して、大きく水質が変わらないようであれば、水槽に導入してみます。
岩自体からなにかが溶出したり、岩自体が何かを吸着したりする性質をもっていると、水質に影響を及ぼします。物質としてきわめて安定した岩(鉱物)であることを確認するのです。
自然下ではその岩があった水で暮らす生き物がいるわけですが、水槽という限られた空間においてはこうした確認が必要でしょう。

拾って帰るのも、まあ・・重いんですけどね。

ショップで販売されている岩は水質に影響を与えないもの
それから若干アルカリに傾けるもの
などがありますが、どれも水槽に導入できます。
水質レンジはスタッフに確認してくださいね。
あの猛暑はどこへ・・・
秋の気配・・バイクで走ると一日ごとに深まっていくのを感じます。
水温や気温の変化にともない、金魚やカメのエサの摂取量も少~しおちてきました。

金魚は胃がないことで有名です。
解剖の結果、食道から肛門まで消化管はほぼ同じ太さでつながっていることがわかっています。
腸の間にかなり広範囲にあるのが肝膵臓 ですが、実際には肝臓部に膵臓が散在している状態です。さらに球状で青緑色をした胆のうや脾臓があります。
食物の消化時間は水温によっても変わりますが、20℃前後で4~5時間と言われています。
うきぶくろの上部には脊椎にそって魚の老廃物の排泄器官である淡赤色の腎臓があります。

与えるエサの量、チェックしましょうね!
生物多様性条約会議が名古屋市で11日から始まりました。
期間は3週間。8000人といわれていたが登録はすでに1万人を超える勢い。
地球温暖化問題を話し合った1997年の京都会議以来の大規模な会議となります。

COP10とは
会議の概要
「COP(Conference of the Parties)」とは、国際条約を結んだ国が集まる会議(締約国会議)のことです。多様な生き物や生息環境を守り、その恵みを将来にわたって利用するために結ばれた生物多様性条約では、10回目の締約国会議「COP10」が2010年10月、愛知・名古屋で開催されます。
開催期間 2010年10月11日(月・祝)~29日(金)
カルタヘナ議定書第5回締約国会議(COP/MOP5):11日(月)~15日(金)
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10):18日(月)~29日(金)
閣僚級会合:COPのうち27日(水)~29日(金)
開催場所
会場:名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)
関連事業会場:白鳥会場、愛・地球博記念公園、栄地区
主催
生物多様性条約事務局(カナダ・モントリオール)
※ 開催国(日本政府)は議長国として協力
参加者数
約8,000名 (各国政府関係者・国連関係者・NGOなど)
COP10での主な議題(想定):
2010年目標の達成状況の検証と新たな目標(ポスト2010年目標)の策定について
遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する国際的な枠組みの策定について など
2010年目標:2002年のCOP 6で採択された「生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という目標

過去の開催地
COP1 1994年11月バハマ・ナッソー
COP2 1995年11月インドネシア・ジャカルタ
COP3 1996年11月アルゼンチン・ブエノスアイレス
COP4 1998年5月 スロバキア・ブラチスラバ
COP5 2000年5月 ケニア・ナイロビ
COP6 2002年4月 オランダ・ハーグ
COP7 /MOP1 2004年2月 マレーシア・クアラルンプール
MOP2 2005年5月 カナダ・モントリオール
COP8 /MOP3 2006年3月 ブラジル・クリチバ
COP9 /MOP4 2008年5月 ドイツ・ボン

生物多様性条約とは
「生物の多様性に関する条約(生物多様性条約:Convention on Biological Diversity)」は、ラムサール条約やワシントン条約などの特定の地域、種の保全の取組みだけでは生物多様性の保全を図ることができないとの認識から、新たな包括的な枠組みとして提案されました。
国連環境開発会議(地球サミット)に先立つ1992年5月22日に採択され、リオデジャネイロ(ブラジル)で開催された同サミットおいて署名開放されました。翌1993年12月29日に発効し、2009年12月末現在、193の国と地域がこの条約を締結しています。
日本も1993年5月に締結しています。
条約の3つの目的
·地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全すること
·生物資源を持続可能であるように利用すること
·遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分すること
夏休みや年末年始に多く流通するフードタイマー(自動給餌器)。
乾電池だけでかなりの時間、運転を続けてくれますので毎日使用する愛好家も少なくありません。エサの補充をしてさえおけば、決まった時間に決まった量のエサが投与されますので、「エサの量の管理」という面からはなくてはならないアイテムといえます。
先日は、エンゼルフィッシュがたくさん泳ぐ大型水槽に設置してくれたお客様がいました。
「あんまり食べるものだからビックリしたよ。エサは1日6回のセットにしたんだけど、もっと食べそう!!」
ということでしたので、給餌回数を増やすため、フードタイマーオプションのピンを増設!
1日10回、タイマーが回転するようにしたそうです。
するとどうでしょう!エンゼルたちはタイマーの下の「ベストポジション」をとるためにワラワラとひしめき合っているそうです。
「さながらサッカー。1対1のまま後半35分コーナーキックの場面。ゴール前でディフェンダーと相手フォワードが激しく当たっているかのよう。」
「カチッ!ジーーー」というタイマーの音にも反応し、魚の健康状態は良好とのこと。
ここでひとつ疑問が・・。
エサやりは「全自動」になったけど、今までは「全手動」だったわけヨ!1日2回。
これじゃエサはぜんぜん足りなかったということかい?
まあ、、、食べる食べる・・・。
アマゾンの猛魚・ピラニア。いろいろな魚を飼育し、経験を積むと一度は飼育してみたくなるのではなかろうか。豪快な捕食シーン、数ある肉食魚のなかでもズバ抜けた存在感、やっぱりトップスターである。今日は生き抜く術をその牙に宿した魚・ピラニアについて考えてみよう。

■猛魚ピラニア
現地で生活を営む人々は、母なる大河アマゾンの恵みに生活の大部分を頼っている。日本に暮らす私たちにとって珍しく、高価な魚たちも市場に並べられ、食料として売られている。食べるところが多く美味とされるコロソマ、串にささったプロキロダス、ロープでくくられ保存食となったピラルクに混ざって、ピラニアの干物が並んでいる。愛好家が見たら思わずのけぞってしまう光景であろう。
一瞬にして牛やカピパラを白骨にしてしまうアマゾンの代名詞ピラニアも、飼育下において生まれたばかりの段階ではブラインシュリンプを食べる。(日本では東南アジアで養殖されたピラニアナッテリーが数多く流通しています。)10日から2週間ほどで刻んだイトメ、ミジンコに移行する。アカムシを食べるようになる頃には共食いも起こる。特に眼球はおいしいらしく、片方の眼球を欠損してしまっている個体にも出会う。ピラニアナッテリーは生後3ヶ月もすると、1.5cm~2cmほどになり、体側にスポットの入ったかわいい姿になってくる。メダカ、小赤、小和金などの魚が大好きである。歯の鋭さを実感できるのはやはり給餌の時で、金魚が一瞬で真っ二つに切断されるシーンもある(金魚は生きていたりします・・)。ピラニアの口の大きさに合わせた魚をエサとして選んであげたい。ひと口で飲み込んでくれたほうが水槽の汚れが少ない。大きすぎるエサは食いちぎって食べるため、鱗や内臓が水槽内に飛散し、水を悪くする原因となる。(もっともそれが見たい人も多いのだが・・・)。小赤にもいくつかサイズがあり、お店で「大きめの小赤」とか、「小さめの小赤」などといった注文をする愛好家も多い。人工飼料でいちばん餌付きやすいのはクリルなどの乾燥エビと思われる。大型魚用のペレットに慣らすのは根気が要ることもあるかと思う。コオロギなどの昆虫は好みが分かれるらしく、食べる個体と食べない個体がいる。いずれにしても給餌のときに指が水槽に入らない与え方をしよう。危ないし、痛い。

■ピラニアの飼育・管理
ピラニアは南米カラシンの仲間であるから、水温24~28℃、pH6.0~6.9の弱酸性の軟水が基本の水質レンジとなる。古くなった水は泳ぎのキレが鈍ってくるため、週に一度の水かえは欠かせない。取り替える水量は水槽の三分の一から二分の一でよいだろう。
唯一養殖がなされているナッテリー種は複数飼育の成功例が多く見られるが、ほかの種は単独飼育をおすすめする。キズつけることなく順調に成長させて、ピラニア独特の渋みのある美しさや鱗の輝き、ダイナミックな捕食シーンを楽しんでほしい。
水かえ作業で水槽の内側をみがく際は、セパレーターを使用する。半分に仕切って魚のいない方をまずきれいにしてから、残りの半分の作業に移る。基本的に直に手を入れるのは危険である。複数飼育のナッテリー水槽などには、長い柄のついたクリーナーの使用が良いだろう。意外と臆病な性格で、飼育開始当初などは環境を警戒し、奥のほうでじっとしていたり、物音や人影にびっくりしたりする場面も少なくない。水槽内を管理するときは、ピラニアから目を離さず、彼らの体にキズをつけたりしないようにしてあげたい。臆病な反面、瞬発力はものすごく、泳ぎ始めのスピードはとても速いのだ。ぶつかったり、すれたりといったことには細心の注意が必要だ。フィルターの吸水口やヒーターのコードなどは一角にまとめて、コーナーガードした水槽も多く見られる。エサの容器や人や音に慣れるオスカーなどとは違って、警戒しながらも彼らの目はこちらに向かって光っている。オスカーのように飼い主に媚びることもない。水槽からすくい上げるときや、管理のときの出血事件はよく耳にする。実際輸送されるときには、穴の開いたプラケースごとビニールパックされたり、二重、三重ビニールの間にバックスクリーンを入れたものなどが使われたりしている。
底砂は底面がかくれる量を敷く。ベアタンクだと、光の反射を嫌がる素振りを見せ、落ち着かないようだ。魚の赤を引き立ててくれる赤系の砂や、銀の鱗の輝きを美しくみせる明るめの砂を用意してあげよう。厚く敷きすぎると想像以上に大きいフンが目詰まりしやすいので管理が大変になる。蛍光灯などの光線も色によって同じ個体が異なる印象をうけるので、好みのものを選んでほしい。

■ピラニアナッテリーの産卵
ピラニアの多くは生後一年半から二年で成熟する。オスの成魚はメスに比べて黒みがかっている。抱卵したメスは腹部が膨らんできて赤みを増す。グループの中からぺアになった二匹は、あたかもシクリッドのペアのように他の個体を追い払い、これから産卵しようとする場所にテリトリー(縄張り)を作る。求愛行動、ディスプレイは、体が大きいだけにダイナミックである。顔やエラ蓋、体側にキズをつけながら求愛行動をとり、産卵態勢に入る。ペアがぴったりと体を寄せ合い、全身をブルブルッと震わせて放卵、放精が行なわれる。三時間ほどの間に数百個(産卵経験のある大きいメスは千個以上)の卵を産む。4~5日の間は卵のそばを離れず守るしぐさを見せるが、通常、養殖ではここで卵と親とを別々にする。卵には水生細菌防止の意味でメチレンブルーをうっすらと入れ、強めのエアレーションを施すファームが多い。水温28℃のとき2日ないし3日でふ化する。ふ化後3日間は卵黄をつけたままじっと横たわっていて、吸収を終えると自由遊泳に入る。泳ぎ始めたらブラインシュリンプやベビーフードを与える。

■自分だけの自慢の1匹を飼育しよう。
以下に紹介するピラニアはワイルド個体である。地球の裏側で採集された貴重な個体、大事にしてあげたいものだ。
★ラインノーズ・ピラニア。下あごから背ビレにかけて太いラインが入る。ピラニア界では話題となった種である。小魚を好み、25cm~30cmほどになる。成長するにつれて体高がでてきて背が盛り上がってくるカッコイイ種である。バイオレットラインノーズピラニアは人気が高い。正面から見ると意外な一面が観察できる。トカンチンス川産とされる。
★スーパーノタートゥス・ピラニア。40cmに達する大型種。学名でピラニア・ヒュメラリスとも呼ばれる。シングー川産。他種に比べて眼が大きい。エラ蓋は赤く染まり、その後方に黒いスポットが現れる。成長につれ背ビレの先がフィラメント状に伸び美しい。眼はおとなしそうだが、エサの捕り方は凶暴な印象を受ける。
★パンタナル・イエローピラニア。各ヒレ、体が黄色く色づき、美しいピラニアである。古い水になりすぎると、色の鮮やかさが落ちるので、定期的な水かえが欠かせない。全長20cm以上になる。
★ピラニア・ピラヤ。40cm以上になる大型種。サンフランシスコ川産。体側がオレンジから朱色に染まる美種である。脂ビレに不完全な条をもつのが特徴。眼球はカメレオンばりによく動き、絶えずこちらが観察されているかのような印象を受ける。強そうなアゴをしている。単独飼育でじっくり飼い込んでほしい種である。
★ピラニア・デンティクラトゥス。10年ほど前まではよく見かけたのだが、近年はあまり出会う機会が減ってしまった。グループのなかでは渋い印象を受ける。大切に飼育してあげたい。
★サンフランシスコ・ホワイトピラニア。スレンダーな体型が魅力の美種である。30cmほどになる。若い個体は全身に入る黒いスポットが美しい。
★ダイヤモンド・ピラニア。赤い眼と銀色に輝くウロコが魅力の美しい種である。ダテにダイヤモンドと名づけられてはいない。はっきり言って凶暴である。取り扱いにはとりわけ注意が必要である。
ほかにも採集地のローカルネームがついている個体も多く流通している。遠くアマゾンに思いを馳せ、大切に飼育してあげよう。

(鉄則1)ピラニアからは目を離さない。
ピラニアはプライドが高い。こちらが観察されているのかもしれない。管理には細心の注意を払おう。
(鉄則2)エサ選びに気を配ろう。
エサとなる魚のサイズや、人工飼料の鮮度に注意してあげよう。与えるときにも注意が必要だ。
(鉄則3)自慢の1匹を育て上げよう。
ピラニアも家族。立派に育て上げよう。
第17回 金魚日本一大会
第17回 金魚日本一大会が開催されます!
日本一!ということは世界一!ということになりますね。

会場は・・・ 海南こどもの国 愛知県弥富市鳥ヶ池町二反田1238番地

2010年 一般観覧は10月24日(日)AM10:00~PM3:00です。
入場料 無料です!
素晴らしい個体と出会えますように。
厳選 流木
レイアウト創作意欲をかき立てられる枝っぷりの良い流木です。
大きさ
曲線の美しさ
座りの良さ
枝っぷりの味わい
きっと流木ハンターの目に止まってくれると思います。

水槽レイアウトに用いるのはもちろんのこと、庭や床の間に飾るかた、先日は芸大の学生も手にとっていかれました。アーティスティックなオブジェになりそうですもんね!
岩肌の表情や
流木の質感などは
日本庭園の侘び寂びに通じるのでしょう、日本人は大好きですよね。
美的感覚が素敵です。
生物多様性に関する話題が活発になってきました。誰ひとりとして「関係ない」とはいえない問題です。

「生物多様性」とは、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態を言い、さらに、生物が過去から未来へと伝える遺伝子の多様さまでを含めた幅広い概念です。

この地球上には、科学的に明らかにされている生物種が約175万種、未知のものも含めると3,000万種とも言われる生物が暮らしています。これを「種の多様性(=いろいろな生き物がいること)」と言います。

また、地球上には、自然林や里山林・人工林などの森林、湿原、河川、サンゴ礁など、さまざまな環境があります。すべての生き物は、約40億年もの進化の過程でこれらの環境に適応することで、多様に分化したのです。この「生態系の多様性(=さまざまな環境があること)」も、生物多様性の一面です。

さらに、様々な環境に対応するためには、乾燥に強い個体、暑さに強い個体、病気に強い個体など、さまざまな個性をもつ個体が存在する必要があります。そのため、同じ種であっても個体間で、また、生息する地域によって体の形や行動などの特徴に少しずつ違いがあります。この「遺伝子の多様性(=それぞれの種の中でも個体差があること)」は意外と忘れられがちですが、大切な生物多様性の一面です。

数え切れないほどの生物種が、それぞれの環境に応じた相互の関係を築きながら多様な生態系を形成し、地球環境と私たちの暮らしを支えています。

自然が創り出したこの多様な生物の世界を総称して「生物多様性」と言います。

また、生物多様性とは、進化の結果として多様な生物が存在しているというだけではなく、生命の進化や絶滅という時間軸上の変化も含む概念です。

ですから、現在の生物の多様性をそのまま維持していくよりも、競争や共生など生物同士の自然な相互関係により、自由に進化・絶滅していくダイナミズムが確保されてこそ、生物多様性の保全につながるのです。

地域固有の歴史が育んだ生物がそれぞれにふさわしい環境で生き続け、健全な生態系が持続するように、人間の活動自体を自然に調和させることが重要だと言えます。
生物多様性からの恵み私たちは生物多様性からの恵みに支えられて生きています。たとえば、食べ物、木材、衣服や医薬品。さらに、私たちが生きるために必要な酸素は植物などによって作られ、汚れた水も微生物などによって浄化されています。生物多様性は、私たちの生活になくてはならないものなのです。

国連の呼びかけで2001年に発足した生態系に関する世界的な調査「ミレニアム生態系評価(MA:Millennium Ecosystem Assessment)」では、生態系に由来する人類の利益となる(幸せな暮らしに欠かせない)機能(生態系サービス)を大きく4つに分類しています。

維持的サービス
生態系サービスの内すべての基盤となるもので、水や栄養の循環、土壌の形成・保持など、人間を含むすべての生物種が存在するための環境を形成し、維持するものです。
調節的サービス
汚染や気候変動、害虫の急激な発生などの変化を緩和し、災害の被害を小さくするなど、人間社会に対する影響を緩和する効果を指しています。
供給的サービス
食料や繊維、木材、医薬品など、私たち人間が衣食住のために生態系から得ている様々な恵みを指します。
文化的サービス
生態系がもたらす、文化や精神の面での生活の豊かさを指します。レクリエーションの機会の提供、美的な楽しみや精神的な充足を与えるものです。

エネルギーや物質の循環を支えるという物理的な側面から精神や地域固有の文化に至るまで、私たちは生活の隅々に生態系からの恩恵を受けていることがわかります。
生物多様性の現状現在、世界中で数多くの野生生物が絶滅の危機に瀕しています。IUCN(国際自然保護連合)がまとめた2009年版の「レッドリスト」には、絶滅のおそれの高い種として8,782種の動物や8,509種の植物がリストアップされています。日本においても、2006~2007年に公表された環境省版レッドリストに3,155種が絶滅のおそれのある種として掲載されています。

このような状況より、現代は恐竜の絶滅以来の第6の大絶滅時代にあると言われています。しかも、1年間に約4万種と言われる現在の絶滅のスピードは、恐竜時代の絶滅速度よりはるかに速いのです。

こうした生物種の減少の原因のほとんどが、開発や乱獲、外来種の持ち込みなど人間の活動にあると言われています。人間は、地球生態系の一員として他の生物との共存を求められているにもかかわらず、一方的に生物に影響を与え、絶滅の危機を引き起こしているのです。

私たちの生活に必要な生き物でなければ別にいい、と思われる方もいるかもしれません。しかし、すべての生き物はつながりあって生きており、思わぬところで私たちの生活に影響を与えるかもしれないのです。