2011年1月

22

トカゲ師匠
お店に立っておりますと、多くのお客様に
「やっぱり魚が好きなの?」「家でも飼ってるの?」「好きなことを仕事にできていいわねぇ!」など声をかけていただきます。
はい、家でも魚を飼っております。40年ちかく、魚を飼育していない時期、というものがありません。
金魚、ディスカス、コリドラス、水草、小型美魚、いろいろいますがトカゲもいたりします。
写真はフトアゴヒゲトカゲ。我が家の中ではもう「師匠」のクラスです。
フトアゴヒゲトカゲは人の話に耳を傾けます。(ほんとです)
じっと聞いています。

生きものたちとともに生活することの楽しさを伝えていけたらいいなと、気持ちをしめ直しました。
お店では毎日、大量の水を使います。まさしく水商売なわけです。
温暖な東京ですが、今日の水道水は10℃を下回っておりました。
水槽の水かえのとき、新しく導入する水は飼育水と同じ温度にすることが大原則です。
この冷たい水を、どう飼育水として使える水にするか、アクアの道に近道はありません。
水槽の底に白いプラスティックの様な物体が時々落ちているのですが?
金魚に歯があるって本当?

金魚の口を覗いても、私たちのような歯は見えません。
金魚や鯉は、喉に『咽頭歯(いんとうし)』と呼ばれる歯を持っています。
これは臼のような形をしていて、固い物をすり潰す事ができます。
金魚や鯉はこの『咽頭歯』を使って、エサを砕いて飲み込みます。

咽頭歯は定期的に抜け替わるので、水槽で見つかる機会もあると思います。
化学式に拒絶反応をしめすかた、少なくないのですが今日はリン酸のお話です。

水槽という限られた空間では、魚に与えるエサや魚の排泄物に由来して、また生物ろ過の最終生成物としてリン酸が蓄積していきます。
ごく微量のリン酸ならば、水草の生育に不可欠ではあるのですが、魚を中心に飼育している水槽空間においてはリン酸濃度は高くなりがちです。
余剰分のリン酸は、みるみるはびこっていくコケの栄養となります。

ろ過材でも、リン酸除去をうたった製品が各メーカーからリリースされています。
かたくて黒いコケや、ガラス面や水草などにつく茶色いコケでお困りのかたにはぜひ使っていただきたいアイテムです。
pHに影響はありませんし、一度吸着したリン酸やケイ酸を放出しません。
淡水、海水両用で、どんなフィルターにも対応します。
バレンタインデーが近づくと毎年話題となるのがキッシンググラミィです。
テレビやニュースで「キスする魚」などともてはやされるのですが、キスする行動自体は縄張り争いといわれております。
輸入されるキッシンググラミィの多くはピンクがかった白い個体やバルーンキスと呼ばれる改良品種たちです。

原種はモスグリーンの表現で20~30cmにもなります。現地では貴重な食用魚で、市場に並んで売られていたりします。
熱帯魚は、見る楽しみ、育てる楽しみ、集める楽しみ、水槽を作り上げる楽しみと並んで、殖やす楽しみがあります。簡単にふやすことができる種もありますし、興味深い繁殖行動をみせる種、繁殖形態に多くの謎がある難しい種もいます。新しい命の誕生は感動の連続です。ぜひ挑戦してみましょう。
養殖が盛んに行われる種や改良品種が多い種というのは、繁殖力が旺盛なことを示します。飼育している魚が成長し繁殖に至るということは、それまでの飼育環境が良かったことのあらわれです。産卵の様子や稚魚が泳ぎ始める光景は、それまでの苦労を忘れるくらいドラマティックなものです。
繁殖入門魚を挙げますと、グッピー、プラティ、モーリーなど稚魚を産むメダカの仲間、そしてアカヒレ、ゼブラダニオなどのコイの仲間、エンゼルフィッシュなどの卵生魚、最近ではシュリンプの仲間の繁殖もブームです。殖えすぎてしまって困る!というケースも少なくありません。

繁殖を狙う場合、まず大切なのは優秀な親、オスとメスを得ることです。魚の成長した美しい姿や繁殖方法を知り、若魚を入手し、育て、親にすると感動もひとしおです。
繁殖は専用水槽で行うのが理想です。魚種によっては育成環境と繁殖環境が異なるほうが良い結果を得られることもありますし、親に食べられてしまうケースもあるからです。
繁殖期の魚はその生涯のなかでもっとも美しい姿となります。繁殖の準備はまず設備、そして飼育者の観察と適切な処置がポイントです。目の細かいネット、隔離用産卵箱、スポイト、初期飼料、仕切り板、稚魚が吸い込まれない構造のろ過など小物も必要になってきます。卵をバラまいて産みっぱなしの魚もいれば健気に卵の世話や子育てをする魚、口の中で稚魚を保育する魚もいます。
まずは親の飼い方をマスターし、親を仕上げるところがスタートになります。
水商売は手荒れとしもやけとのたたかいです。
営業中クリームなどをつけることは厳禁ですが、帰宅後就寝するときにハンドクリームをつけて、手袋をはめて眠ることがあります。
おすすめはレチノハンドとヒビケアです。修復力が優秀なことを実感します。
絶滅したとみられながら約70年ぶりに山梨県の西湖で生息が確認された魚クニマス。

本来の生息地・田沢湖がある秋田県仙北市では、発見者の東京海洋大客員准教授「さかなクン」の表彰を検討するなどブームに沸く一方、水質の問題から「帰郷」のめどは立っていない。西湖側でも、保護に向け、手探りが続く。

「クニマスは、いた!! きっと故郷田沢湖へ」。

クニマス発見の報から1か月近くたった今月11日、JR田沢湖駅に懸垂幕がお目見えした。掲げたのは、懸賞金をかけて全国に情報を求めたこともある田沢湖観光協会。地元では観光振興への期待も高まっている。

秋田県は仙北市と「クニマス里帰りプロジェクト」を発足させ、
〈1〉ハタハタに次ぐ県魚に
〈2〉県内での養殖
〈3〉田沢湖畔に展示施設設置――などの案が出ている。

だが、田沢湖でクニマスが死滅した原因となった水質問題は未解決だ。1940年、下流の水力発電所に供給する湖水を補うために温泉付近から流れ込む玉川の強酸性水を引き込んだことが死滅につながった。

田沢湖の水素イオン指数(pH)は2009年で5・1と、中性を示す7よりもかなり低く、ウグイやコイなど酸性に強い魚しか生息できない。1991年に中和施設が本格稼働して、98年には5・7まで回復したが、玉川の水の酸性度が上がり再び悪化。秋田県立大の杉山秀樹客員教授によると、クニマス生息には6・5~7・5まで中和する必要があるという。

県は「当初目標の6・0を達成する見通しもない」とし、仙北市は中和施設の能力向上や玉川の導水停止などを検討するが、水利権の調整が必要だ。

山梨県側では、富士河口湖町と西湖漁協が保護対策チームを設ける予定だが、突然見つかった幻の魚の扱いに戸惑いも広がる。
紅白で人気のレッドビーシュリンプや錦鯉、あるいは金魚。
赤はより赤く、白はより白く、赤と白のキワはよりくっきりとした個体がハイグレードとされます。

先日のことです。
「レッドビーって天然ではうまれてこないのかな?」
と言っていたお客様がいらっしゃいました。

ひとがつくりだした改良品種ですから、野生では生きていけないと思います。(一度飼育下に入った個体を野外に放出しないでください。)

仮に紅白のエビが野生で誕生したとして、
赤はともかく、真っ白では外敵に見つかってしまって・・・
白くなる進化はしにくいと思うのです。
人々が苦労と努力、選別淘汰を繰り返し、紅白になっています。
水槽のなかでだけ生きてゆくことのできる生きものといえそうです。
個体発生の最初には卵生と胎生があります。
新しく産生される個体が受精卵の段階で産出され、親の体外において発生を始めることを「卵生」といいます。
これに対して、新個体が母体内において初期発生を開始し、一般には母体内で卵膜を破って出現した稚仔がなお母体から栄養補給を受けながら発生を続け、餌をとる従属的栄養段階になってから体外に産出されるのが「胎生」です。
かつては、胎生の動物の胚は、親の体内にあるとき、親個体から何らかの方法でたとえば胎盤を通して栄養補給を受けているものと定義され、親の体内に稚仔が保育されてはいても、親から栄養補給を受けていない場合を「卵胎生」と呼んで区別してきました。
しかし、卵胎生と胎生の境界を定めるのは難しいことです。
母体から胎仔への栄養補給の有無が必ずしも明確ではないからです。
大きな卵黄を持った稚仔が母体内で孵化したとしても、稚仔の母体内に止まる期間、産出されてきたときの大きさや発育段階などからみて、それまでに母体からの栄養補給が行われなかったとは思いにくい場合が少なくないからです。
硬骨魚類の場合も、母体への栄養依存の有無による胎生と卵胎生の明確な区別はなお難しいです。
母体内の受精卵が受精膜に囲まれていることを栄養補給遮断の証拠として、これを卵胎生とよぶ意見もありますが、軟骨魚類のエイ類では、受精膜を有していながら親からの栄養補給を受けている例があります。
また、親魚からの栄養補給の有無を基本に考えても、卵胎生と単なる卵保育との境界もじつは明白ではありません。
大型水槽から中型・小型水槽、数多くの水槽を管理するお客様。
「今日は水かえ地獄だよ!」とおっしゃいます。
仕事の関係で、水かえをしてあげたい水槽がいっぱいで、今日は疲れているけど夜中までやる!とおっしゃるのです。

なるほど、作業はたいへんですが、終わったときには水かえ天国ではないですか!
と応援。
人はきれいな水槽に囲まれ
水かえをしてもらった魚たちは気持ち良さそうに泳ぎ
もう水槽の前に布団敷いてそこで寝ようかなと!

今日もがんばりましょう!
産卵筒
産卵、繁殖、子育ては感動のシーンの連続であります。 ディスカスやエンゼルフィッシュの産卵のステージとなるのが産卵筒です。 素焼きのものでも、表面がすべすべなものと、ざらざらなものなどがあります。 どちらも成功例がありますので、どちらが好きかはペアに聞いてみないとわかりません。 写真の産卵筒は1400度で焼いてあって、表面すべすべです。
流木にするか岩にするか・・
あるいは両方をうまく使うことはできないか・・
選択肢が多いだけに悩ましいことです。
レイアウト素材の個性がレイアウト全体のイメージを決定することもあるので、その意味でもレイアウト素材選びは重要です。
かっこいい岩、気に入った流木、自慢の一品を見つけてください。
いちばんかっこいい面、佇まいや趣を見せる側を水槽正面にババーーーンと!
アクアライフ 2011年2月号
アクアライフ 2011年2月号が出ました。

レッドビー、黒ビー、シャドー系…
特集 シュリンプお宅訪問スペシャル

レッドビーシュリンプの人気は天井知らず。今回の特集では、レッドビーやシャドー系などの飼育の現場に足を運んだ記事が紹介されています。登場している8人の愛好家・ブリーダーの飼育スタイルをぜひ参考にしてください。


主な内容
レッドビー&黒ビー&シャドー系愛好家紹介
レッドビーを増やすための水槽セットと管理
インタビュー/レッドビーの飼育について考える


●水槽で楽しめるスイレン
ニムファ入門

●ゴビーもガジョンも
熱帯魚はハゼに始まりハゼに終わる…のか?

●アクアライフ水質NAVI
ミネラルについて

●新春記念
一点もの&特選金魚の宴

●海水小特集
小型ヤッコの世界

レポート
●アジア迷宮紀行
メクロン川水系を行く

●ディスカスの祭典
第8回インターナショナルディスカスチャンピオンシップ

●今、マレーシアのグッピーが熱い!
マレーシア・グッピー紀行

● 銘魚拝見! ALショップレビュー
● ルー大柴リバーとトゥギャザー!
● ドワシク通信
● 観賞魚の病気対策
● ウロコは語る
● アクアメイルボックス
● アクアリウム歴史読本 など連載多数

定価880円です。
総硬度はdHの単位で示されます。
炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムの量が1リットルの水の中に10ミリグラム存在すると1dHと示されます。
この数値が大きくなるほど硬度が高い硬水、低くなるほど硬度の低い軟水ということになります。
最近では総硬度をあらわす際にppmという単位を用いるものも多く見かけるようになってきました。ppmとdHの関係をみてみましょう。
30ppm→1.7dH
60ppm→3.4dH
120ppm→6.7dH
180ppm→10dH

ppmの数値を18(17.9というアクアリストも多いです)で割るとdHです。

飼育している魚に適するレンジをみつけて
現在の数値を測定し
調整する方法をマスターし
その環境を維持する
ことが肝心です。
ちょっとしたスペースでベタを飼育するかた、たくさんいらっしゃると思います。
今日はお店にこんな問い合わせがありました。

お客様「ベタっていう魚が飼いやすいってきいたのですが・・・」
お店はここでお客様がベタの飼育を始められるようにいろいろな説明をしていきます。
飼育容器のこと、スペースのこと、水のこと・・・
その途中で・・・
お客様「10匹くらい飼いたいんです!オスとメスと!」
・・・・・・・・・・・・・。(いっしょに?別々に?と焦る!)
うーん、けっこうたいへんな設備、そして飼育への決意というか、覚悟というか・・・・
いろいろなものが必要ですね!
本日の場合、まずはオスのベタを2匹、別々の設備で飼育することで決まりました。
アクアの道がはじまったわけですね。がんばってほしいです!
オスカー。飼育者にとてもよく馴れて、エサをねだる仕草や表情でたいへん人気があります。飼育には90cm以上の大型水槽が必要になります。
お店でペアについて、繁殖について問い合わせがありましたので、ここにまとめておきます。
オスカーは成長が早く、幼魚を購入してからおよそ一年のあいだに20~30cmの大きさになります。産卵は生後1年から可能です。
ペアリングは南米シクリッド特有の行動から始まります。
オスとメスがたがいに大きくヒレを広げて自らの体側を誇示、そして2匹で口と口とを噛み合って引っ張り合う行動が見られます。
2匹で砂を掘り、産卵床を作り始めます。大きく口を使って、まるで土木工事現場のブルドーザーのように砂を掘り起こし、底板が見えるまで作業をします。
飼い主に水槽をのぞかれたくはない!と言わんばかりに水槽前面に底砂を盛る個体も少なくありません。水槽の深さの半分まで砂利!というケースもあるくらいです。
メスの生殖孔に太い輸卵管が見えてくるようになれば産卵は近いです。
産卵中はできるだけ静かな環境にしてあげましょう。むやみに水槽をのぞきこんで刺激し過ぎないことです。
卵は1.8~2.5mmほど。乳白色をした粘着卵です。
初産でおよそ700~800、産卵を経験した魚やビッグママになると3000もの卵を床一面にびっしりと産み付けます。
水温27℃のとき、卵のふ化は50時間目頃から始まります。
産卵のあいだ、ペアは交代で卵に胸ビレを使って新鮮な水を送ったり、未受精卵や死卵を口で取り除いたり、健気に作業をします。
ふ化した稚魚は3~4mmほどです。親魚の口で一箇所に集められ(食べてしまったのではないかと心配するかたが多いですが・・)、泳ぎ出すまでの4~5日のあいだ、親魚によって守られます。
仔魚にはふ化したてのブラインシュリンプを与えます。
2~3週間もすれば、細かいものならなんでも食べるようになります。
生後2ヶ月ほどで、25mmほどのかわいいオスカーに育てましょう。
水質の急変、悪化には弱い面がありますので、エサやり、水かえなどを基本的な管理とします。
デボン紀初期の4億年前から白亜紀末の6550万年前まで、海で多様な種が繁栄したアンモナイト類は、微小な甲殻類などの動物プランクトンを餌にしていたことが分かった。フランス国立自然史博物館などの仏米研究チームが化石を強力なシンクロトロン放射光を利用したX線CT(コンピューター断層撮影装置)で初めて解析し、7日付の米科学誌サイエンスに発表した。

アンモナイトはイカやタコと同じ頭足類。巻き貝に似た種が多いが、研究チームは米サウスダコタ州の白亜紀後期の地層から見つかった長い棒状の貝殻を持つ種の化石を解析した。その結果、歯と舌に相当する歯舌(しぜつ)と呼ばれる部分に、微小な甲殻類が食べかけの状態で挟まっていることが判明した。

アンモナイトは恐竜などと一緒に白亜紀末に絶滅した。小惑星が地球に衝突し、舞い上がった粉じんが空を覆い、植物や植物プランクトンが光合成をできなくなって、動物が餌を失ったと考えられている。

研究チームは、アンモナイトが海中を浮遊する動物プランクトンを餌にしていたため、絶滅したと推定。一方、同じ頭足類のオウムガイは海底で死んだ魚介類を餌にしていたため、生き残ったという。

棚部一成東京大教授(進化古生物学)は「アンモナイトの餌が見つかったのは初めて。アンモナイトの卵はオウムガイに比べてはるかに小さく、卵からかえった幼体は1ミリ前後の大きさ。動物プランクトンしか食べられなかったため、白亜紀末に絶滅したのではないか」と話している。 
魚の分類は人間の都合で魚たちをグループ分けすることです。
例えば吸い付きナマズ・プレコの仲間。
プレコたちを分類するためのキーポイントは口唇の形状だったりします。
プレコたちにとってはエサを食べていくための重要な器官が口唇です。その形状を見て、藻類食性が強いとか、動物食性が強いとか、ある程度の判断をします。
人気のオレンジフィンカイザープレコを見ると、その口は石の表面などの藻類をこそぎ取って食べるような構造をしているのがわかると思います。

はりついて腹部が見えるときには、へこんでいないか、エサの過不足はないかをチェックしましょう!
お店は、これから熱帯魚をはじめるかたにたくさんご来店いただきます。
多くのかたが口になさることのひとつに
「水草の肥料って魚がいる水槽に入れて大丈夫なの?」
というポイントがあります。
もちろん大丈夫です。

ある程度飼育経験を積んで、飼育が上手になると
「やり始めた頃はいろいろな失敗もしたし、難しい局面もあったよ。」
というビギナー時代を顧みるかたが多いです。

飼育を始めたころ読んだ本を
いま 読み返してみてください。
そんなこと知ってるよ!なんていわないで!
きっと新しい発見があるはずです。