有名なエンゼルフィッシュは横縞、ゼブラダニオは縦縞ということはよく知られております。
エンゼルのシマシマはバンド、ゼブラダニオのシマシマはストライプなどと呼ばれます
口を上にした、魚釣りで魚を釣り上げたような体勢でタテとヨコを決めていく、ということもよくいわれるところです。
このことを知らない人がエンゼルフィッシュを見ると縦縞と思うでしょうし、ゼブラダニオは横縞と思うことでしょう。
ではなぜ口を上にするのか?
脊椎動物は、脊髄に平行な方を縦、垂直な方を横とするというのが決まりという説が有力です。
魚の場合は、頭を上にして尻を下にした状態で、鉛直な縞を縦縞、水平な縞を横縞とすることとなります。
このために魚類では生きて泳いでいるものを見ると違和感があることがあるのです。
たとえば有名な海水魚タテジマキンチャクダイは、普通に泳いでいるときは一見横縞、釣り上げれば縦縞に見えますね。
このことに、英語であるHorizontal-Line とVertical-Line が加わると話はさらにややこしくなります。
ブルーのラインが美しいストライプトターコイズディスカスの様に、
脊椎と平行に、頭から尾鰭に向かって流れるラインを、英語では Horizontal-Line と呼び、
ディスカスバンドの様に、背中から腹に向かって体を取り巻くようなラインを Vertical-Line と呼びます。
ホリゾンタルと言うのは水平(横)、バーチカルと言うのは垂直(縦)でありますから、
魚が泳いでいる姿を観察すればコレはコレでよいと思うのです。
注意するポイントとして、ホリゾンタル・ラインに対して、縦縞と言う名前が付けられており、これは、縦と横の関係が、英語の表現と一致しておりません。
人間がストライプのシャツを着て寝そべってもストライプは縦縞ですし、
ボーダーのシャツに着替えて寝そべってもボーダーは横縞です!