レースプラントという美しい水草があります。
その名の通り、葉がレースのように網目状になっています。
最初は普通の葉であるのに、葉ができあがるにつれて葉脈に囲まれている細胞が死ぬことによって、葉に穴があいていくこととなり、独特の優雅な葉を形成していくのです。
この細胞の死は弱って死んでしまうのではなく、DNAでプログラムされた予定通りの死だといわれております。
プログラム細胞死といわれます。
なぜレースプラントは葉を網目状にするのでしょうか?
じつはまだ解明されていない部分が多いことがらなのです。
仮説1。水流に対する抵抗を減らして葉がいたむのを防ぐ。
仮説2。表面積を大きくし、水中から吸収できる二酸化炭素を増やして光合成を効率よく行う。
レースプラントは常に水流が強い場所にいるわけではありません。網目状になっている分だけ組織は壊れやすいです。そもそも水流があると、葉は水の流れと平行になりますので、水が穴を抜けて水の抵抗を下げる・・・とは考えにくいです。
表面積はたしかに大きくなりそうです。
しかし、一度作った葉の組織を壊してしまう無駄はどう説明しましょう。
現在のところ、網目状の葉の組織には意味があるのか、ないのか、わかっていないのです。
解明される日がくるのは楽しみですが、レースプラントはみているだけでため息のでるような、
優雅で美しい水草であります。