2010年7月

23

魚類には黒色素胞(メラノフォア)、赤色素胞(エリスロフォア)、黄色素胞(キサントフォア)、白色素胞(ロイコフォア)、虹色素胞(イリドフォア)の5種類の色素胞があることが知られています。

ヒメダカ
遺伝子型ではbbRRと表されます。BBRRが野生のメダカの体色です。
野生のメダカの体色から黒色素胞(メラノフォア)が欠如したことでオレンジ色の体色となっています。

白メダカ
黒色素胞(メラノフォア)、黄色素胞(キサントフォア)、両方が欠如したものが白メダカです。

青メダカ
野生のメダカから黄色素胞(キサントフォア)が欠如した遺伝子型を持ちます。青みがかって見える改良品種です。


色揚げ用のエサはアスタキサンチン含有量が多いです。魚の赤を美しくします。
ヒメダカに与えるとオレンジ色を鮮やかにすることができます。
ヒメダカは赤色素胞(エリスロフォア)を持たないので赤色がきれいになるのではなく、黄色素胞にエサが効果的に働くわけです。
繁殖について
メダカの繁殖を観察するには横から観察できる水槽が適しています。上からしか見えない池や容器、野外(フィールド)では観察しにくいでしょう。
水槽で良好な状態で飼育を続けていくと繁殖に至ります。
保温設備を用意して水温をコントロールする愛好家も多いのですが、保温設備がない場合でも、春になり水温が上昇し、日照時間が長くなると、それが刺激になります。
メダカ繁殖について、飼育者の意見はたいへん多く、
「オスとメスの比率は1対2が良い!」
「産卵は早朝に行われるから産卵期は水槽を新聞紙で隠し日照時間をコントロールする!自分で新聞紙をはずしたときが朝で、産卵を観察する!」
など熱い議論が絶えません。
オスとメスの比率ですが、水槽の大きさにもよると思います。幅60cm以上の大きい水槽ならば1対2(例えばオス10匹、メス20匹など)でも良いと思います。
小型水槽の場合はこの限りではありません。繁殖は雌雄一対一で行いますから健康なオスとメスがいれば繁殖行動は観察できます。
産卵行動はオスがメスを追尾するところから始まります。
オスは抱卵したメス(腹部の丸みが増しています)の前でクルリと回転するように泳ぎ、ヒレを広げディスプレイします。ヒレを広げてメスの行く手を遮るような仕草が観察できます。
求愛に応じたメスは泳ぎを弱めます。
受け入れられたオスは、メスを抱きかかえるようにして産卵行動に入ります。
メスが卵を産む瞬間、オスは背ビレと尻ビレを使いメスの体の後半部を抱くようにします。
メスは卵を産み出し、オスが放精することによって受精が完了します。
産卵時間は15~25秒です。
メスは卵をもったまま泳いでいますが、しばらくすると水草などに卵をくっつけていきます。
卵は房状になっていて、粘着糸によって水草などにからみつくのです。
水温によって孵化までの日数は異なります。
水温18℃のとき20日、
水温25℃のとき10日、
水温30℃のとき8日ほどでふ化します。産まれた卵の一部がまずふ化し、翌日多くの仔魚がふ化するイメージで臨むと良いでしょう。
親メダカは卵や稚魚を食べてしまいますので、
卵はくっついている水草ごと、その水ごと、別容器に移し、孵化を待ちます。
孵化した稚魚(体長4~5mm)は、はじめ腹部に卵黄があります。卵黄を吸収し、自由遊泳に入ったら稚魚用のエサを与えていきます。卵黄の吸収には2日ほどかかります。
成長は非常に早く、3~4ヶ月も経過すれば産卵可能な大きさになります。
卵や稚魚が吸い込まれないような構造のろ過器、エサを与えるためのピペット、粉末状の稚魚用飼料などは欠かせないアイテムとなります。
メダカの飼育
メダカたちの命は100パーセント、人の手にゆだねられています。どうしたらメダカが幸せに暮らせるかを考えるのは人間の役割になります。
メダカにとっての幸せとは命の維持・発展が妨げられない環境で生活することであります。
メダカが成長し、繁殖し、世代交代をする瞬間を、バーチャルの世界ではなく
目の前で観察・体験することで生命の尊さ、その舞台となる自然の本質について考えることができるのがメダカ飼育水槽であります。
実際に飼育するにあたって、
この飼育方法は正しいのか、もっと良い方法はないのか、などいつもメダカのことを考えてあげることはたいへん重要です。
一日のうち、朝と夕方、夜中とで水温変化が大きい置場所、直射日光が当たり水温が上昇する場所、開閉の多いドア付近などはメダカにとって生活しにくい場所になります。

メダカに側線なし。
体側線は、魚の感覚器官といわれています。魚は側線で音や振動を感じています。
しかしメダカには側線がありません。そのかわり、目のまわりと頭の上のほうに点状の器官があって、そこで音や振動を感じています。メダカ飼育はメダカたちが静かに暮らせる場所選びから始まります。

メダカの水槽を「見ること」と「観察すること」とはたいへん大きなちがいがあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、メダカにとって住みやすい水であるかどうかなど、チェックする項目はたくさんあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、体のハリ・ツヤなどからメダカのコンディションを把握し、どのように管理していくかを決めていきましょう。
飼育・管理において一番大きなウェートを占めるのは「エサやり」と「水かえ」です。

どんなエサを与えるか?
配合飼料
容器に入って市販されている「メダカのエサ」はたいへん手軽で、メダカの主食になりえます。配合飼料の性能は年々高くなっており、健康なメダカづくりには欠かせないエサであります。摂取量に対してフンが少ないエサがより優秀なエサといえます。それだけ血となり、肉となった証拠であります。水を汚さないということを売りにしたエサも多く見かけます。与えたときにメダカたちが飛んできて喜んで食べるエサを探してあげましょう。
冷凍飼料
冷凍ミジンコ、冷凍赤虫、冷凍ブラインシュリンプ、冷凍コペポーダ、冷凍ワムシ、冷凍ブラインシュリンプなどがあります。いずれも冷凍庫で保存ができ、手軽に与えられるうえ、嗜好性も高いです。メニューに加えることで、メダカがより多くの栄養素を摂取でき、なんでも食べる強く健康な個体に育ちます。
フリーズドライ飼料
赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプ、イトミミズなどがフリーズドライ加工されて容器に入って市販されています。フリーズドライ飼料は水に浮きやすいため、メダカたちにとっては食べるのに好都合といえます。
活きエサ
イトミミズ、赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプなど、生きたまま与えます。
嗜好性は高いですが、病原菌を水槽に持ち込んでしまうリスクがあります。活きエサを入手するときにどういう経路をたどってきたかを調べられるとよいでしょう。

どのくらい与えるか?
与えたエサはすべてメダカの口に入るのが理想です。
水槽の底にエサが沈んだまま
与えたエサがろ過器(フィルター)に吸い込まれている
などといった状況は水質悪化に直結します。水槽内に残ったエサは、水槽の水をどんどんメダカが生活しにくい水にしてしまいます。
まずは少量のエサを投与します。みている内にエサがなくなるのが理想です。メダカはコンディションが良ければ活発にエサを食べますし、具合が悪ければほとんどエサを食べません。エサ食いは体調を知る目安になるのです。
水温も大きく関係しています。

メダカの体温
メダカは言うまでもなく魚類で変温動物です。人間のように決まった体温を持ちません。生活している水の温度がそのまま体温になります。
メダカの場合は季節によって、あるいは一日のうちでも体温に変化があることになります。
水温が高ければ代謝は活発でより多くのエサを摂取しなければなりません。
水槽飼育においては「エサは毎日このスプーンにこのくらい」などと決めつけずに、毎回観察しながら与えていきましょう。極端な例を挙げれば、冬、氷が張るような状況でメダカはエサを食べません。
春から初秋にかけては水温も高めですので1日に2~3回、食べ残さない量を与えます。

水かえ
水槽や池などの飼育環境は「閉ざされた・限られた空間」です。
毎日エサを与えメダカを飼育していくと、飼育水はメダカが生活しにくいものになっていくのです。
水質データをもとにしますと
pHが下がってくる(あるいはpHが急変する)
アンモニア、アンモニウム値が増える
亜硝酸値が増える
などはメダカの命に関わる項目です。こうなる前に行わなくてはいけないのが「水かえ」作業です。全体の三分の一ないし半分の水を捨て、新しい水を注入するのです。
悪い水を捨てて、良い水を入れ、飼育環境全体を良好にキープするのが目的です。
ポイント
用意する新しい水は、飼育水槽の水温と同じにすること。
「同じくらい」はダメです。水温計で確認が必要です。
水槽の水温と異なる温度の水を入れると
水槽の水温が変わるので、メダカの体温が変わってしまいます。
目には見えませんがバクテリアが死亡するので飼育水はメダカが生活しにくいものになってしまいます。
我々人間も、体温が34度だったり38度だったりしては普通の生活がおくれないように水温はきわめて重要なポイントです。
水温が変わりやすい置場所の設置は避けなくてはなりませんし、気温・水温が変化する季節の変わり目も注意が必要です。

どのくらいの周期で水かえを実施するか?
もっとも一般的な目安とされるのが「一週間に一回」です。
あくまで目安です。
同じ大きさの水槽がふたつあったとします。ひとつには10匹のメダカが、もう一方の水槽には30匹のメダカが収容されているとしたならば、当然水の劣化、悪化の速度は変わってきます。
メダカは新しい水で飼育してあげたいものです。キビキビと泳いで元気にエサを食べます。
古い水だと泳ぎの「キレ」が鈍り、エサの摂取量も低下しやすいのです。病気になりやすいのも酸性化した古い水や汚れた環境です。
メダカたちにいつも同じ水質や環境を提供するために必要な作業が定期的な水かえです。
水かえ前と水かえ後の環境がちがい過ぎてもいけませんので、水かえはさぼれません。
どのくらいの周期で水かえを実施するかは管理者が最適なレンジを探ってあげなくてはなりません。1日おきがいいのか、水曜・日曜と週2回がいいのかは、飼育者が観察し、実施して決定していくことです。

続く
メダカのデータ
体長 3.5cmから4cm
分布 本州 四国 九州 琉球列島 北海道にも移入されています。
寿命 自然では1~2年、飼育水槽では3年ほどです。
卵の数 1回に自然では10~20個、飼育水槽では20~30個。
3月下旬~9月下旬までが産卵期。
日照13時間前後、水温15℃以上が産卵の条件です。

オスメスの割合 自然のメダカの群れはおよそ8割がメス

雌雄の見分け方
成魚のオス 尻ビレが大きく平行四辺形に近い形。メスを尻ビレで包み込むようにして産卵を促すという生態に関係しているので、メスより尻ビレが大きい。
背ビレの後方(基部)にキレ込みが入る。
メス 背ビレにキレ込みは入らない。尻ビレはオスに比べて小さく台形に近い形。


地域ごとにメダカの形質に特徴があります。遺伝的な研究がすすみいくつかの型に分けられるようになりました。
南日本集団東日本型 関東地方でもみられるクロメダカ
北日本集団 下北半島から日本海に沿って丹後半島周辺まで分布。大型で鱗が網目状にはっきりみえる
南日本集団山陰型 中国地方から北側、丹後半島以西の本州、隠岐に分布。瀬戸内型とは遺伝子型が異なる
南日本集団瀬戸内型 瀬戸内海をはさむ本州、四国、九州に分布
南日本集団北部九州型 九州北部と対馬、壱岐、五島列島にかけて分布
南日本集団有明型 有明海に接する長崎県から熊本県にかけて分布
南日本集団薩摩型 九州南西部、薩摩半島を中心に分布。細身の体形でやや大型。
南日本集団大隈型 九州南東部、大隈半島周辺に分布
南日本集団琉球型 琉球列島にのみ生息する型。オスの体高が高めで、体形はやや寸詰まり。

飼育においては、種の保存ということをふまえてむやみな交配は避けるべきです。
1種類を徹底的に飼育し、血統まるごと管理するくらいの気持ちで臨みましょう。
人間の手で、野外に魚を放流することはあってはなりません。
一度、人間の手の中に入った個体を野外に放ってはいけないということです。

続く
先日、東京・江東区の東大島文化センターで行われた「メダカの世界」という催し物に講師として招かれ、みなさまにメダカについてお話をする機会がありました。
様々な質問を多く受け付けましたが、今日はメダカについて見ていきましょう。

東京で暮らす私たちがメダカに接するには、大きくふたつの道があります。
ひとつは自然(フィールド)に出かけて、野生に暮らすメダカを観察すること、
もうひとつは家庭に水槽を設置してメダカを飼育することです。
自然環境で生活するメダカと水槽環境で飼育されるメダカ、共通する部分と、分けて考えなくてはならない部分がありますので、今回はこのふたつの面からメダカの世界をのぞいてみましょう。

現在、自然の中でメダカを探すのは意外とたいへんなことです。
田舎に出かけて地元の人に「あの川にメダカがいるよ!」と聞いて出かけても、実際は別の川魚の幼魚であることも少なくありません。
日本でメダカが生活できる場所はたいへん少なくなってきているのです。
メダカが住んでいるのは川、池、沼、用水路、田んぼなどです。春から秋にかけてのあたたかい季節には流れのゆるやかな浅瀬があるような場所の水面に、群れを作って暮らしています。冬になると川底の落ち葉の下、岩や流木の陰などにかくれて暮らします。
流れのはやい場所にはいません。ゆるやかな流れに対して全員が頭を向けて群れで泳ぎます。
メダカはそこで何を食べているのか?
メダカの食べ物となるのは
緑藻類 アオミドロ、ミカヅキモ、ボルボックス
原生動物 ミジンコ、ゾウリムシ、ケンミジンコ、イトミミズ、アカムシ、ボウフラなど
水面に浮かんだエサを食べることが多いようです。
水槽飼育の場合、多くは市販されているメダカのエサ(配合飼料)ミジンコなどです。
飼育下でなれた個体は水底のエサも食べる様子が観察できます。

こうした緑藻類、原生動物、プランクトンは河川の開発とともに減少します。
生息環境の開発や悪化によりメダカの野生個体は減少傾向にあり、1998年には環境省のレッドデータブックに掲載されました。日本で絶滅のおそれのある野生動物であるというリストに載ってしまった、ということです。
メダカは何に食べられるのか?
メダカが生活している場所にはほかの生き物も多く生活しています。自然界ではメダカをエサとする生き物も多く知られています。
メダカを食べる生き物
ヤゴ、タガメ、ゲンコロウ、タイコウチなどの水棲昆虫、
サギなどの鳥、
アメリカザリガニやブラックバスなどの外来生物です。

飼育下では水槽にフタをする場合が一般的ですが、屋外のスイレン鉢や池などでは猫、カラスなどには注意が必要です。防止のため容器にアミをしている管理者も見かけます。残念なことにメダカや水草、場合によっては飼育容器を持ち去る泥棒被害も毎年耳にいたします。

続く
「いぬのきもち」や「ねこのきもち」「馬のきもち」という言葉があります。
「さかなのきもち」はどうでしょう???
ガラスの中、水槽や池の中、直接触れ合うことができない魚は、一般的に犬や猫よりも軽視され、その命を軽く見られがちな面があります。
さかなのきもちを理解するためには
一に「観察」
ニに「実行」です。
三は再び観察で、四はその結果の考察です。

魚の命は飼育者の手にゆだねられております。ほぼ100パーセント・・。
連日の猛暑日で、水温上昇対策の問い合わせが増加しております。
冷却ファン、クーラー、水温計、器具のチェックもお忘れなく。
水槽をのぞきこむ。
興味を持って魚を観察する。愛情をもって管理をする。
そうしていくうちに、ガラスを通過して、水槽の中へ引き込まれるような感触に出会うのです。
ガラスを隔てているはずの魚と人間が、人間世界でもなく、魚世界でもない共通の空間にいるような感覚になるのです。
魚の魅力にとりつかれた人の魚へのエネルギーはものすごいものがあります。
新しい恋が始まった高校生の数十倍数百倍の力が発生します。
人から魚に向かうベクトルの矢印はとっても大きいのです。
さあ、次は魚から人間に向かっている矢印を感じ、受け止めてあげなくてはいけません。
この感覚は、人がステップアップするごとに出会うアクアの醍醐味であります。
小さな水槽でも、水族館でも、川の水面でも、池でも、湖でも、海でも、水面・ガラス面を通り越した向こう側にある世界を、どうか体験してみてください。
いや~観賞魚って、本当にイイものですね!
金魚のことを記した書物はたくさんあります。金魚500年の歴史に残る偉大な先生方の足跡、秘伝は趣味の枠組みを超越した研究対象でありますから、敬意を表し真剣にうけとめましょう。当コラムでは、金魚販売の現場において実際によく受ける相談や質問、そこから発生する考察をスペースの許す限りナビゲーションしていきたいとおもいます。

■金魚すくいのこと
お客様からいただく質問の中でいちばん多いのは金魚すくいの金魚が長生きしないということです。確かに持ち帰った金魚すべてを生かすのは難しいと思われます。彼等は流通の過程においてショップで販売される魚のような扱いをされていないのが現状です。浅く張られた水に過密に詰め込まれ、紙やモナカ(ポイといいます)で追いかけられ、酸素も入れてもらえず運ばれてしまうのです。持ち帰られてもセットしたての不安定な環境や、異なる水温異なるphに入れられては‥‥彼等が生活するには過酷な1日であります。通常、魚を飼育するにあたって、あらかじめ用意した水槽に水合わせをして導入することと比べていただきたいのです。金魚すくいには受け入れる水槽をセットしてからでかけましょう。縁日の和金と10年つきあう人も少なくないのです。

■購入時の金魚の選びかた
金魚、ディスカス、アロワナ、フラワーホーンを筆頭に魚の第一印象はきわめて重要です。購入のときのみならず、品評会、コンテストにおいても大きなポイントとなるところです。長いつきあいになるので気に入った個体を入手してほしいのです。ショップの店員さんに『元気そうな子を』とお願いしてもよいと思いますが、もうワンステップアップして自分で選択した個体をすくってもらうとよいでしょう。元気に泳いでいるか、ヒレや体にキズやいたみはないか、眼球、エラは正常か、体型はどうか、更紗(赤と白の織りなす模様を更紗といいます)や三色の場合は、模様の入り方が好みか、などをポイントとすると良いとおもいます。なるべく多くの魚を見て、見る目を養うと将来性について推測する楽しみもでてきますし、コンテスト出展などにも夢が膨らむでしょう。

■エサのこと
現在では多くのメーカーから良質のエサがリリースされています。何種類か用意してローテーションを組んで与えると良いでしょう。1種類だけのエサで育った魚と、数種類のエサを食べて育った魚を比べると発色、太り具合、ツヤなどの面でやはり差が出てきます。1種類のエサのみを与えることによって、赤色であった金魚が白くなってしまったり、成長不良をきたしたりすることもあります。また、金魚はグルメな面も持ち合わせており、開封直後のエサは食いつきが良いのです。何でも喜んで食べさせるためにも、数種のエサは用意してほしいところです。ペレット、フレーク、冷凍、フリーズドライ、赤虫、イトミミズ、水草など、食べる様子を観察してほしいとおもいます。

与え方について。購入したエサの説明を見ると『数分で食べきる量を1日2~3回』とたいてい書いてあります。当コラムとしてはエサの与え方として次の方法を提案します。

まず、少量のエサを入れる。そして食べきったらもう少し与える。この繰り返しの時間を数分としてほしい、ということです。数分あれば水温やろ過槽の状態もあわせて確認できます。一度に大量のエサを入れてエサが沈んでしまう状態も問題発生の原因となりますし、決まった時間に1~2回の投与ではエサ不足も招きかねません。水温、水の状態、魚のコンディションなどによって食べる量はいつも同じとは限りませんので、与えたエサはすべて愛魚の口に入れる、くらいで良いでしょう。昔から『エサをやりすぎると死ぬ』といわれますが、これは本当で与えすぎるよりは控えめの給餌をこころがけると良いでしょう。

■Phのこと
金魚の飼育においてPhの把握、管理はきわめて重要です。一般的な飼育セットでスタートし、エサをやり、バクテリアによる硝化作用がすすむと、どうしてもPhは低下していくのです。Ph5前後では、金魚の遊泳が鈍くなり、エサ食いも鈍り、底のほうでじっとしてしまうこともあります。Phは、毎日決まった時間に測定しましょう。数値をメモし、できればグラフにすると水槽内でなにが起こっているかが把握でき、適切な処置方法も見えてくるとおもいます。

Phの管理においてはスタイルに合った方法を選んでほしいところです。

①Phを降下させにくい機能をもつろ過材を使用して安定を図る。

②硅砂やサンゴ砂、カキガラを使用すると成分が溶けだすことによりPhを上昇させることができる。

③Ph調整剤を使用する。などの方法が知られています。

■病気のこと
病気にはならないように管理するのが理想でありますが、金魚の病気の問い合わせは白点、尾ぐされを筆頭に後を絶ちません。病気を発見したらすぐに処置を施すため、魚病薬は数種類用意しておくと良いでしょう。人の1日と魚たちの1日は異なるらしく、病気の進行は早いのです。処置が遅れると完治も遅く、死に至ることもあります。あわてて薬を買いに走ることがないようにしたいところです。日ごろの管理、観察が重要です。なお、精製前の原塩の使用はミネラルバランスを改善し、殺菌効果もあり有効であります。0.5%の塩水(飼育水10リットルにおよそ塩50g)で予防薬浴する方法も知られています。

転覆病について。琉金、オランダなど丸手の金魚に多く発生する病気で上下さかさまにひっくりかえってしまう症状であります。エサを食べるときは戻ったりして、すぐに斃死することはありません。原因は、水温が関係しているといわれています。15℃以下だと発生しやすいとされます。また、水かえなどにより水温が急変したりすると発症するようです。運動神経系に異常をきたすとされています。

食べ過ぎの金魚もかかりやすく、肥満により圧迫されたウキブクロの調整機能が狂うともいわれています。コレを入れれば元通りに泳ぐようになる、という薬はなく、ヒーターの使用で水温を一定に(25℃前後)保つことで予防となります。発症した場合、水温を上昇させることで元通りになることもありますが、発症して長期間が経過しているときは現在のところあきらめるしかないようです。

「転覆病の原因」、最近では以下のようにとらえられております。
転覆病は、金魚のうきぶくろの異常により発生すると考えられてきました。金魚は浮き袋を2個持っていますが、そのうち1個または2個がなんらかの原因により収縮してしまい、金魚は平衡を保てなくなり転覆すると言われてきました。しかし、転覆病になった金魚のレントゲン写真を見てみると、正常な浮き袋を持っているものでも転覆することがあるということがわかり、浮き袋の異常が転覆病の直接的な原因ではないことが示唆されました。
最近の研究では、金魚の脊椎の中の平衡感覚に関係する神経が支障をきたし、それらが原因で金魚が転覆すると考えられています。
ではどんなときに神経が支障をきたすのか、を考えてみましょう。
①エサの与えすぎによる金魚の肥満で平衡感覚をつかさどる神経が圧迫される。
②水温の低下で神経そのものが支障をきたす。
まだまだわからないことの多い病気ですね。
「対策」
完全な治療法はありません。しかしこの病気は水温が低下する冬に多く見られることから、水温をゆっくり25℃前後で一定にすると、転覆して間もない金魚に限っては治ることが知られています。
肥満を防ぐためには2~3種類のエサを与え、栄養のバランスをとり、なおかつ与えすぎない量を見きわめることが大切です。カボンバやアナカリスもエサとして与えると良いでしょう。水草に含まれるカロチンが体色を鮮やかにし、調子を整えます。
粗塩の使用(0.2~0.3パーセント)は、金魚のミネラルバランスを整えるので、一応効果的です。体表にキズがある場合は浸透圧調整機能が低下していますので、入れたほうが良いでしょう。

■水道水について。
水道水は各地で水質が大きく異なります。できれば水かえ毎に水質チェックをすると良いでしょう。浄水場によって、季節によって、でてくる数値は異なるはずです。梅雨時や季節の変わり目、この夏いちばんの暑さ、などという時は注意したほうがよいとおもいます。水道局に問い合わせれば塩素量など詳細がわかります。マンションなどに多い貯水タンクの場合、汲み置かれることによって炭酸ガスが放出され、原水よりPhが上がる、という性質を忘れてはなりません。停電時、水も出なくなってしまう上階にお住まいの方は注意してほしいところです。マンションの定期的なポンプ点検や、タンク清掃後の水は、はっきりいって使わないほうがよいでしょう。

■繁殖のこと
金魚の産卵は明け2歳魚から可能であります。寒い冬が終わり、水ぬるむ春がシーズンであります。飼育下では金魚のライフサイクルに合わせた水温管理が必要となるでしょう。金魚に冬を感じさせるには水温5℃~10℃で50~60日の環境を提供します。春が近づき15℃、20℃になってくると産卵が始まるのです。

雌雄の判別について。オスの特徴は繁殖期に現れる追い星であります。エラブタや胸ビレに白い点が現れます。毎年白点病と間違える人から問い合わせを受けます。(たしかによく似ています。)メスは冬のあいだから抱卵しているため生殖孔が突出していて、大きいのが特徴です。抱卵しているメスのお腹はやわらかくなっていきます。産卵槽には、カボンバ、アナカリス、ホテイアオイなどの水草を入れましょう。(人工水草や荷造り用のテープでの成功例も多いです。)両親を合わせて産卵を待ちます。2、3日で産卵しなければ元にもどして仕切りなおし。産卵後は卵が食べられてしまわないように親は隔離して、稚魚育成水槽とします。産卵後、精子で白く濁った水は必ず交換しましょう。消毒の意味もこめてマラカイトグリーンやメチレンブルーをうっすら(規定量の三分の一程度)投入するやり方もベテランのあいだでは多いですね。よく受ける質問の一つに、卵や稚魚がフィルターに吸い込まれる、というのがあります。ろ過をしないケースではエアレーションのみで換水によって管理していきます。フィルターを使用する場合は吸い込み口にストレーナースポンジをつけたり、水流を弱めにする処置などが必要となります。さて、卵は20℃~25℃においてはおよそ4~5日でふ化します。17℃のときは7日ほどです。ふ化したての稚魚たちはサイ嚢とよばれる器官から養分を摂り、2~3日間じっとしていますが、自由遊泳をはじめたらエサを与えなければなりません。エサ供給の安定性からブラインシュリンプをふ化させて与える方法が良いでしょう。各メーカーからリリースされている優秀な稚魚用飼料や、冷凍飼料も忙しい現代人には大きな助けとなるでしょう。ふ化して一週間から10日で最初の水かえをし、エサやり、水かえを基本的な管理として成長させましょう。育成の段階で、淘汰の作業も必要であります。奇形魚、成長不良魚などは、思い切ってはじかなければなりません。なお、異種間の交配は奇形魚が多く産まれるようで、交配は同種間が良いでしょう。新品種誕生の大きな夢は異種間交配にありますが、固定には10年以上かかると思われ、覚悟と決意と実行力が必要です。

■世界各地で金魚ブーム
ピンポンパールのブレイクもうけて、シンガポール、香港、ペナン、中国での生産がめざましいです。ドイツでの金魚、錦鯉の熱も高まっており、ノウハウが輸出されているような状況であります。アクアラマ、インターズー、ペットエキスポなど世界レベルの会場には金魚や錦鯉が展示され(ランチュウ、紅白、三色などは日本語そのままです)コンテストもしっかりカテゴリー分けされてきています。日本の生産者が作る魚とは一線を画したかわりだねも見かけられ、まだまだ発展していくことは想像にかたくありません。金魚先進国日本も、生産者からちびっこキーパーまで、更なる発展を遂げることを切に希望します。
東京・江東区・東大島文化センター1階ロビーにて。
「水辺と生き物」をテーマに身近な環境について考えます。
今年は国連が定める国際生物多様性年でもあります。生物と人間の環境を考える機会とします。
展示期間は7月20日(火)~7月31日(土)です。

【展示構成】
1.水辺から見た世界
(1)カヌーから見た水辺 ~大島・亀戸の舟遊を中心に~
(2)江東水辺十景 ~名所江戸百景に描かれた江東十景~
(3)江東区立中学校カヌー部の活躍

2.多様な生物が共生できる環境づくり
(1)蝶の道プロジェクト
(2)実例の紹介

3.メダカの世界
(1)自然環境で生活するメダカ
(2)水槽環境で飼育されるメダカ

【体験教室】
☆蝶のお話し会
「蝶の道」(ソニーマガジンズ新書)の著者・南孝彦先生が、蝶の世界についてお話しします。
日時:平成22年7月20日(火)午前10時~11時まで
場所:江東区東大島文化センター1階展示ロビー
定員:15名 ※料金は無料
申し込み方法:7月10日より先着順

☆メダカのお話し会
当店店長がメダカについてお話しします。会場には期間中、水槽でメダカを展示します。
日時:平成22年7月25日(日)午前9時~10時まで
場所:江東区東大島文化センター1階展示ロビー
定員:15名 ※料金は無料
申し込み方法:7月10日より先着順

お問い合わせ・お申し込み
主催:公益財団法人江東区文化コミュニティ財団 東大島文化センター
〒136-0072 東京都江東区大島8-33-9
電話:03-3681-6331
休館日:第1・3月曜日(祝日の場合は開館します)
質問4)
水草水槽を作るときに、水草の育成にソイルが効果的と書いてありますが、肥料などはあまり必要ないのでしょうか。

A、肥料の与え方は大きく分けて二つあります。ひとつは液体肥料を水中に投入する方法、もうひとつは固形肥料を底床に埋め込む方法です。(液体肥料を底床に注入する方法を採用する愛好家もいらっしゃいます。)液体肥料は主に有茎水草に用います。有茎水草は葉から肥料を吸収する能力が高いからです。草体の成長にとって根の存在や役割がウェイトを占めない品種には液体肥料が有効です。
株状の水草、アマゾンソードに代表されるエキノドルスの仲間、クリプトコリネやニムファの仲間、そして有茎水草でも根を盛大に張る品種(ラージリーフハイグロやジャイアントアンブリアなど)は、葉だけでなく根からも肥料を吸収しますので、植え込んだ水草の根元に固形肥料を埋め込んであげます。根が底床肥料に触れたその瞬間がわかるほど水草は見違える姿に成長していきます。

市販されているソイルには、水草の成長に必要な栄養素や微量元素が含まれているものや、有害物質の吸着効果をうたったものなど様々な製品がリリースされておりますので、それぞれ確認が必要です。
今回肥料とソイルの関係について考えてみましょう。ソイルが水草に向くとされる要因のひとつに、ソイルの「肥料のキープ力」が挙げられます。いかに底床肥料を閉じ込めておいて水草の根が吸収しやすい状態にキープするか、ということです。例えば、水槽にビー玉を敷き、その中に底床肥料を入れた場合、肥料はキープされずに流出しやすいですね。粒子の大きい底床は固形肥料のキープ力が低いということです。その点ソイルは固形肥料をがっちりキープし、育成難易度の高い水草にもチャレンジしやすいです。水草育成やレイアウトに力を入れた水槽に好んで細目が用いられたり、粗目のソイルの上に細めのソイルをかぶせたりすることは、このようなポイントもふまえてのことです。

肥料の必要性についてですが、水草がどのくらいの肥料を要求するかは品種によって異なります。控えめな量で美しく新葉を展開する品種もあれば、多くの肥料を与えないと上手に育成できない品種もあります。光や二酸化炭素も大切ですが、ソイルと底床という点で、施した固形肥料の量はきちんと把握しておく必要があります。たとえば水槽の俯瞰図に肥料を施した場所や量、日付をメモする方法や、5cm角のエリアに2個!とか10cm角のエリアに5個!といった具合に量を調節できる方法をとり、きちんと管理をすると良いでしょう。

質問5)
ソイルをはじめて使用する時、気をつけることは何かありますか。ソイルを使用しない方がいい場合なども教えてください。

A、
★ソイルを敷くとき
これからはじめる水槽、ワクワク感やハイテンションと共に計画性をもってのぞみたいものです。ソイル導入時に多くの愛好家が注意するポイントはなるべく静かに、ソイルが舞い上がらないように、ということです。レイアウトで岩や流木を用いる場合、ソイルを敷いた後から配置をすると濁りの原因となることもありますので、ある程度の位置に配置をしてから少しずつソイルをいれてレイアウトを作っていく方法がとられます。粗目と細目を併用する場合にも計画性が必要ですね。手前のソイル厚4cm、奥7cmなどという厚さやソイルの量もチェックしましょう。水を入れる前に流木や岩の上にのってしまったソイルの粒子をハケや筆で掃って整える念の入れようもソイルの世界ならではのものです。

★水を入れるとき
この後の質問6・水の濁りの問題と重複する部分が多いポイントです。いかに静かにソイルを舞い上げることなく注水できるかに全力をそそぎます。飼育水になる水を霧吹き器に入れ、まずは霧吹きをすることでソイル全体に水を染み込ませていき、濁り防止を狙います。注ぐ水がソイル面に穴をあけないようにするために、みなさんじつに多くのグッズを使うようです。お店でお客様にちょっとインタビューしてみただけでも、平たいお皿、お茶碗、発泡スチロール、板、ビニール袋、細目のネット、自分の手、ガラス板、プラケース、ジョウロでガラス面に当てて・・とみなさま自分の作業しやすいグッズを使っているようです。まずは水槽の三分の一から半分まで水を張って様子を観察します。白く濁っているような場合は、もったいないですが静かに排水し再び水を張り、クリアな水を目指します。

水を張ったら、浮遊しているソイルやゴミは細目のネットで丁寧にすくいます。敷いたソイルに含まれている空気を抜く作業を行う例も多く見られます。ピンセットなどで穴を開けるように底床内の空気抜きをするのです。

★使いはじめた日をメモ
管理の第一歩です。ソイルをリセットするまでの日数を確認できます。経験、データ、実績を積むこともアクアの道です。水を張ってからは、コケを発生させないように、成長の早い水草(マツモ、ハイグロフィラ、アンブリアなど)をスターティングプラントとして用いるのも手です。水槽環境が安定し、ユニット全体が軌道に乗るまではたいへんですが、コケ退治はもっとたいへんです、がんばりましょう。

★粒子の様子を写真に撮影しておく
定期的に同じポイントで観察記録をつけ、目に見えるようにする愛好家も多いです。

★水質測定
スタートからリセットまで、水質検査も重要なポイントです。pHがどう変動していくのか、硬度がどんなペースで上がっていくのか、夜間はどうなっているのかなど、測定結果から対処方法のきっかけをつかむ場面も多いです。

★水温
まずは同じ温度の水を入れることが重要です。通常時の水温より高い水温の水(お湯)や低い温度の水は入れないにこしたことはありません。微生物の死滅にもつながります。「同じ温度」と「だいたい同じくらいの水温」とでは結果も異なるでしょうし、水槽や生き物に対するこころがまえや実際の水温確認など管理のきめ細かさの問題となりましょう。水温と並んで水質(特にpH)もポイントです。使用する元の水がアルカリ性だと、セット初期にソイル内の有機成分、フミン酸などが水中に溶け出しやすく、水に色がついてしまったり、白く濁ってしまったりする原因となります。(自然の土が原料のソイルですから、もちろんそうなるとは限りません。)

★魚病薬の使用
質問にソイルを使用しない方がいい場合とありますが、ソイル水槽に魚病薬は使用しないのが原則です。生体を病気にはさせられない状況が続くわけで、トリートメントの済んだ魚を本水槽に導入することや、日常の管理を怠らないことが重要です。もちろん底砂内をパワフルに索餌するコリドラスや底床への依存度の高いプレコやドジョウの仲間、底砂を掘りテリトリー(縄張り)を主張するシクリッドなどもソイルには不向きといえます。

観賞魚用の砂利や底砂にはソイルにはないメリット(洗うことで長期間使用できることや、底砂クリーナーを用いた積極的な泥抜きができること、色彩豊かなバリエーションの中から選択できることなど)がありますので、生活する生き物にあわせて選んであげることが成功への第一歩となります。



質問6)
ソイルを敷いて水槽を立ちあげると水がにごってしまいます。できるだけ抑えたいのですが、何かいい方法はありますか。私の場合、水道と水槽の位置が遠く、バケツで水を導入しなければなりません。

A、水の濁りについては質問5を参照してください。水道と水槽の位置が遠く、バケツで水を導入しなければならないとのことですが、いくつか提案できることを挙げてみましょう。水の入れ方、給水システムは誰しも経験を積んでいくうちにより効率的な方法を考えたり、楽な方法、手のかからない方法、生体にとって最善な方法を探ったりするようです。バケツを用いる場合は・・・

・バケツの中にポンプを入れポンプに接続したホースを水槽に向ける給水装置を作る。

・バケツを水槽より高い位置に上げることができる場合は、サイフォンの原理を利用してエアーホースで少量ずつ注水する。

などが考えられます。

バケツで直接注水することに比べたら、ビニール袋を用いたほうが、舞い散りを抑えられ、静かに注水できそうです。ちょうど、新しく購入してきた魚の袋を水槽に浮かべるときのような注水方法も一考ください。

意外とよく見かけるのが、よく使う蛇口を二股にして、ひとつを水槽用とするケースです。

水道を水槽に近づけるために水槽用に蛇口を作ってしまうには、塩ビ管VP13、バルブソケットなどを使って水まわりの機能性を高めます。重たいバケツ運びが億劫でなくなり、管理もはかどるでしょう。



質問7)
ソイルの中にもバクテリアが繁殖して水の浄化を助けるという話を聞いたことがあります。本当でしょうか。

A、本当です。目には見えませんが、ソイルの粒子にはバクテリアが生活をし、分解作業ができる場所があります。水の浄化はろ過器を中心とし、ソイルはあくまでこのような働きがあるのだという認識をしている愛好家が増えています。底床内で微生物を増殖させるためにはある程度の水と酸素が必要なため、ソイルのみを敷くのではなく、水と酸素の流通を狙った粗目の素材を下敷きにする方法があるのです。

ソイルのみを敷いて水槽を稼動させると、飼育水の水温よりも底床内の温度は低くなりがちです。そこで底面にプレートを入れ、ヒーターなどの保温設備をすることで水と熱の対流を狙う方法も知られております。

製品によっては、ミネラルや微量元素が配合されているソイルも見られ、長期間にわたってバクテリアの活性化を狙ったり、底面式フィルターと併用したりすることで、より強力なろ過の実現を目指すのです。水草育成ソイル水槽の場合においては、多くの水草に必要な好気性バクテリアである根留菌の繁殖を補助することなどをうたう製品もみられます。

リセット時廃棄するソイルのうち、大粒のものだけを取り出し、次の水槽の「種ソイル」として用いる方法も広く知られるようになりました。目に見えないことまで、小さな微生物のことにまで思いをめぐらせてソイルに取り組む、見習うべき姿勢が広まっております。
ソイルについて、お店でよく受ける質問について記しておきましょう。

質問1)
ソイルの交換時期の目安について教えてください。

A、かなりのベテランキーパーや、ショップの店員さんをも悩ませる問題だと思います。おそらくプロブリーダーの方々ですら24時間常に頭のどこかで考えていらっしゃる問題ではないかと思います。各メーカーからリリースされている製品の使用説明書にある「粒子が崩れてくるため1年で交換」「6ヶ月間は機能が持続します」「2年間崩れません!!」などはあくまで一般的な目安であります。お店に立っておりますと、6ヶ月のかた、8ヶ月のかた、12ヶ月のかた、15ヶ月のかた、いろいろなお客様に出会います。ソイルの交換時期はケースバイケースで、同じ大きさの水槽でも、飼育する生き物の種類、数、水草のコンディション、ろ過槽の立ち上がり具合、日常の水槽メンテナンス、エサの与え方など多くの要因によって目安通りにいくとは限りません。

粒子の崩れ具合はもちろん外見で判断します。同じ製品でも水槽の大きさ、深さによって崩れ具合は同じでありません。水槽の深さ、水量、水の流れ方、ろ過の方法などに影響を受けます。崩れきってしまったソイルの交換は重労働でリセットに時間がかかります。好きではじめたアクアリウムであるのにソイルの交換がひと仕事になってしまいますので、水槽手前や側面のソイルの状態などを毎日チェックして、交換用のソイルの手配をはじめとする準備は早めに動きだしましょう。

弱酸性の軟水に仕上がるという水質的な効果の面から見ますと、

①pHが弱酸性のレンジから中性寄りになってきたとき(溶け出す酸がなくなりはじめた時)、あるいは硬度があがってきたとき

②そしてpHが下がり過ぎてしまうとき(底床が熟成しすぎ、ソイル部分の通気性や通水性がそこなわれている時)も交換時期といえます。

毎日pHや硬度を測定し記録しておくにこしたことはありませんが、例えば・・セットして3ヶ月ほどで、水槽の調子が良い!と判断したときに各水質項目を測定しメモしておきます。時間が経過し、同じ項目を再び測定し、結果の数値を比較してみてください。数値に決定的な違いが見られ、そのことに対する水質改善処置にも効果がみられなくなったときはすみやかに交換・リセットをしましょう。

ソイルの交換は、早めに行います。不経済!と思われるかたも少なくないと思いますが、交換が遅れると、水槽で生活する生き物たちのコンディションが良好でなくなったり、死活問題に発展したりします。そうなる前にソイル交換、いわゆるリセット作業を実施しなければなりません。

また、8ヶ月目に産卵や育児や個体の選別が終わり、生体の移動が済んだのでリセット!という気持ちの良い交換時期もありますね。

交換時期は自分で決定しなければなりません。見きわめがきわめて重要です。



質問2)
粒が細かいソイルと粗い物がありますが、どのように使い分ければいいでしょうか。

A、細目のソイルは小型水槽や水草の育成に向いています。ソイルはもともと2~4mmの目のものが発売されました。レッドビーシュリンプの人気の高まりや、それにともなう小型水槽の広まり、そして育成には一定の環境が必要な魅惑の水草、いわゆるマニアックな水草、育成が難しい水草、根が命の水草にチャレンジする熱~いアクアリストが増えたことで、いろいろな粒子サイズのソイルが入手できるようになりました。粒子のサイズだけでなく、インテリア性の高い水槽や、こだわりの1本のためにソイルの色も吟味されるため、華々しく次々と新製品が出てきています。

幅60cm以下の小型水槽には、やはり細目のソイルのほうが見た目のバランスも良くおすすめです。大きな水槽に比べて、水圧による底床の硬化や目詰まりが問題になりにくいこともおすすめのポイントです。ピンセットで水草を密に植え込んでいく場合も細目が向いています。稚エビたちの生活にも細目がやさしいでしょう。細目のソイルのほうが粗目よりも高価に設定されているメーカーもありますが、かわいい命のためです、がんばりましょう。

60cm以上の水槽を使ってどっしり落ち着いた環境を作るには、2~4mmの目のソイルが良いでしょう。細目だと底床のしまりや目詰まりが先行しがちで、交換時期がはやくなりそうです。底面にプレートを入れて保温し底面からの熱対流を期待するケースや、底面ろ過を用いるケースにも粗目が選択されます。

ひとつの水槽に細目と粗目、両方を使うケースも多く見られます。粗目ソイルの上に細目をかぶせ、水草レイアウトを長期にわたって維持しようとする場合や、粗目ソイルのエリア、細目ソイルのエリアをブロック分けして植栽する水草に、より有効な底床を提供しようとする場合などです。この後の質問4でまた詳細に触れますが、水草の種類によって粗目と細目を使い分けることがあります。水槽を上から見たときに、水槽前面を一辺とした三角形に細目、両奥のエリアは粗目、などと計画的にレイアウトするこだわりの水槽などもおすすめです。ソイルの色や粒子サイズをちがえて区分けするのも一考に値します。また、異なるメーカーのものを比べて観察することや、複数の水槽を並べてのソイル比べをすることで、きっと自分にピッタリの製品が見つかることと思います。

質問3)
ソイル交換方法のポイントとコツを教えてください。

A、ソイルは交換しなければならないタイミングを逃がすと、愛好家のあいだで「崩壊」とよばれる状況を招く危険があります。生体の突然の大量死、1日に少数ずつポツリポツリと死んでいく・・などの現象がこれです。

複数の水槽を所有し、A水槽をリセットするにあたり、新規のB水槽に生体を移す場合は生体導入時、水槽スタート時と同様、水合わせ作業をじっくり行うことができて、ソイル交換も思い切ってできることと思います。問題は水槽がひとつの場合でソイルを交換しなければならないケースです。水槽で暮らす生き物たちにとってダメージを最小限におさえてあげる方法を探ってみましょう。

①ろ過器、照明、ヒーターなどの電源をOFF。
老廃物が舞い散ることなどを避けるためろ過器は止めて作業を始めます。人間は明るいほうが作業しやすいですが、暗いほうが生体は静かになりますし、消耗も少ないです。衝突、スレ防止の意味でも照明はOFFにします。ヒーターを空気中で通電させないようにこれもOFFです。

②飼育水を上のほうから静かにとっていく。
飼育水の9割以上の水をバケツやビニール袋などにとっておくことで生体のダメージやストレスをおさえてあげたいのです。ホースで吸い出すにしても、ボウルでくみ出すにしても、クリアな水をストックしたいので作業は静~かに行います。

③水を半分ほど抜いた時点で生体をすくう。
生体をすくうのには半分くらいの水位が良いでしょう。やはり舞い散りに注意し、そっとすくい出します。

④水草の撤去
生体の次は水草にとりかかりましょう。有茎水草は引き抜かずに底面すれすれのところでカット。引き抜くとソイルや泥や老廃物が舞ってしまいます。またすぐ使えるようにトリミングを施しておきます。根張りの良い株状の水草を引き抜くのは、限界まで水を抜いてもう濁ってもOKな態勢になってからにします。

⑤ソイルの撤去
地道に砂利スコップですくう、新たに水を張って水ごと吸い出す、いずれにしてもすべての粒子を出す作業です。水槽はよく洗いたいのでがんばって除去です。

粒子の大きなものだけをアミで濾すように取り出し、次の水槽に種ソイルとして用いるかたも多くいらっしゃいます。生体だけでなく、バクテリアなどの小さな命に対してまで思いやりをもっての作業となります。

⑥リスタート
水槽や飼育器具の消毒にたいへんな労力と時間をかける熱烈な愛好家も少なくありません。熱湯や漂白剤の使用は自分の責任で、納得のいくまで。が原則になります。消毒、滅菌後のカラ回し試運転に数週間!というこだわりを持つアクアリストは、その間水槽のイメージを沸々と募らせているのです。

さて水槽をよく洗ったら新しいソイルを敷きましょう。これより先の作業はこのあとの質問5と重複する部分がありますのでそちらで触れることにしましょう。
アクアリウムの土台としてソイルを用いる愛好家は爆発的に増加しました。ソイル系とよばれるカテゴリーのもの、ソイルとセラミックの中間的な性質のもの、多孔質なもの、エビ専用、水草専用、粒の大きさレギュラータイプ、パウダータイプ・・ソイルの色まで種類が増え、じつに多くの製品が出回るようになりました。
「敷くだけで弱酸性の軟水がキープしやすいのでアピストグラマに向いています。」
「エビたちは、底砂クリーナーを用いた水かえや、水草を引き抜くときに生じる老廃物や有機物の舞い散りを嫌うので、セットしたらリセットするまで敷いておけるソイルを使います。」
「この水草の根はたいへん細かくて密なんです。大磯よりもしっかり根を張れますし、底床肥料の吸収もたいへん効果的です。」
「ソイルから緩行的に有機栄養素が溶け出しますので、何も溶け出さない砂利より二枚貝は生活しやすいでしょう。」
などと魅力的なうたい文句で、アクアリウム業界でも瞬く間にヒット商品となり、短期間のあいだに広まっていきました。

『ソイル系』とよばれる底床素材の登場によって、生体の「飼育しやすさ」は飛躍的にあがったと言っても過言ではありません。原料となる土に含まれる腐食酸が水槽内で有効に作用し、弱酸性の軟水という環境が作りやすくなり、生き物たちの生息環境を再現する近道ができたのです。南米小型カラシンやドワーフシクリッドに限らず、水草育成、小型のコイの仲間、ベタ、グラミィ、レッドビーシュリンプなどを飼育するにあたっては、革命的な製品であります。

ソイル登場以前は…①ピートの使用 ②シーアーモンドの葉の使用 ③ブラックウォーターのような琥珀色の水質調整剤の使用 ④pH降下剤の使用 ⑤イオン交換樹脂の使用 ⑥R/Oフィルターの使用 など好みの水を作るのに、大変な時間と手間が掛かりました。もちろん現在でもソイルとの併用は多く見られます。しかしセットするだけである程度の水質レンジに落ち着いてくれるうえ、水質の急変を避けることができるソイルは、水質安定の面で広く用いられるようになったのです。

ソイルはビギナーからベテラン、プロ、ブリーダーなど実に多くのアクアリストに使われるため、その使われ方も様々です。

「弱酸性の軟水」といっても、pH5.5と6.5、そしてKH1とKH3とでは別世界ですし、GH3とGH5とでは管理の仕方もかわってくるでしょう。情報を得ることは大切ですが、自分の目で確認することや、流されないスタイルを確立することが大切だと思います。

普通の60cm水槽に人気ブランドのソイルを敷いて普通の管理をしています!
ここで感じるのは「普通ってなんだろう?」ということです。
お店に立ってビギナーからハイアマチュア、熱血アクアリストまで多くの方々に話を聞きますと「普通ってなんだろう?」としばしば考えます。自分の水槽が「一般的」「普通」と思っていないほうが生き物たちにはやさしいのではないか?そんなふうにも思います。例えば部屋に10本のレッドビーシュリンプ水槽を持ち、管理を行っていくうえで10本とも同じ管理をする、というのは無理な話です。毎日水槽を観察・チェックし、取るべき処置を決め、10本それぞれに別々の管理、最善の処置を施してあげることが飼育者のつとめです。ソイル部門、シュリンプ部門、南米ドワーフシクリッド部門など、ソイルを扱う愛好家のあいだでは、きわめて緻密で計画的な管理、飼育がなされていて、現在の人気を支えてくれています。
自分のソイル水槽が1番!というかた同士のソイル議論はとても熱く、格闘技のようでもあります。ソイル徹底研究、みなさんもいかがですか?やはり一括りに“弱酸性・軟水”ということではなく、例えばKHが5以下のときには夜間のpHを測定してみることなどが水槽管理、水質管理、生体管理のカギを握っているといえます。結果やデータはメモしておきましょう!

さて、数年前より各地で取り上げられている「白濁り問題」についてです。
ソイルは自然の土を直径2mmから4mmほどの粒の形にして焼き固めるものが一番人気です。メーカー側で焼き上げ時間や焼き上げ温度を一定にしても、素材となる土は自然のものですので、土自体の質や含有物によって品質には目に見えにくい差があったものと思われます。特殊焼成、軟焼結製法、焼成加工・・メーカーによっていろいろな言葉がつかわれており、製造方法は企業秘密やシークレットな部分が多いですが、使用にあたってはpH、硬度など目に見える部分はしっかりと確認、吟味をし、耐久度、上手な使用のポイントなど目に見えにくい部分はショップともよく相談してみてください。

水槽にソイルを敷き、注入した最初の水がアルカリ性だと、フミン酸などの有機成分が溶け出しやすく、観賞にたえないほど白く濁ったり、黄ばみや茶ばみが出たりしてしまいます。「まだ生体を導入していないのに水かえばかりしているよ」などの声が多かったのも事実です。
マンションや集合住宅に設置されている貯水タンクを通って出てくる水道水についてですが、筆者の暮らす東京ではpH7.3~7.6ほどです。地上1階の蛇口は水道管に直結しておりこちらは6.9~7.1です(毎日同じとは限りません)。水は貯水タンクに汲み置かれることによって、水中に含まれていた二酸化炭素が逃げます。逃げた分だけpHはアルカリに傾きます。貯水タンクが大きく、配管の長い高層住宅ほど、この傾向は強くなります。pH6.8の水の水を用意することや、アルカリの水を7.0にする作業をすることや、静かな注水作業をすることで、白濁防止の第一歩としましょう。
余談ですが、貯水タンクの清掃や、揚水ポンプの点検・交換などの日、その翌日の水は使わないほうが良いでしょう。金属、サビ、洗剤、消毒薬など招かざる成分を持ち込む可能性があるからです。5ミクロンのプレフィルターを通すと一瞬で白いコットンが茶色になってしまうほどですので、特に集合住宅にお住まいの方は、住宅管理の案内はチェックしてください。

ソイルの敷き方についてですが、

①空の水槽にソイルだけを敷く

②底床プレートを敷き、保温器具を設備してからソイルを敷く

③5mmほどの粗目の素材を敷いてからソイルを敷く

④底面式フィルターを設備してからソイルを敷く

⑤粗目ソイルと細目ソイルを重ねる

など多くの方法があります。

ソイルの上には水が張ってあって、全ての水がソイルにのしかかっている、と考えますと時間の経過とともにソイルはぎゅっとかたくしまっていくことになります。通気性、通水性はダウンしていくわけです。セットして3ヶ月から6ヶ月をかけて、底床の状態、水槽で生活する生き物たちの状態、底床内部の微生物の状態などを最高の状態になるように想像して水槽を作っていきましょう。

ソイル粒子の耐久性、水の濁りの問題、水質に関わる問題など、各メーカーで研究がすすみ、新製品が続々と登場しております。メーカーのクセや個性をつかんで、自分に合うものを探ったり、数種をブレンドしたり、水槽の底面をブロック分けして別々のソイルを使用したりと、底床づくりも楽しみのひとつにしてください。


水の張り方についてですが、
いかに静かに、ソイルを舞い上げることなく注水できるかが最大のポイントです。おすすめは霧吹き方式です。飼育水になる水を霧吹き器に入れ、まずは霧吹きをすることでソイル全体に水を染み込ませていき、濁り防止を狙います。
注ぐ水がソイル面に穴をあけてしまうことがないように、平たいお皿、お茶碗、発泡スチロール、板、ビニール袋、細目のネット、自分の手、ガラス板、プラケース、ジョウロなどのアイテムが使われます。まずは水槽の三分の一から半分まで水を張って様子を観察します。白く濁っているような場合は、もったいないですが静かに排水し再び水を張り、クリアな水を目指します。

水を張ったら、浮遊しているソイルやゴミは細目のネットで丁寧にすくいます。敷いたソイルに含まれている空気を抜く作業を行う例も多く見られます。ピンセットなどで穴を開けるように底床内の空気抜きをするのです。

使用後のソイルについてですが、
多くはプランターや花壇に再利用されているようです。翌年の花姿を見ますと、大きく立派な花をつけ、色彩も鮮やかに、ツヤとハリのある花が期待できます。茎や葉の組織もしっかりとしております。葉脈1本1本がくっきりと主張するかのようなハリの良さは、微量元素やミネラルの力が目に見える瞬間ですね。

ゴミとして廃棄する場合は各自治体のルールを守って処理してください。
観賞魚用ヒーターは、
立てない、埋めない、持ち上げないが鉄則です。
埋め込むことや空気中での通電は故障の原因となります。
また立てた状態だと水かえや万が一の水漏れ時、水位が下がった時に危険です。
ヒーターカバーがドロリととけてしまう失敗談もよく耳にいたします。
もしヒーターを取り出すときには、取り出す15分ほど前に電源を抜き、冷めた状態のものをひきあげないといけません。

説明書は捨てないほうが・・
観賞魚用のヒーターをはじめとする電気器具。
設置方法・お手入れ方法・ご使用方法によって思いがけない事故につながることがあります。
正しく、安全にご使用いただくために製品付属の取り扱い説明書を必ずお読みください。

ヒーターの場合・・
電源を入れたまま、または抜いてすぐにヒーターを空気中に出していませんか?
水中からヒーター管、水温センサーが出た状態で使用していませんか?
長期間同じヒーターを使用していませんか?
サーモスタットのダイヤル設定は間違えていませんか?
ヒーター容量は守っていますか?
水の容量はあってますか?
観賞魚用ヒーターを屋外で使用していませんか?
サーモスタット、オートヒーターのコントロール部は正しい場所に設置されていますか?
サーモスタットのヒーター容量は守っていますか?
観賞魚などの水槽用ヒーターで、部品のハンダ付け不良が原因による火災が2件起きていたことがわかり、販売元の「ジェックス」(大阪府)は12日、リコール(代替品との無償交換)を実施しました。
同社によると、対象は2004年9月~10年3月製造の「コンパクトスリムオートヒーター」「ICオートヒータートラスティ」の2製品、計約34万5000個。
経済産業省によりますと、08年以降にハンダ付け不良が原因の2件の火災が確認されているほか、今年に入って3件の火災や発熱事故も起きており、同様の原因かどうか調べているとのことです。
お手元のヒーターをご確認ください。GEXホームページからもご確認いただけます。
問い合わせは同社(0120ー746ー004)。
お店でよく質問される金魚について、ポイントをまとめてみました。

Q:らんちゅうのこぶ(瘤)の中には何か入っていますか?
A:らんちゅうの瘤は肉瘤といって皮膚が肥大化、つまり厚くなったものです。らんちゅうらしさをアピールする大事な特徴でそれが良く発達するか否かは、第一に遺伝子的因子の強さ、第二に飼育技術です。消化の良いタンパク質を豊富に含む餌が瘤の発達を促進します。

Q:音は聞こえますか?
A:我々人間が聞いている音という概念とは違いますが、音に反応する機能は備えています。金魚の耳は人間のように外耳・中耳・内耳とそれに付随する複雑な骨、器官がありません。ごく簡単な内耳があるだけなのですが、音を振動として認識する敏感な仕組みになっていてそれが危険のシグナルとして察知されるのです。
また、金魚には魚類独特の側線という平衡感覚器官があり、体表でも音を振動として察知できます。いわゆる自己防衛本能として音を振動として捉えています。ですからできるだけ振動の少ないところで飼育をし、振動を故意に与えることがないようにしてあげなくてはいけません。

Q:金魚は寝ますか?
A:金魚は脳や骨、筋肉、神経などをもつ脊椎動物ですので睡眠します。ただし、平和に暮らしている人間のように安眠はできません。金魚はフナの変種である、ということがポイントです。フナはもともと生存競争の激しい自然界で生活しています。金魚もその性質を受け継ぎ、防衛本能が発達していて眠りは浅いのです。
金魚の飼育で注意することは、振動・人の出入り・外敵対策、明るさや暗さの問題などを考慮し、できるだけ金魚が安心して生活できる環境を用意することです。
金魚はまぶたがありませんから、目は瞑りませんね。

Q:デメキンはなぜ目が出ているのですか?
A:デメキン出現の原点は15世紀、中国で和金型金魚より琉金型金魚を作出する過程で生じた中間型の突然変異個体を認めたものからスタートし、それを選別、累代繁殖、改良された品種と言われています。日本に浸透したのは明治年間とされています。
突然変異個体を長い時間をかけ、その形質を安定化させた、努力の結晶といえますね。

Q:金魚の年齢はわかりますか?
A:木の樹齢を知る手段として幹の年輪を見るということがあります。
金魚の場合、鱗に年輪と同じような現象が起こるのですが、鱗が小さいため、生産者はもとより、素人では容易に判別できません。
専門的な学者が高解像度の装置で判別するとしても正確には判別し難いと言われています。
それを見るには鱗を取って金魚を傷つけなければなりませんので、いたずらにそれをすることはありません。
それよりも、出生経緯がわかるような金魚を飼育すべきではないでしょうか。

Q:病気の治療中の魚にエサは与えたほうが良いでしょうか?
A:治療中の魚であってもエサは必ず与えてください。魚を絶食状態にすると体力が消耗し、薬を使用してもなかなか治らないことがあります。ただし、与える量は普段より控えめが良いでしょう。また、食べ残したエサはすみやかに取り除いてください。
一般に病状が悪化した魚はほとんどエサを食べませんが、薬の使用により病状が快方へと向かうにつれ、エサを食べるようになります。病魚のエサの食べ方は、病気の進行及び薬の効果などを知るバロメーターにもなります。
じっとしてしまって泳がない魚や、水温が低い環境ではどうしてもエサの摂取量が低下しますが、エサは与えます。与えたエサが残らないようにして回復を待ちましょう。
「夏は水温があがってしまって魚が・・・」
というかた。
同じ30℃でも亜硝酸値が高い30℃と亜硝酸値が低い30℃は全く別世界です。
エアレーションしている30℃と、していない30℃も別世界です。
「夏は水温が高くて水草が・・・」
というかた。
同じ30℃でも肥料濃度の高い30℃と肥料濃度の低い30℃は全く別世界です。
また二酸化炭素を添加している30℃と添加していない30℃も全く別世界です。
水温のせいにするのはカンタンです。
水温以外の水質項目もチェックしてみてください。
アンモニア/アンモニウムイオン
亜硝酸塩
硝酸塩
pH
KH
GH
リン酸値
溶存酸素
溶存二酸化炭素・・・・・
水槽世界の環境は、管理者だけが作れて、管理者だけが良くしていけるのです。
今日もがんばりましょう!!
お店に立っておりますと、「ウチで飼育している金魚がひっくりかえっちゃうんですけど・・」
というお問い合わせが少なくありません。
治療よりも予防です。コレを入れれば元通りに泳ぐようになる、などという魔法の薬はありません。

「転覆病の原因」
転覆病は、金魚のうきぶくろの異常により発生すると考えられてきました。金魚は浮き袋を2個持っていますが、そのうち1個または2個がなんらかの原因により収縮してしまい、金魚は平衡を保てなくなり転覆すると言われてきました。しかし、転覆病になった金魚のレントゲン写真を見てみると、正常な浮き袋を持っているものでも転覆することがあるということがわかり、浮き袋の異常が転覆病の直接的な原因ではないことが示唆されました。
最近の研究では、金魚の脊椎の中の平衡感覚に関係する神経が支障をきたし、それらが原因で金魚が転覆すると考えられています。
ではどんなときに神経が支障をきたすのか、を考えてみましょう。
①エサの与えすぎによる金魚の肥満で平衡感覚をつかさどる神経が圧迫される。
②水温の低下で神経そのものが支障をきたす。
まだまだわからないことの多い病気ですね。

「対策」
完全な治療法はありません。しかしこの病気は水温が低下する冬に多く見られることから、水温をゆっくり25℃前後で一定にすると、転覆して間もない金魚に限っては治ることが知られています。
肥満を防ぐためには2~3種類のエサを与え、栄養のバランスをとり、なおかつ与えすぎない量を見きわめることが大切です。カボンバやアナカリスもエサとして与えると良いでしょう。水草に含まれるカロチンが体色を鮮やかにし、調子を整えます。
粗塩の使用(0.2~0.3パーセント)は、金魚のミネラルバランスを整えるので、一応効果的です。体表にキズがある場合は浸透圧調整機能が低下していますので、入れたほうが良いでしょう。
お店に立っておりますと、いろいろなことに遭遇します。
今日はちょっとイイ話を。
Sくんという小学生のお客様がいます。Sくんは超イケメンで、あちこちのオーディションを受けては有名企業のテレビCMやモデル、ドラマの子役などをしています。 コリドラス大好きで、いまよりもずっと幼いころから飼育、観察、繁殖を続けてきています。

さて、今日はSくんが、パパのお誕生日にコリドラスをプレゼントしたいと、お店にやってきました。パパにはコリドラス引換券をプレゼントしてあるから、
店長お金を先に払っておきたいのだ!ということでした。なんと健気な・・

私も一役買って、コリドラスプレゼント作戦に協力です。
手紙や引換券、かわいい封筒はSくん手作りで、パソコンや文房具をつかってじょうずに出来あがっています。すてきなコリドラスのデザインです。
もう・・涙でくもって、前が見えません。
プレゼントに選ばれたコリドラス・アクセルロッディの模様が新着魚に見えるほどでした。エグっエグっ

熱帯魚飼育を趣味にもつお父さん、お母さんにとっては、それはもう・・・。
グレイトな一日になったのではないでしょうか。きっと一生忘れないお誕生日だと思います。

なるほど、オーディションに連れて歩くパパやママ、自慢の息子さんでしょうね。
アクセル君とロッディ君のコンディションは私が保証します。長く楽しませてくれることでしょう。
水草レイアウトの人気はたいへん根強いものです。小さなインテリア水槽から60cmのコンテスト用、大自然を切りとってきたかのような大型水草水槽、さまざまな水槽と対面すると、それぞれに何かを感じると思います。我が家にも素敵な水草水槽を!今回は水草についてナビゲーションしていきましょう。

■よく質問されること
私たちが水草を販売する際、多くうける質問のなかに、水草が育たない、あるいは枯れる、そして水草にコケが付着するという問題があります。いずれも育成環境の改善が必要です。水草の取り扱いに問題があるケースも販売の現場では多く感じるところです。水草を美しく成長させるポイントはひとつではないので、順番に説明していきましょう。

■設備について
水草をきれいに育てる設備と、熱帯魚が健康に育つ設備には、共通するところと、変えたほうが良いところがあります。どんな設備の水槽に水草を植え込むかによって、水草の姿は変化していくのです。熱帯魚飼育セットからフィルター、ライトなどの設備をステップアップしていくアクアリストも多いです。

①底床について
大磯などの一般的な砂利から各メーカーがリリースしている様々な水草用底床、ソイル系とよばれる土など自分の管理にあったものを5cmの厚さを目安に敷きましょう。底床が薄いと水草が抜けたり、十分に根をはれなかったりします。手前を薄く奥を厚くして同じ長さの有茎水草を列に植え込むと頂芽が個性を主張して美しくレイアウトできます。底床を敷く前にラインヒーターなどをセットすれば、底床内の通気性や通水性を確保しやすく長期的な管理に向いています。販売されている砂利などのパッケージをみると中性とか、弱酸性といった表示がありますね。中性とはその製品が水槽内でなにも溶出せず、なにも吸着しなくて水質に影響を与えにくい性質であるということです。弱酸性とは底床の性能によりPhを弱酸性に傾けやすいものをいいます。カルシウムなどが溶出してアルカリにするサンゴ砂などは水草育成には基本的に向きません。

②照明について
水草育成用蛍光灯をはじめ、メタルハライドランプや水銀灯などを予算や管理、水槽の見え方によって選んでみましょう。水草水槽は一般に陽の当たらない場所に設置しますので、照明設備は昼と夜を人工的に作り出す装置であるといえます。1日8~12時間を目安にライティングしましょう。タイマーを使用すると良いと思います。朝寝坊しても電気は点いてくれますし、夜遅く帰宅しても消灯されていますので、照明時間をきちんと管理できます。コケが生えてきたから1時間減らそう、というのも管理のひとつですね。蛍光灯は4~6ヶ月で光量がおちますので交換しましょう。赤い水草をより赤く見せるランプや、ケルビン数の高いランプなどいろいろ試してみてほしいところです。同じ水景でも、ランプを換えると見え方や受ける印象はかなりかわってきます。夏の水温上昇対策で蛍光灯をリフトアップする場合は、水槽の深いところに光が届いていること、水草が健康かどうかを確認しましょう。

③フィルターについて
水槽という限られた空間では、水草の成長に不可欠な二酸化炭素がどうしても水槽の外に逃げやすい、という性質があります。ろ過装置で水を循環させたとき、水面を爆気させてしまうとさらに二酸化炭素が逃げます。上部式や、外掛け式、エアーポンプを使用する底面式、投げ込み式、及びオーバーフロー式は構造上水草育成に向きません。中心となるのは外部式や内部式であるといえます。外部式フィルターのシャワーパイプは水面下1cmで水槽の背面に当てるようにセットしましょう。内部式フィルターの出水口も水面下1cmでよいでしょう。

④CO2について
二酸化炭素は水草の主食であります。添加しなくても展開していく水草は『丈夫な水草』と呼ばれますが、ぜひ二酸化炭素を添加してほしいところです。茎の強度、葉の張り、ツヤ、美しさなどは格段にアップします。もっともポピュラーなのは74g入りの高圧ボンベを用いた添加方法で、拡散筒から放出される二酸化炭素の気泡が美しく、おすすめであります。ほかにもCO2ミキサーを使用することにより、ボンベ内のガスを無駄なく利用できる装置などもあります。最近では、各メーカーから色々なCO2添加装置が発表されていて、ボトル内で作ったCO2を水槽に拡散させるものや、拡散筒にタブレットを入れるとCO2が充満するものなどもあります。自分にあったものに出会っていただきたいです。添加の目安は、ライト点灯、CO2添加後3時間ほどで前景水草まで光合成をし、草体から気泡がでるくらいです。カウンターがある場合は、カウンター内を通過するCO2の気泡が、10秒間に10滴を目安に、増やしたり減らしたり調節すると良いでしょう。水草の種類によって要求されるCO2の量は異なりますし、植え込む本数によっても添加量は見きわめる必要があります。

■取り扱いについて
水草の取り扱いは水の中で行います。水を入れるボウルやバット、よく切れるハサミ、ピンセットは必需品です。有茎水草は葉のついている節の下5mmくらいのところをハサミでカットして1本ずつ植え込んでいきます。わざと葉の柄を少し切り残すと抜けにくいので初心者の方にはおすすめのテクニックです。株状の水草も1株ずつ植え込みます。購入時、根が長ければ、先端を少しカットすると植え込みやすいでしょう。有茎水草をカットするときは草体の三分の二は残すようにします。いきなり半分以下にカットしてしまうと、草全体の体力が低下するうえ、低くなった分、頂芽に当たる光量も少なくなり、枯れやすくなりますので注意が必要です。株状の水草は、引き抜いたり、根をカットしたりすると、一時的に根の成長が停止しますので、トリミングするときは、水草が受けるダメージを考えハサミを水槽のなかに入れ、水中でカットするようにします。購入した水草を持ち帰る際は、種類にもよりますが、水ごとパッキングしてもらったり、1種類ごとにパッキングしてもらうと良いので、持ち帰る時間とともに、お店の人に伝えると良いでしょう。販売の現場でよく見かけるのは、ポットやおもりのついた水草を購入したままの形で水槽に導入してしまう、ということです。束ねられている水草の内側には光が当たらず、枯れたり溶けたりしやすいのです。傷んでいる部分のトリミングなど、適切な処理をした草体を1本ずつ、1株ずつ植え込んでいくのが原則です。輸送中に草体の下部が傷むこともありますし、葉や茎が折れてしまうこともありますので、1本ずつチェックしながら取り扱いましょう。

■肥料について
有茎水草は葉から栄養を吸収する率が高く、液体肥料が有効であります。水草たちがその日使う養分をその日の朝、ライトを点けたときに添加するのが理想です。液体肥料のパッケージには1週間に○○ml添加などと目安が記載されていますが、水草100本の水槽と、水草1000本の水槽とでは要求される肥料の量がちがいますので、毎日観察しながら調整するのがよいでしょう。肥料不足の頂芽は色がうすくなる傾向がありますが、多くの液体肥料は即効性があり、ある程度ならば薄くなっても復活します。液体肥料の過多はコケの発生の原因となりますので、1日に必要な液体肥料の量を見きわめるには、少しずつ入れては観察するのが良いでしょう。株状の水草は根から肥料を吸収する率が高く、底床肥料が有効であります。水槽セット時に底床に施してから砂利を敷く方法や、株の根元にピンセットで追肥する方法があります。やはり、肥料不足になると新葉の色が薄くなりますが、底床肥料にも即効性のものがあるので、上手に利用しましょう。

■水かえについて
熱帯魚の管理と同じように水草育成水槽においても水かえはきわめて重要です。水道水には多くの二酸化炭素が含まれており、新水が入ることによって水草は代謝がよくなり活性化し、いきいきとした姿をみせてくれます。仮に、二酸化炭素を添加しない水槽に外部式フィルターと適切な照明設備をし、毎日半分の水を交換し肥料を与えると、多くの水草は美しく展開していきます。水草たちは水かえが大好きなので、水かえ作業はライトを消す前よりも、ライトを点けてまもなくの時間に始めると良いといえます。なにより水かえ作業はコケ発生防止の第一歩なので、楽しんで作業していただきたいです。以前も触れましたが、マンションなどの貯水タンクに汲み置かれた水は、原水に比べて溶存二酸化炭素は低く、Phは上昇している可能性がありますので注意していただきたいです。上階の水道水と1階の原水の水質を比較するのもよいと思います。

■コケについて
水草が健全に成長する条件と、コケがはびこる条件は反対方向であります。コケがはびこる環境に水草を植えてもうまくいくことは少なく、逆に水草が状態良く育っている環境ではコケは生えにくいのです。コケが発生するのは、その水槽にコケが増えるのに十分な養分があることを示します。水草が養分を効率よく吸収すればするほどコケの生える余地は少なくなるのです。効率よく養分を吸収させるためには、照明、CO2、肥料のバランスの見きわめが大切で、3つのうちどれが欠けても崩れやすい環境となります。コケ発生の原因はひとつではありません。

照明(ランプの本数)及び照明時間の過多あるいは不足。

水かえの不足。

底床やフィルターの目詰まり。

エサのやりすぎ。

魚の入れすぎ。

肥料の与えすぎ。

ろ過能力の弱すぎ、強すぎ。

ひとつずつチェックして理想的な水槽ができたところで、Ph、硝酸塩をはじめとした水質や、管理のデータを記録しましょう。コンディションの悪いときと比べると、数値が異なるポイントに問題解決のヒントや適切な対処法がみえてきます。毎日データをとることができれば、水槽内でなにが起こっているか、把握できることと思います。

■レイアウトについて
育てるのが得意な水草に出会って、トリミングの仕方やタイミングなどを自分のものにしていただきたいです。アマゾンチドメグサやウィステリア、ロタラ、ミクロソリウム、アマゾンソード、ハイグロフィラなどでコツをつかめば、多くの種類に対して応用がききます。
品種によって取り扱い方が異なることもテクニックとしてほしいのです。特定の水草についてソイルのほうが良いといったことであるとか、この肥料が有効であるといったことは、ぜひ肌で感じてほしいのです。現在ではいろいろな情報が入手可能でありますから、自らのテクニックとしましょう。レイアウトにはいろいろな世界があり、ダッチアクアリウム、日本のネイチャーアクアリウムなどがその代表となっていますね。観賞魚のイベントなどに展示される水槽も新しい何かを提案するものが多く、そうしたイベントにもぜひ足を運んでいただきたいところです。個性や性格が出てしまうのがホビーとしてのアクアリウムの良いところで、自分だけの、あるいは自慢の水槽づくりに励んでほしいのです。好みもあると思いますが、隣り合う水草の組み合わせは無限です。成長速度の近いものを隣り合わせたほうが管理しやすいと感じる場面や、レイアウトのいちばんの見せ場を何にするか迷う場面、うまく育てるために試行錯誤する場面、どのような設備にしようか悩む場面などは、アクアリウムが趣味でよかった!と思う贅沢な時間で、お店に立つ人間として応援したいと思います。良いショップと良いコミュニケーションがとれれば、ワンランク上の水槽が完成することでしょう。卵型の葉のウォーターバコパを生かすには、隣りに細長い線型葉のエイクホルニアか、はたまた赤いレインキーか、後景は?前景は?こんな良い趣味、ほかにないと思うのですが‥。

■水槽管理、メンテナンスフィッシュについて
水草水槽を美しく仕上げるためには日常の管理が不可欠であります。照明時間、CO2の添加量、施肥量、水かえの量、ろ過槽の管理など、手をかければ水草たちは美しい姿で応えてくれるはずです。タイマーを使用して照明時間を決定したら、電磁弁なども利用し、CO2も自動供給できるシステムをつくりましょう。生活が不規則になりがちな現代人にはなくてはならないアイテムです。毎日異なる量の照明やCO2では水草は美しくなりません。液体肥料は入れた量をメモするときちんとした管理ができますし、底床肥料は底面10cm角あたり何個と決め、入れた日をメモしましょう。

水槽内を美しくキープするのに協力してくれる頼もしいタンクメイトも活用すると良いでしょう。オトシンクルス、フライングフォックス、ヤマトヌマエビ、石巻貝、ブラックモーリー、ペンシルフィッシュなど愛嬌のある仲間たちが多く、健気にコケを食べる様子が見られるでしょう。

■コンテストについて
日本はいまや水草レイアウト先進国となって、業界をリードしています。ショップ主催のコンテストや、観賞魚のイベント会場、世界レベルのコンテストまで、だれでも出展できる場が増え、その態勢も整い、さらなる発展が期待されるところです。写真などが紹介される機会も年々増えており、参考にしていただきたいです。水草たちが状態良く育ち、自らの個性を主張し水草同士が競い合っているような素材を用いて、レイアウトづくりにチャレンジしてほしいのです。光合成をしている水草たちの、ためいきが出るような美しさをまわりのみなさんにつたえましょう。
魅惑の天使、エンゼルフィッシュ。古くから熱帯魚の代名詞であり続けるトップスターであります。これまで多くのアクアリストに、熱帯魚の飼育とはどういうことなのかを教え続けてきてくれました。今日は、エンゼルフィッシュについて考えてみましょう。

■シクリッドの仲間
シクリッドとは、スズキ目スズキ亜目カワスズメ科の魚たちを指します。シクリッドの特徴としては、
①鼻孔が左右にひとつずつ合計二つあること
②背ビレが1基あること
③側線が二本あること(頭部から始まった側線が体の中央まで伸びる一本と、体の下部から始まり尾柄部まで伸びる一本。外部からの刺激を感ずる感球が一定の間隔をおいて並んでいて、これを側線といいます。側線の上を通るウロコにはひとつずつ穴が開いていて、目に見えないエサのありかを教えたり、水圧や水流の変化を感じとったり、外敵の察知をする重要な役割を果たしています。聴覚と触覚の中間のような役割です。)
④子育てをすること、などが挙げられます。
シクリッドの仲間は1300種以上が知られていてそれぞれ独自の進化を遂げてきました。オスカー、アイスポットシクリッドのように大型化してほかの魚を捕食するもの、アピストグラマのように小型化することで厳しい自然界の競争を生き残ってきたもの、ディスカスやエンゼルフィッシュは体幅が薄く外敵からは見つかりにくく、逃げやすい体型を選んできて、現在にいたっている種といえるでしょう。少数ながらインドやスリランカで見られるシクリッドは、かつてインドがアフリカ大陸と陸続きで、大陸移動によってユーラシア大陸にぶつかったことを示す証拠のひとつであります。

■原種エンゼル
アマゾン水系上流、中流域に生息するスカラレ種、独特のフォルムで人気のアルタム種、アマゾン河中流、下流域に分布するレオポルディ(ドゥメリリィ種)、近年の精査で存在が再び明らかになったアイメケイ種の4種が知られています。数多く流通している改良品種たちは、原種が存在しなければこの世界にいないわけで、エンゼルに限らず原種、ワイルド個体の理解は必要であります。原種エンゼルを飼育するには、幅60cm以上で深さ45cm以上の水槽が望ましいです。遊泳スペースが十分で水質も安定しますし、伸長するヒレや美しい体型を楽しめるからであります。購入時は入荷日、エサなどをショップで確認し、水槽への導入時は水温、水質合わせを確実に、導入してから1ヶ月ほどの期間は、よく観察し素早い対処ができる態勢を整えておくとよいでしょう。病気は、発生させないのがいちばんです。魚病薬は常備すべきですが、一度病気になって回復した個体や、一度外傷・キズを負って直った個体は、健全に成長した個体に比べて観賞価値が低下してしまいます。

ショップには各メーカーからリリースされているいろいろな器具や便利なアイテム、コンディショナーなどが並んでいます。どれを選んだらいいのか迷うこともあると思います。ろ過器にしても、バクテリアにしても似たような性能をもつ製品の中からも、あなたの水槽にマッチするもの、効果が目に見えるものが必ずあるはずです。いつもこの製品、というのも管理のひとつではありますが、いろいろな製品を使ってみて、良いものに出会っていただきたいのです。売り場に立って感じることが多いのは、水質調整剤、バクテリア、ろ過器、ろ過材、エサ部門は、各メーカーがより良い製品づくりをしており激戦であるということ。製品選びも趣味としての熱帯魚飼育の楽しみとしてほしい、ということです。

大切に育てた原種エンゼルは5年、6年と長くつきあえます。

■改良品種
古くはアメリカのナジヤ夫妻の作出したゴールデンエンゼルを筆頭に、改良品種は数多く流通しています。日本にも香港、シンガポールなど東南アジアの養殖魚が毎日のように届いています。水槽で産まれた個体は、ワイルド個体よりも扱いやすく飼育しやすい面が多いです。値段も手ごろなものが多いので初心者の方にもおすすめであります。

ゴールデンエンゼル・マーブルエンゼル。色揚げ用フードを積極的に与えると、額部から背ビレにかけてオレンジ色に発色し美しい種です。

トリカラーエンゼル。三色をもつという意味でトリカラーとよばれます。東南アジアでは錦鯉に喩えてコイエンゼルとよばれています。人気種です。

ダイヤモンドエンゼル。成長するにつれギラギラ光ってくる鱗が魅力の派手な品種です。ゴールデンダイヤ、マーブルダイヤなど発展、派生タイプも多いです。水草水槽で魅力を生かせるでしょう。

ベールテールエンゼル。各ヒレが著しく伸長する優雅な品種です。せまいスペースだとキズしやすいので、広めの水槽でゆったり飼育してあげたいところです。

ハーフブラックエンゼル。体側後半が黒い品種です。くっきりと色が分かれた個体は少なくなってきています。発展型にハーフブラックベールテールエンゼルなどもあります。

アルビノエンゼル。エンゼルにも赤い目のアルビノ品種があります。アルビノダイヤモンド、アルビノベールテールの発展型も美しいです。

ほかにもブラッシングエンゼル、レッドトップエンゼル、ゼブラ、レース、メタルなどさまざまな名称で多くの品種が流通しています。ここまで発展するということは、エンゼルがいかに繁殖しやすく、改良しやすい体質であるかがわかります。

■飼育にあたって
混泳水槽でも水草水槽でも楽しめるエンゼルですが、生後1年を過ぎて成魚に達する頃にはシクリッドとしての性質が目立ってあらわれるようになります。テリトリー(縄張り)を主張し、求愛行動を見せるようになります。しばしば、「エンゼルはネオンテトラといっしょに飼えますか?」という質問を受けますが、4~5cm幼魚からならいっしょに生活しやすいといえます。10cmのエンゼルが生活している水槽にあとからネオンテトラを導入すると、食べられてしまう可能性が高いでしょう。

エサに関しては、バラエティに富んだメニューをバランス良く、が原則で、なんでも喜んで食べるエンゼルに仕上げることで、エサを与える楽しみ、喜びを教えてくれることと思います。
エサの容器を見せただけで、あるいはエサをキャビネットから取り出す音だけで、冷凍飼料を与えようとして冷凍庫の扉を開けただけで、魚たちはにぎやかに集まってくるようになります。腹部がぐぐっと膨らむまで、何回かに分けて、数分の間、給餌しましょう。飼い主の顔をおぼえてくれるにちがいありません。

水温26~28℃。Ph6.0~7.0が基準となります。熱帯魚の飼育に関して、「水が悪い」、「水が合わない」という言葉があります。えてして「魚の状態、コンディションが悪い」ときに使われる言葉であります。これは、水質が悪い、水質が飼育魚に適していないという意味です。ある程度の飼育経験を積めば、魚の泳ぎ方やエサ食いの様子、呼吸や動きを観察して、コンディションを見極め、施す処置を判断することもできます。しかし、見た目には透明な飼育水の水質データは、試薬や機器によって測定することにより数値で表れるため、間違いがありません。水質を良くするのも、合わせるのも、魚の命は管理者の手にゆだねられているのです。毎日データをとって、メモをし、管理のポイントにしましょう。第一歩がPh。亜硝酸、硝酸塩、硬度と、徐々にステップアップしましょう。水温計は毎日チェックするもので、これを泳がせてはいけません。2本の水温計を入れる方法もおすすめです。誤差の限界を1℃として、2本が異なる水温を示したらサーモスタット、ヒーターをチェックし、水温計は新しいものに交換します。

■繁殖について
エンゼルは恋愛結婚をします。改良品種の場合、品種が異なってもペア同士が気に入れば交配が可能であります。多くの品種バリエーションが発生しているのはこのためであります。魚への愛着という面からは、ペアで購入するより、5~10匹の若魚を育て、自然とペアを形成した2匹を得る方法をおすすめいたします。ペア専用の水槽を用意してあげましょう。卵をものに産み付ける基質産卵と呼ばれる産卵形態です。産卵床となるのは、アマゾンソードの葉、素焼きの産卵筒、パイプ、ガラス面、流木などです。エンゼルのペアには気に入った水深があるようで、いくつか用意してやるとよいでしょう。せっかく産卵筒を入れてあげているのにパイプが気に入ってしまうペアもあります、(残念ですが、卵を移動させる親もいますので稚魚が自由遊泳に入るまではそのままにしておきます。)ペアはココと決めた産卵場所の掃除を始めます。2匹は口でつつくようなしぐさを見せます。たとえ少しコケが生えている場所でもきれいにしてしまいます。2~3日のうちに産卵が始まります。メスは突出した輸卵管、腹部を押し付けるように下から上へ1列に数個から十数個の卵を産みます。追いかけるようにオスがやはり下から上へ放精し、卵は受精します。卵の列は、通常数列できます。ペアは卵のそばを離れず、胸ビレを使って新鮮な水を卵たちに送り続けます。卵は水温27℃の時、2~3日でふ化します。ペアは未受精卵、死卵を口で取り除いたり、ふ化したてで落下した稚魚を口でそっと元の位置に戻したりなど、健気に面倒を見ます。稚魚たちは、卵黄を吸収し終わり身軽になると、自由遊泳を始めます。ブラインシュリンプやベビーフードをスポイトで与えましょう。夜間、稚魚たちはまとまって親のそばに寄り添い、親は稚魚たちを守るのです。3週間から1ヶ月もすると、独特の背ビレ、シリビレの形が確認できるでしょう。2ヶ月から80日で親と同じ形にしましょう。親は1ヶ月ごとほどの間隔で7~8回の産卵をします。10回以上の産卵をする肝っ玉母さんもいますし、水槽の両コーナーで、2匹のメスを同時に相手したプレイボーイもいたことがあります。

私がよく感じることのひとつに、産卵が始まるとそれまで行っていた水かえなどの管理をしなくなる人が多い、ということがあります。それまで行っていた管理が適切だったからこそ産卵に至っているのであって、急に管理のスタイルをかえてしまうと水槽環境そのものにも影響を及ぼします。稚魚育成中は細心の注意が必要でありますが、しっかり管理してあげたいものです。

アカムシ、イトミミズ、ディスカスハンバーグ、人工飼料。こうしたエサに含まれる粗タンパク、粗脂肪を効率よく吸収させるには液体のビタミン(ウォーターコンディショナー)の添加が有効であります。各メーカーから発売されています。添加したものとそうでないものとを比べると、フンの量がちがうことがわかります。ビタミン添加したエサを食べた個体のフンは少なく、吸収され、血となり肉となっているのがわかるのです。与えるエサにふりかけても良いですし、水かえ終了時に中和剤、水質調整剤、バクテリアのあと添加する方法もあります。ホルモンバランスがよくなり、病気になりにくく健康に成長することでしょう。産卵も促進され、発色も良くなることうけあいです。

原種エンゼルの繁殖についても、基本的な部分は共通していますが、成功例はすこし高めの水温28~30℃、Ph5.0から6.5、硬度0から2、が目安になるデータであります。

毎日の観察、適切な処置や作業、そして愛。エンゼルたちはきっと、管理する者にヒレをひろげて応えてくれることでしょう。