2010年11月

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「左ヒラメに右カレイ」という目の偏りは、脳のねじれから始まることを、鈴木徹・東北大農学研究科教授(魚類発生学)らが突き止めたそうです。

ねじれる方向を制御する遺伝子も特定。人工飼育では目の位置が本来と逆になることも多く、養殖技術を改良する手がかりにもなりそう。

ヒラメとカレイは、誕生時は左右対称の形だが、20~40日後に目がそれぞれ左と右に偏り始め、体色も目のある側だけが黒っぽくなる。
鈴木教授らは、右目と左脳、左目と右脳をつなぐ視神経のX形の交差部で脳のわずかなゆがみが最初に生じることを発見。そこから脳全体のねじれが進み、目の位置も片方にずれていくことを確認した。

さらに、人の心臓が左側に形成される際にも働く内臓の位置決定遺伝子「pitx2」が、ヒラメやカレイでは誕生前だけでなく稚魚の段階でも再び働き、脳のねじれを調節することがわかった。遺伝子操作でカレイのpitx2の働きを妨げると、目が左に偏ったり左右対称になったりした。

人工飼育したカレイでは、目の位置が逆のものが20~30%を占めることもある。鈴木教授は「稚魚の生育環境の違いがpitx2の働きを抑えるのではないか」と話している。
木化石
「ぼっかせき」と読みます。
水草レイアウトに最適です。味わい、佇まいがイイですね。
樹木が長い年月をかけて化石になったものといわれています。

天然流木のようにアク抜きの必要もありませんし、長くレイアウトに使用できますね。
好みの形のものを見つけてくださいね。
僕の友人が関西方面に転勤することになりました。
「ぬおー!オレの外部式フィルター50Hzじゃん!向こうじゃ使えないよね?」

はい、50Hz、60Hz、必ず確認してから使用なさるようにご注意ください。

なにしろ水槽の水を抜いて→水槽をしまって(シリコン部分が乾いた状態になって)→再開するときに水もれの心配をするのはヤダ!→お前オレの水槽あずかっておいてくれ!水張って運転しておいて!

うーん、いいたいことはものすごくわかりますが・・・めちゃめちゃワガママ!
同級生ってなんでこんなに気安いんでしょう。
よし!ヤツの水槽で水草を育てよう。
もうどれがヤツの水槽かわからなくしてやる!
昨日の日記、ゼブラダニオも同様なのですが、人気種グローライトテトラもまた、メスのほうが大きいです。抱卵でお腹ははちきれんばかりになりますが、産卵させないで飼育を続けると雌雄の大きさの差はどんどん開いていってしまいます。
産卵は専用の水槽を用意します。
メスのみを収容し、抱卵確認後オスを導入する方法や、
はじめからペアのみを収容する方法があります。

オスは抱卵したメスを追尾します。オスは水草の茂みなどの産卵スポットにメスを誘い入れようとします。
身を寄せ合って産卵体勢に入ります。オスは尾ビレを使ってメスを抱きこみクルクルっと回転しながらウイローモスの茂みなどを進んでいきます。
メスの腹部が上を向いたときに放卵されるようです。
グリーンの中を2匹の赤いグローライトが回転するシーン、ぜひ観察していただきたいと思います。
「ゼブラダニオがいるのですが、何匹かがとても大きくて・・。」
というお客様。たいへん良好な飼育環境をつくっておられるようで、お話を伺っていくうちにメスの抱卵ではないかと思いました。
ゼブラダニオは生後6ヶ月を過ぎると成魚として繁殖に使えます。
メスは抱卵して腹が大きくなります。オスはスレンダーで濃紺と金のストライプが美しいものです。オスの金のラインはメスにおいては銀に見えるかもしれません。
ゼブラダニオの卵は沈性卵です。卵を産むそばから親が食べてしまうこともありますので、防止のため産卵槽にビー玉や大きな玉石を敷く方法が知られています。
卵はビー玉や玉石の間に沈むことで親から食べられなくなります。
水温25℃ほどのとき卵は2日目にふ化します。
5日目くらいからエサを食べ始めますので稚魚用飼料の準備が欠かせません。
生後1ヶ月で1cmをこえる大きさに成長させるようにします。
いよいよ導入
前回の「水をあわせていく」の続きです。
水温が同じになり、水を混ぜていくことで水質差をなくす作業をしたら
いよいよ導入です。
袋の水はなるべく水槽に入れない、ということをこころがけましょう。
エサは次の日から与え、魚のコンディションをあげていきましょう。
水をあわせていく
前回の「浮かべる」の続きです。
魚の入った袋を浮かべることで水温を同じくしたならば次に水質をあわせていきます。
袋の口をあけ、水槽の水をグラスやおちょこなどで少しずつ袋に入れていきます。
袋の口をひとつかふたつ折って口を丸くした状態のものを洗濯バサミなどで水槽のフチに固定するやり方は水温も保てておすすめです。
もちろんバケツなどにあけてエアーホースなどで点滴のように飼育水を足していく方法などもよくみられます。
元々の袋の水と、これから生活が始まる水槽の水が1:1になるようにします。
慎重な飼育スタイルのアクアリストは、ここからさらに袋の水を半分ほど捨てて、飼育水を足す作業をします。
袋をあけていきなり放流することだけは避けてください。
浮かべる
魚を購入し、さっそく持ち帰り、ビニール袋を水槽に浮かべて水温をあわせる。
熱帯魚には欠かせない作業であります。
袋を浮かべているあいだは、できれば水槽照明は消してください。
魚は明るいと袋の中でガンガン泳いでしまいます。
袋の中は、衝突などによりキズしやすく、ストレスも多い環境といえます。
導入の第一歩から最善を尽くしてむかえてあげてください。
浮かべる時間は1時間ほどです。
熱帯魚に限らず、繁殖という面から つかみなおしておきたいのがメンデルの法則です。
熱帯魚も基本的にメンデルの法則に則って遺伝子を次世代につないでいきます。
縞々のエンゼルフィッシュのペアなのに縞々ではないエンゼルがうまれるのは、
使った親が表面的には縞々でも純系の縞々ではなくてゴールデンやマーブルの血を引く個体であることを示しています。
観賞魚の改良品種には、完全に固定されていないものが少なくありません。
したがって教科書通りの結果にはならないのであります。
長い時間をかけて何代もの交配を行い、純粋な改良品種を作り出すうえでは重要な法則です。
ワイルド個体の理解と同時にしっかり把握したいところです。
まずはうまれた兄弟の中からエースというべき美しく優秀な個体を次の親としてキープするとことからはじまります。がんばりましょう!

メンデルの法則は遺伝学を誕生させるきっかけとなった法則であり、メンデルによって1865年に報告されました。優性の法則、 分離の法則、独立の法則の3つからなることは有名です。はい、ココ試験に出ます。

形質への着目
メンデルはまず、エンドウマメに背の高いものと低いものがあることに着目した。

純系の選抜
そして、背の高いものの種子のみを集め、修道院の庭で別に育てた。育ったものの高さを見て、高くなったもののみの種子を集め、さらにその翌年、それをまいた。これを数年続けることにより、必ず背の高くなるエンドウマメの種子を収穫することができるようになった。背の低いものも同様に、数年かけて選定を行い、必ず背の低くなる種子を収穫することに成功した。

優性の法則の発見
次にメンデルは、必ず背の高くなるエンドウマメの種子を育てて咲いた花のめしべに、必ず背の低くなるエンドウマメの種子の花粉を受粉させた。また、逆に背の低いものの花のめしべに、高いものの花粉を受粉させた。そして収穫された種子をまくと、すべてが背が高くなった。

分離の法則の発見
次にメンデルは、このエンドウマメを自家受粉させて得られた種子を、さらに翌年まいた。すると、背の高いものが3,背の低いものが1の割合になった。
メンデルは背の高さ以外に、エンドウマメの種子にしわのあるものとないものなど、複数の形質について同じ実験を行った。すると同じように、しわのないものとあるものを交配すると、翌年はしわのないもののみが収穫された。この種子をさらに翌年育てると、しわのないものが3、あるものが1の割合になった。同様に、種子の色が黄色のものと緑色のものを交配しても、やはり同様の結論が得られた。

独立の法則の発見
メンデルは、エンドウの背の高さやしわの有無など、複数の形質をもつもの同士をかけ合わせた。すると、それぞれの形質の遺伝の仕方に相関関係はなく、1つずつの形質について優性の法則・分離の法則が成立した。これを独立の法則と呼ぶが、メンデルの死後、ある一定の条件のもとでしか成立しないことが分かった。
貝を食べる魚として有名なアノマロクロミス・トーマシー。
お客様から「確かに貝はいなくなった」という声をいただくこともしばしばです。
「貝がいなくなったからエサを与えて育てていたら大きくなってキレイになってきたよ」
「卵を産んだよ」
というお客様も少なくありません。
トーマシーはシェラレオーネに分布するシクリッドです。近年は養殖個体が多いです。
小型ですがシクリッドですからテリトリー(縄張り)を主張することもあります。
赤、青、黄色が複雑に混じりあって美しく成長します。メタリックに輝く美しい魚になったときには、もう「貝を食べる魚」ではなく、水槽の主役になれる魅力的な魚です。
英名アフリカンピーコックシクリッドはダテじゃありません。
彼らの生息地は森林地帯を流れる小川でたいへんきれいな弱酸性の軟水です。ジュエルシクリッドやP.フミリスなどもみられるといいます。水温26℃。
水槽での飼育は特に難しいことはありません。
ショップで入手しやすい若い個体は雌雄判別が難しいのですが・・。
ペアさえそろえば人が見ている前でも産卵するほどです。
岩や流木が産卵床になることが多いです。
5cmほどの小さいメスでおよそ100個、大きなメスですと300個ほどの卵を産みます。
ぜひ繁殖に挑戦してみてください。
仕上がった個体は本当にキレイです☆
稚魚の育成はブラインシュリンプからスタートします。
だんだんと色づく
いきなり冬のような寒さで、出てきた言葉が
「秋はどこへ?」

赤でも黄色でも橙色でも1種類の色ではなくて、いろんな赤、いろんな黄色があります。
自分の色、見つけよう。見つけたつもりでももっと探そう!

色揚げ飼料、良好な水質環境、水槽を美しく演出する照明や底砂。
レッツ色揚げ!!
LT
写真はクマノミとロングテンタクルです。
ロングテンタクルは、LTなどといわれることもあるようです。

クマノミの仲間やイソギンチャクを購入の際「入るかなぁ・・?」と心配されるかたがいらっしゃいますが、通常導入初日、いや導入した瞬間にクマノミはイソギンチャクに入っていきます。
自然下でクマノミはほぼ一生をイソギンチャクとともに過ごします。
飼育下でのクマノミはイソギンチャクがないからといって生活できなくなるわけではありませんが、
クマノミのかわいいしぐさを観察するにはなくてはならないのがイソギンチャクの仲間ですね。
今日は水かえに明け暮れました。手の指紋がなくなりました。
水を張って透明感を増した水槽を見るのは気持ちの良いことです。
自己満足?いえいえ、魚も気持ちよさそうに泳いでいますよ。
いったい、何トンの水を使えば気がすむのか・・
ブレーキが壊れたかのような自分が怖いです!(なんちゃって)
下町アルバム
写真は東京都墨田区八広と葛飾区四つ木を結ぶ木根川橋(きねがわばし)です。
荒川に架かる橋であります。
すぐ近くを京成電鉄が走ります。
開放的な河川敷が広がり、堤防の上からは東墨田の工場群と遠くに東京スカイツリーの建設中の姿を見ることができます。
隅田川花火を遠くから眺める花火鑑賞の穴場でもあります。
河川敷には絶滅危惧種ヒヌマイトトンボの生息地があり、付近にはその事を示す看板が立っています。
都心の自然は意外な場所に残っているものですね。
仕事の関係で、週に何度も渡ります。
あまりにいい天気だったもので一枚。
女性ならではの感性で水槽をつくり込む
繊細な水草を植栽していく
すっきりとした配置で水景も魚も楽しむ
旦那さんの水槽、奥様の水槽、それぞれ独自のスタイル・・・。

アクアライフ2010年12月号が出ました。
特集 Women's Aquarium style 2010
女性アクアリスト大集合
12月号恒例の「マイアクアリウムスタイル」ですが、今月はなんと女性アクアリストに焦点が当てられております。13人の女性アクアリストの、個性あふれるアクアリウムスタイルをお楽しみください。

●新シリーズ
ホルスト・リンケの極上熱帯魚ストーリー

●新連載
ドワシク通信 Dwarf Cichlid Press

●すすめパロット!
パロットファイヤーシクリッドの魅力と飼育

●迫力の大型個体!
テキサス産アリゲーターガーの採集と日本への輸送

●正しい保温を!
ヒーターの安全な使い方&最新カタログ

●海水小特集
愛すべきはスズメダイ

●ピラルクー伝説・後編
ピラルクーの出現背景と化石など

イベントレポート
●世界水草レイアウトコンテスト2010 結果発表
●アジアパシフィックシュリンプコンテスト2010
●第17回 金魚日本一大会
●お台場ECO-AQUA 海の学校2010


● 銘魚拝見! ALショップレビュー
● ルー大柴リバーとトゥギャザー!
● 1種類徹底飼育講座
● 千石先生のワールド・エコツーリングノート
● 観賞魚の病気対策
● ウロコは語る
● アクアメイルボックス
● 編集部が挑戦! Go For Breed など連載多数

定価880円です。
美しい、大きくなり過ぎない、水草水槽でも飼育OK、繁殖も狙える。と、まさに熱帯魚のいいところばかりを集めた人気種である。パピリオクロミスと呼ばれたり、ミクロゲオファーガスと呼ばれたりするのは、鰓耙(さいは。エラ蓋内部の構造。プランクトンなど小さなエサを主食とする魚の鰓耙は長く密生している。大型魚など大きなエサをとる魚の鰓耙は短くまばらである。)、歯板の有無、歯列の違い、背ビレの第一棘がエラ蓋の延長線より前にあるか後ろにあるかなどのポイントが、分類学において意見がわかれているためである。気に入った個体を厳選して、あなたの水槽でも繁殖させてみよう!

ラミレジィの基本的な繁殖方法
■水槽について
30cm前後の小型水槽でも成功例がある。繁殖用に45cm前後の水槽をセッティングしよう。底面式フィルター、エアー式のスポンジフィルター、吸いこみ口にスポンジを取り付けた外掛け式や上部式、外部式など自分の管理しやすいろ過器を選んでほしい。ろ過器の大きさは水槽の規模にあっていて、稚魚が吸い込まれない構造にすることが条件である。ペアのみを収容することが成功への近道だ。
■水草について
水草レイアウト水槽でも成功例は多い。CO2を添加する本格的なつくりのものにおいても、産卵のステージとなる平たい石などを配置しよう。ペアの産卵、育児に十分なスペースを設けてあげよう。親が砂利をくぼませて産卵することもあるからだ。育てるのが得意な水草を選ぼう。枯れてしまっては水質悪化の原因となるし、コケの発生が多いようでは観察の妨げになる。まずは水草がいきいきと成長する環境にすることだ。水草がつくる自然な明るさ、茂みや葉の陰の暗さがペアを落ち着かせ、産卵、育児のストレスを軽減させる。
■水温・水質について
多くの南米産の魚と同様に弱酸性の軟水を好む。ゴールデンラミレジィ、ロングフィンタイプ、ショートボディタイプと改良品種が多いことは繁殖しやすいことを示し、水温、水質への適応範囲はある程度あるが、購入時や、導入時、水かえなどによる急変には弱いので、注意、観察、確認をしてほしい。水温25~26℃のとき卵は3日ほどでふ化するので、日程的にもこのあたりがおすすめだ。小型水槽になればなるほど水質管理はまめにしなくてはならない。毎日データをメモすると水槽環境を把握しやすい。pH、硬度、亜硝酸など各種測定キット、水質調整剤を使いこなそう。ろ過材、底砂、コンディショナーにも弱酸性の軟水をキープしやすい優秀な製品がリリースされている。
■ペアの購入方法、オス・メスの見分け方
ラミレジィは恋愛結婚をする。5~10匹の複数飼育の水槽や、ショップの販売水槽内でペアができると、2匹で陣取り、他の個体を寄せ付けなくなるのですぐにペアとわかる。メスが綺麗なのは人間だけでラミレジィのオスの美しさは数ある熱帯魚の中でもトップクラスであり、光り輝く青紫色、赤、黒、黄色は極美という言葉がぴったりだ。背ビレの第二、第三条が伸長すること、前頭部が少しでて大きいことがオスの特徴。ヒレを広げて体側誇示をし、俺はこんなに美しくて大きいんだぞとアピールしているのがオス。メスは腹部がピンクがかり、体型も丸く、オスほどヒレも伸びない。ハーレム型の繁殖形態をもつ魚のペアの絆はうすいが、ラミレジィの場合は、ペアとして持続性があり、相性の良いペアを入手することがきわめて重要だ。産卵、育児の期間はペアが神経質になりやすく、混泳魚がいる環境よりもペアだけで飼育し、繁殖に至るほうがうまくいくことが多い。
■産卵について
オープンスポウナーといって、平たい石や流木の表面に卵を産み付ける。親が底砂を少しくぼませるように掘り、そこを産卵場所とするペアもいる。(敷いてある砂利が薄い場合多いと思います。)オスとメス2匹で産卵場所を口で掃除する。4cmのメスは100個以上の卵を産む。メスが5~6個産むとすぐさまオスが放精、という動作を繰り返す。産卵後、オスとメスが交代で胸ビレをあおぎ、卵に新鮮な水を送ったり、ふ化した稚魚を口に含み移動させたりと健気に世話をする。ふ化後4~5日でヨークサックを吸収し終えて稚魚たちの自由遊泳が始まる。親は稚魚たちが自由遊泳に入るまで世話をする。優秀なペアほど順調に育児が進む。水かえ、エサやりなど管理をする側にとっては、多少ペアまかせにし、刺激を与えすぎない段階がここまで。
■稚魚のエサ・与え方
ふ化したてのブラインシュリンプを用意しよう。1日に4~5回、なるべく多くの給餌をしたい。ブラインシュリンプのふ化は24時間かかるので、ふ化器は、8時間ごとなら3系統必要になる。ポイントは『ふ化したて』のものを与えることだ。自由遊泳が始まったばかりのラミレジィは、とても小さく、初期のエサやりが極めて重要だ。ふ化後時間が経過してしまったブラインシュリンプは大きくなってしまうし、ブライン自身の成長のため栄養を吸収されてしまっている。自由遊泳に入ったら、まず稚魚たちにふ化したてのブラインシュリンプを食べさせることに全力を注いでほしい。勉強や仕事に忙しくてそんなにできないよという方も多いと思う。冷凍ベビーブラインシュリンプも市販されている。カップに飼育水をとり、冷凍ベビーブラインシュリンプを入れスポイトで稚魚たちのところへ与えてあげよう。粉末タイプのベビーフードや固ゆでした卵の黄身なども同様の方法で与えてあげよう。ふ化したての生きたブラインシュリンプは稚魚たちを早く大きく成長させることができるので、ラミレジィに限らず、稚魚育成においては避けて通れないアクアの道である。稚魚たちがお腹いっぱい食べた様子は、腹部のふくらみで目視、観察しよう。幼魚期の栄養不足はその後の成長に大きく影響する、生後2ヶ月で12mm、生後3ヶ月で20mm以上なら順調といえる。会社や学校からは早く帰らなければならない時期があるのです。
■ブリード個体の産地
ワイルドものとは別に、養殖も盛んである。東南アジア、ドイツ、オランダのものが流通している。ドイツラム、オランダラムなどと呼ばれている。それぞれ別々の交配がすすんだせいか、東南アジアの個体と、ヨーロッパの個体は別物の印象を受ける。体型や色の出かた、斑紋の黒さなどに違いが見られる。日本から優秀な個体が種親として東南アジアへ供給され、その仔たちがまた日本へ輸入されるといったルートにより、価格も手ごろになり、飼育自体もしやすい強い個体に出会う機会も増えている。さあ、繁殖にチャレンジ!
今日のテーマは、スパンコールを纏った魅惑の妖精たち、南米ドワーフシクリッド。
新しい仲間が紹介される度にその品種を飼育するためにアクアリストたちに新しい水槽をセットさせてきました。その魅力を知り、熱帯魚の虜となるきっかけにしていただきたいのです。

■南米ドワーフシクリッドへのアプローチ
『ソイル系』とよばれる底床素材の登場によって、飼育しやすさは飛躍的にあがったと言っても過言ではない。原料となる土に含まれる腐食酸が水槽内で有効に作用し、弱酸性の軟水という環境が作りやすくなり、彼らの生息環境を再現する近道ができたのだ。南米ドワーフシクリッドに限らず、水草育成、カラシン、コイ、グラミィ、レッドビーシュリンプなどを飼育するにあたっては、革命的な製品である。
彼らの生息環境の水質データは、弱酸性の軟水であるうえ、導電率(マイクロジーメンスという単位であらわされる。その水にどれだけ不純物が含まれているかを示す値。)がとても低いきれいな水である。日本の水道水からは導電率をさげるためにR/Oを通したり、硬度やPhを調整するためにピートを用いたり、イオン交換樹脂やPh調整剤を使用したり苦労しないと得られない。飼育設備は年々進化しており、10年前と比べてスマートな彼らの生活にふさわしい見た目にもスタイリッシュな製品が増え、『おしゃれアピスト生活』をしているハイアマチュアも少なくない。Ph調整機能をもつろ過材や、アンモニウムイオンや亜硝酸を素早く分解し水槽の立ち上げに有効なバクテリアの部門は、各メーカーから優秀な製品がリリースされているので、南米ドワーフシクリッドへのアクセスが格段にしやすくなっている。
■水槽について
美しい、大きくならない、水草水槽でもOK、繁殖も狙える、というのがかれらの特徴である。水槽は30cmの小型のものから楽しめる。繁殖にはある程度水量のある45~60cm水槽がおすすめである。おとなしい魚との混泳水槽の場合は、エサをとり遅れないか、十分行き渡ったかのチェックが必要だ。
■フィルターについて
外部式、底面式、上部式、外掛け式‥自分の管理しやすい器具を選ぼう。稚魚などが吸い込まれないようにストレーナーにスポンジを装着するのがトレンドである。目には見えないが、アンモニウムイオンや亜硝酸を分解するバクテリアが有効に作用しているか、が管理の分かれ目である。生物的ろ過が効いている水槽の多くは、ろ過の最終段階で生成される『硝酸塩』が酸性のため、Phは徐々に酸性に傾いていく。高濃度の硝酸塩や亜硝酸は生体にはやはり有害で、硝酸塩を除去する作業が水かえになる。水質管理のポイントは、自分が使用するもとの水の水質を調べ、調整し、その水質が水槽内でどのように変化していくかを把握することで、R/Oフィルターや浄水器、各種水質測定キット、調整剤、バクテリア選びも楽しみのひとつにしてほしい。
■底床について
ソイル系底床素材は優秀であるが、底砂部門はは多くのメーカーがひしめく激戦区であり、中性ないし弱酸性表示のあるものも多い。中性とは、水槽内でなにも溶出しない上になにも吸着しないことを示す。弱酸性表示の素材は中性以上の水を張ったときに弱酸性に傾ける機能があることを示す。底砂クリーナーをかける砂利と、一度敷いたら基本的にリセットするまで敷きっぱなしのソイル系は扱いが大きく異なるため、管理にあったものを選択してほしい。最近ではソイル系素材に慎重にクリーナーをさす上手な例も見え始め、底床の状態の見極め、管理も幅が出てきているようだ。
■エサについて
アピストグラマは1日中底床に落ちているエサをついばみ、少しずつ食べる習性をもつ。これまで当欄では、まず少量のエサを入れる、そして食べきったらもう少し与える、この繰り返しの時間を数分、という提案をしてきたが、アピストグラマに関してはわざと底に沈めるやり方も提案したい。スポイトで飼育水ごと魚たちのところに与えてやる方法がおすすめである。冷凍飼料でもフレークフードでも利用できる。エサが水面にあるよりは、エサを彼らの生活空間に渡すようなやり方のほうが喜んで食べてくれることと思う。ショップではなにを与えていたかを問い合わせてほしい。冷凍赤虫、冷凍ミジンコ、フレークフード、ディスカスフード、ブラインシュリンプ‥なんでも食べる健康な魚にしよう。ただし、残餌は水質を悪化させ、エロモナス症などの原因となるので、与えるエサの量はきわめて重要である。
■飼育にあたって
アピストグラマの仲間はペアでの飼育をおすすめする。ワイルド個体については、その便すべてがオス、あるいはメスということもあるため、『お店にいるとき買う』のが原則になる。産卵はときにハーレム型をとり、決まった相手とだけペアになるとは限らない。性成熟が十分なオスと抱卵しているメスが出会えば、繁殖行動をとる。ペアで販売されているケースも多く、ペアでの飼育のほうが管理しやすいと思われる。
ショップと良いコミュニケーションをとることが優良魚入手の近道である。入荷日、入荷状況を知ったり、生体のトリートメント面においてかなり大きなアドバンテージを得られるにちがいない。購入時には、ショップの水を多めに分けてもらい、水合わせを慎重に実施してから導入しよう。
■産卵について
南米ドワーフシクリッドは、産卵場所の違いによって二つに分けられる。平らな石や水草や流木の表面などの人目につく場所に産卵するオープン・スポウナーと、ハングオンした流木や洞窟状になった人目につかない場所に産卵するケーブ・スポウナーである。
オープン・スポウナーは
パピリオクロミス属
ディクロッスス属
ナンナカラ属
ケーブ・スポウナーは
アピストグラマ属
アピストグラモイデス属
ビオトエクス属
タエニアカラ属などである。

種類によって、繁殖の難易度が異なる。小型シクリッドはコレクションするのも楽しみのひとつで、繁殖時に最高潮の美しさをみせるものが多い。順番にチャレンジしてみよう。
初級種・・・
ラミレジィ
アルティスピノーサ
ナンナカラ・アノマラ
Ap.アガシジィ
Ap.カカトゥオイデス
Apボレリィ
Ap.トリファスキアータなど

中級種・・・
Ap.ビタエニアータ
Ap.ホングスロイ
Ap.マクマステリィ
チェッカーボードシクリッド
タエニアカラ・カンディティなど

上級種・・・
ディクロッススマキュラータ
グリーンドワーフシクリッド
Ap.エリザベサエ
Ap.メンデジィ
Ap.イニリダエなど

■オープン・スポウナー
オープンスポウナーは、平たい石や流木の表面に卵を産み付ける。親が底砂を少しくぼませるように掘り、そこを産卵場所とするペアもいる。オスとメス2匹で産卵場所を口で掃除する。例えば4cmのラミレジィのメスは100個ほどの卵を産む。メスが5~6個産むとすぐさまオスが放精、という動作を繰り返す。産卵後、オスとメスが交代で胸ビレをあおぎ、卵に新鮮な水を送ったり、ふ化した稚魚を口に含み移動させたりと健気に世話をする。ふ化後4~5日でヨークサックを吸収し終えて稚魚たちの自由遊泳が始まる。親は稚魚たちが自由遊泳に入るまで世話をする。優秀なペアほど順調に育児が進む。水かえ、エサやりなど管理をする側にとっては、多少ペアまかせにし、刺激を与えすぎないことがポイントだ。稚魚育成には、ふ化したてのブラインシュリンプを用意しよう。1日に4~5回、なるべく多くの給餌をしたい。ブラインシュリンプのふ化は24時間かかるので、ふ化器は、8時間ごとなら3系統必要になる。ポイントは『ふ化したて』のものを与えることだ。自由遊泳が始まったばかりの稚魚たちは、とても小さく、初期のエサやりが極めて重要だ。ふ化後時間が経過してしまったブラインシュリンプは大きくなってしまうし、ブライン自身の成長のため栄養を吸収されてしまっている。自由遊泳に入ったら、まず稚魚たちにふ化したてのブラインシュリンプを食べさせることに全力を注いでほしい。冷凍ベビーブラインシュリンプも市販されている。忙しい人には必需品だ。カップに飼育水をとり、冷凍ベビーブラインシュリンプを入れスポイトで稚魚たちのところへ与えてあげよう。粉末タイプのベビーフードや固ゆでした卵の黄身なども同様の方法で与えてあげよう。ふ化したての生きたブラインシュリンプは稚魚たちを早く大きく成長させることができるので、稚魚育成においては避けて通れないアクアの道である。稚魚たちがお腹いっぱい食べた様子は、腹部のふくらみで目視、観察しよう。幼魚期の栄養不足はその後の成長に大きく影響するのでしっかり給餌してあげたい。

■ケーブ・スポウナー
人目につかない場所で産卵するので、流木や水草、素焼きの植木鉢、市販の産卵窟などを用意してあげよう。密にレイアウトした場合などは、稚魚の群泳を発見してから産卵していたことを気づかされるケースもある。産卵が近づいたメスは体色の黄色味が強くなる。輸卵管が突出して産卵しようとする場所にテリトリー(縄張り)をもつ。この抱卵したメスのテリトリーに性成熟の十分なオスが入ってきて、産卵に至る。アピストグラマの場合、メス個体の大きさにもよるが、30個から200個ほどの卵を産む。(アガシジィは少なめで30個から80個)産卵後はメスがよく卵を守り稚魚の世話をするので、オスはとり出すかセパレートしてやるとよい。卵は3日ほどでふ化するが、繁殖時にかなり神経質になる種が多く、蛍光灯などの照明はやや暗めにしたりする。ライト点灯時、急に明るくなったり、消灯時、急に暗くなったりすることが親たちにとってストレスになるようなら、遠めから照明を当て続け、これは消さない、などの工夫をするケースもある。小型水槽用のクリップ式照明などが便利でおすすめだ。アピストグラマに限らず、エンゼルフィッシュやディスカスにも応用できる。稚魚たちにふ化したてのブラインシュリンプを用意することなど育て方は、オープン・スポウナーと同様である。2ヶ月で12mm~15mmに育てる。保護色で目立たない稚魚たちの色がでてくるのはずっと後になってからである。
(鉄則!)亜硝酸濃度はこまめにチェック。
(鉄則!)ペアで飼育しよう。
(鉄則!)優良個体を判別する眼を養おう。
今日の水草
ミリオフィラム・マットグロッセンセ。
華やかな水草レイアウトに用いられます。
ライトグリーンの羽根のような葉が特徴です。
明るい照明下で二酸化炭素を添加し、液体肥料を与えると成長は早いです。
午後になると葉は気泡で鈴なり。いっそう華やかさを増します。
アリノトウグサ科です。
エサ用コオロギが入荷しました。
この夏、あまりの猛暑に養殖場では種親が不調であったり死に至ったりして、
こどもがとれない状況でありました。
需要はたいへん多いのに、コオロギの供給がほとんどなく、観賞魚の市場、爬虫類の市場ともコオロギ不足でありました。
みなさまにはたいへんご迷惑をおかけしておりましたが
本日入荷いたしましたのでお知らせいたします。
数多く泳ぐ魚の中から気に入った個体を選ぶこと、大事ですよね。
選ぶとき、やっぱり重要なのは第一印象です。
最初に目に飛び込んできた個体は、基本的に「好き」なはずです。
魚を選ぶお客様と接しておりますと、
チャームポイントをみつけて、これを愛でるかた
減点法のかた
大きさ重視のかた
コンディション重視のかた
いろいろなかたに出会います。

犬や猫を買いに行って「元気そうなのください」とは絶対言わないのに
魚だと「元気そうなのをください」といわれることがあります。
このお客様の「境界線」はどこなのでしょう?
犬・猫

爬虫類
昆虫
魚・・・・・
自分が食べる肉や魚・・・
やっぱりきちんと選んでください!