備えあれば・・・

白点病になってからあわてて治療薬を求める・・・
手遅れにならなければ良いのですが・・・・・。

あたたかくなったり、肌寒く感じたり、人間が風邪をひきやすいこの時期は水槽で生活する魚たちも調子を崩しやすい時期といえます。

有名な白点病、みなさんいろいろな表現をなさいます。

「体表やヒレに白い点点が・・・」

「ポツポツと白くて、からだを砂利にこすりつけて・・」

原因は白点虫(Ichthyophthirius multifiliis)の体表及び鰓への寄生によります。
白点虫は原生動物の繊毛虫に分類され、ゾウリムシと近縁な生物です。

白点虫の成虫は直径0.5mm程度。円形または楕円形でその周囲は繊毛と呼ばれる細かな毛でおおわれています。魚に寄生した白点虫を取り出して水の入ったシャーレに入れてみますと、水中を泳ぐ姿が観察できます。

白点虫のライフサイクルについて
まず魚体上で成熟した白点虫は、魚から離脱してシストを形成します。
このシストはネバネバしたゼラチン状の厚い膜でおおわれていて水槽のガラス面や砂利の上などに付着します。
そしてシストは細胞分裂を繰り返しながら仔虫を放出します。
放出する仔虫の数は水温によって異なります。
一般的に水温が高いときは放出される仔虫の数は多くなりますが仔虫は小さくなります。
シストから放出された仔虫は寄生するべき魚を求めて泳ぎ出します。

白点病の進行が早いのは、魚体から離れた成熟虫がシストを形成して仔虫を放出するまでの時間が24時間(水温20℃の場合)前後であることです。

1個の成熟虫が24時間後には数千もの仔虫に増えるからです。

これは水槽内の全ての魚が一気に侵される伝染病で、アクアリストであれば一度は経験したことがあるのではないでしょうか。稚魚や小さな魚が特に罹りやすいといえます。

したがって、魚病薬は「常備」が基本となります。