補修

お店で生体を販売しているガラス水槽が水もれしてきました。
じわっと水が滲みだしてきていました。
一般家庭の水槽に比べてはるかにハードに管理するため、ガラスとガラスを貼り合わせているシリコン部分の劣化が早いので、水もれ自体はお店においては珍しいことではありません。
飼育環境の急変を避けるため、まずは9割ほどの飼育水を残します。上澄みのきれいな水をバケツにとっておきます。
途中で魚をすくってバケツに移します。魚の数が多い場合はエアレーションが必要です。
まず水と魚を出します。
魚は別の水槽に引越しです。水をまるごと移しかえて、ひとまずがんばってもらいます。
今回の場合は大磯砂を敷いた底面式フィルターでしたので、底砂はジャリスコップで取り出し、これはきれいに洗うしかありません。
底面式フィルターのプレートやパイプもきれいに清掃。
やっと水槽だけになりました。
空っぽの水槽を持ち上げます(中に水や砂利が入ったまま持ち上げてはいけません)。
さて、今回のシリコンの傷みは底面の箇所のようです。従来のシリコンがめくれあがってしまっていましたので、カッターで切除します。
シリコンをはがすときはなるべくきれいに剥がします。
底面のガラスと背面のガラスの隙間が見えてしまってもかまいません。
きれいに剥がしたら新しいシリコンを打っていくのですが、水槽はよく乾燥させてから作業に入ります。
隣り合うガラスの両方にシリコンがくっつくように打ち、目地をヘラで押して整えます。
お店の場合は二度と水もれしないように、べっちょりとシリコンを打ってしまいます。今回の場合は底面フィルターですので、底には砂利が被さってしまいますので、見えなくなりますから、多く盛っても問題ありません。
各水槽メーカーは、より美しい水槽を作ろうとするため、シリコン部分が極端に薄くなっていく傾向にあります。もちろん製造技術も向上していますね。
シリコンを打ったら2~3日、乾燥させます。
水を張ってテストし、問題なければ元に戻していきます。

水槽の補修の説明をしますと、新しい水槽に入れ替えるのと手間はいっしょだということに気づきますね。
今回補修した水槽はかれこれ20年選手です。ガラスが割れなければ、補修しながら長い間使用できます。