サンゴのゲノム

サンゴのゲノム初解読=白化現象解明、保護に期待―沖縄科技機構

サンゴの全遺伝情報(ゲノム)を初めて解読したと、沖縄科学技術研究基盤整備機構の新里宙也研究員や佐藤矩行博士(京都大名誉教授)らが24日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
解読対象は沖縄周辺の海に生息する「コユビミドリイシ」。
サンゴ礁を造るサンゴは細胞内に微小な藻類「褐虫藻」が共生し、光合成することで養分を得ている。研究成果は褐虫藻が抜けて白くなり、死滅に至る白化現象の原因解明に役立つと期待される。
 
1998年に太平洋赤道域東部の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が起きた際には、サンゴの白化現象が沖縄など世界各地で発生した。研究チームは褐虫藻のゲノム解読にも取り組んでおり、来年終わる見込み。 


サンゴの起源は5億年前 定説を2億年以上さかのぼる

海中にサンゴ礁をつくる刺胞動物「サンゴ」は約5億年前にイソギンチャクとの共通祖先から進化したことを、沖縄科学技術研究基盤整備機構などの研究チームがゲノム(全遺伝情報)を解読して突き止め、24日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

サンゴの起源の定説を2億年以上さかのぼった。多様な海洋生物を育むサンゴ礁の成り立ちを解明するのに役立つ成果。

チームは沖縄の海に生息するサンゴの一種「コユビミドリイシ」の産卵時に精子を採取。DNAの塩基配列を解析し、約2万4千個の遺伝子を特定した。