第93回全国高校野球選手権2回戦 習志野9―3明徳義塾

◇第93回全国高校野球選手権2回戦 習志野9―3明徳義塾(2011年8月13日 甲子園)

第93回全国高校野球選手権大会第8日目は13日、2回戦が行われ第1試合では習志野(千葉)が明徳義塾(高知)に鮮やかな先制攻撃をみせ、9―3で快勝。10年ぶりに3回戦へ進出した。

習志野は初回、1回戦で7番を打っていた4番皆川が右中間へ先制の2点適時打を放ち、続く5番片桐の中犠飛で3点目を挙げた。2回にも9番小山の中堅フェンス直撃の二塁打などで2点を追加し、その後も攻撃の手を緩めなかった。

5点のビハインドを追う明徳は3回に1点を入れ、4回にも4番北川の2試合連続本塁打で追い上げたが、4回に3点を奪われ、反撃ムードがしぼんだ。

完全に相手の虚をついた。習志野は7回に2―1と勝ち越した直後の2死満塁。左腕・原崎の足が上がった瞬間、三塁走者の宮内が本盗を敢行した。投球も外角低めに外れ、捕手のタッチより早く両手が本塁に触れた。

甲子園に大きなどよめきが広がった。「フォームが大きくて警戒していなかったので、思いきって行きました」。50メートル走は6秒1。千葉大会決勝の3番から1番に打順が上がり、8回には満塁走者一掃三塁打を放った俊足の宮内は、お立ち台で満足そうに振り返った。

千葉大会7試合で22盗塁に加え、37犠打。今年の習志野は細かい野球で得点を積み重ねてきたが、この日はことごとく打つ手が外れた。2回の先制点こそ得意のスクイズで奪ったが、その後は2度のバント失敗にけん制死。ヒットエンドランもバントエンドランも決まらなかった。それでも「奥の手」が残っていた。

小林徹監督は「勝ち越した後だったので、タイミング的にはここかな、とダメもとでサインを出しました」としてやったりの表情。今春の関東大会王者は引き出しをたくさん持っている。