ウォータースプライト

ウォータースプライト
「丈夫で育てやすい水草の入門種」。古くからこう言われてきました。
30年以上前、現在ほど多くの水草品種が入手しにくい時代から、定番種として販売されていて、歴史は古いのです。
今日はウォータースプライトのお話をさせていただきます。

丈夫で育てやすいというのは、様々な環境に適応し、新しい葉を展開することを言います。
特別に強力な照明や、特別な肥料、二酸化炭素の設備がなくても育てることができる種に使われる言葉だと思います。
もちろん最低限の設備や管理は必要です。

ウォータースプライトはミズワラビの仲間で、株状の組織で、根を持っています。
環境に適応すると、葉から「不定芽」とよばれる小さな組織を出します。不定芽をしばらく育てると、独立した1株として、スプライトをふやすことができます。
丈夫で育てやすいウォータースプライトですから、ふえ過ぎて困るくらい、旺盛な繁殖力をもっています。

繁殖させることが比較的容易な熱帯魚の繁殖用水槽について、「マツモやウォータースプライトを浮かべて」・・・
というフレーズ、熱帯魚の繁殖に取り組んだことがあるかたならば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
たった一行の、スプライトを浮かべて・・・というフレーズですが、いろいろな意味合いを持っている言葉だと思います。

スプライトを浮かべて、これが展開しないような不安定な環境ではいけないということ。
親魚や稚魚にとって、スプライトが浮かんでいることで適度な明るさ(暗さ)を作れること。
スプライトが繁茂していることで、ろ過器が作る水流を遮るエリアができて、親魚や稚魚は好みの水流エリアに生活の場所を求めることができること。
スプライトが順調にふえることは、その水槽の水質環境が安定していることの目安となること。

写真はスプライトを浮かべてふえ始めたところ

うーーん、これ以上ふえると水の流れを妨げますので、少しまびいてスペースを作りましょう。
水が止まってしまって、ここにエサを与えてこれが腐敗してしまってはならないのです。

目にもやさしいウォータースプライト。ぜひ初心にかえって見直してみてください。