先祖をさかのぼる

観賞魚は
ワイルドと呼ばれる自然環境から採取した魚と
人の手によって繁殖した魚がいます。
多くの改良品種は、観賞目的のために人の手が加わっています。
ヒレを長くしよう、アルビノにしよう、赤くしよう、青くしよう、いろいろな目的をもって交配、選別、淘汰がされて作出されてきます。
改良品種を理解しようとするとき、その品種をつくる元となった原種の理解が必要になってきます。
基本的な性質、食性、繁殖のしかた、水質レンジなど上手に飼育する手がかりとなるのが原種になります。
例えば、熱帯魚の王様ディスカス。
人気のブルーダイヤモンドは目のさめるようなブルーですが、やっぱり父と母がいます。
その父、その母・・・とさかのぼっていくと、たどり着く原種はグリーンディスカスになります。原種グリーンディスカスのメタリックブルーの素質、ぜひ観察してみてください。
ブライトオレンジで人気のピジョンブラッドの系統や、真っ赤なマルボロレッドの系統をさかのぼっていきますと、たどり着くのはブルーディスカスです。
ほんまかいな!というかたもいるかと思います。似ても似つかない表現ですから、無理もないと思うのですが、ほんとうです。

500年以上の歴史がある金魚も多くの改良品種がしられています。
さかのぼると金魚すくいで多くみられる和金が出てきます。
和金は赤いフナ(ヒブナ)の突然変異です。
ヒブナは黒いフナの突然変異ですから、多くの金魚の元となっているのは「フナ」ということになります。
長野地方で秋の味覚として人気のフナっこですね。
田んぼの水を抜く秋にお米といっしょにすくって収穫されるそうです。
フナが育つ田んぼは低農薬ですから、そこでとれたお米は貴重で、お値段もやや高めだそうです。