メダカのお話 4

繁殖について
メダカの繁殖を観察するには横から観察できる水槽が適しています。上からしか見えない池や容器、野外(フィールド)では観察しにくいでしょう。
水槽で良好な状態で飼育を続けていくと繁殖に至ります。
保温設備を用意して水温をコントロールする愛好家も多いのですが、保温設備がない場合でも、春になり水温が上昇し、日照時間が長くなると、それが刺激になります。
メダカ繁殖について、飼育者の意見はたいへん多く、
「オスとメスの比率は1対2が良い!」
「産卵は早朝に行われるから産卵期は水槽を新聞紙で隠し日照時間をコントロールする!自分で新聞紙をはずしたときが朝で、産卵を観察する!」
など熱い議論が絶えません。
オスとメスの比率ですが、水槽の大きさにもよると思います。幅60cm以上の大きい水槽ならば1対2(例えばオス10匹、メス20匹など)でも良いと思います。
小型水槽の場合はこの限りではありません。繁殖は雌雄一対一で行いますから健康なオスとメスがいれば繁殖行動は観察できます。
産卵行動はオスがメスを追尾するところから始まります。
オスは抱卵したメス(腹部の丸みが増しています)の前でクルリと回転するように泳ぎ、ヒレを広げディスプレイします。ヒレを広げてメスの行く手を遮るような仕草が観察できます。
求愛に応じたメスは泳ぎを弱めます。
受け入れられたオスは、メスを抱きかかえるようにして産卵行動に入ります。
メスが卵を産む瞬間、オスは背ビレと尻ビレを使いメスの体の後半部を抱くようにします。
メスは卵を産み出し、オスが放精することによって受精が完了します。
産卵時間は15~25秒です。
メスは卵をもったまま泳いでいますが、しばらくすると水草などに卵をくっつけていきます。
卵は房状になっていて、粘着糸によって水草などにからみつくのです。
水温によって孵化までの日数は異なります。
水温18℃のとき20日、
水温25℃のとき10日、
水温30℃のとき8日ほどでふ化します。産まれた卵の一部がまずふ化し、翌日多くの仔魚がふ化するイメージで臨むと良いでしょう。
親メダカは卵や稚魚を食べてしまいますので、
卵はくっついている水草ごと、その水ごと、別容器に移し、孵化を待ちます。
孵化した稚魚(体長4~5mm)は、はじめ腹部に卵黄があります。卵黄を吸収し、自由遊泳に入ったら稚魚用のエサを与えていきます。卵黄の吸収には2日ほどかかります。
成長は非常に早く、3~4ヶ月も経過すれば産卵可能な大きさになります。
卵や稚魚が吸い込まれないような構造のろ過器、エサを与えるためのピペット、粉末状の稚魚用飼料などは欠かせないアイテムとなります。