店長日記

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アクアリウムWalker
フリーマガジン「アクアリウムWalker」が出ました。
冬もアクアを楽しもう!という特集です。

熱帯魚に携わっておりますと冬こそアクア!と言いたいところです。
北半球が冬のとき、熱帯魚の故郷は季節が逆でシーズンだからです!

人気のフリーペーパーで、すぐになくなってしまいます。お早めに!
本日は店内の改装をしておりました。
ガラリとイメージを変え、気分一新です。
水槽移動なども多く、「水槽の引越し」のたいへんさを噛みしめました。
まして海外から飛行機で輸入される生きものたちのたいへんさといったら・・・。

比べるまでもなくもっとたいへんなわけであります。
日本に到着した生きものたちにはより良いケアをしてあげなくては!
と気持ちを引き締め直した次第です。
関東地方は日本海で急速に発達している低気圧の影響で、一時的に激しい雨が降りました。
気象庁からは3日、東京都内の一部に洪水警報や大雨注意報が出ています。

みんなが「うわうわうわうわ!」という激しい雨の降り方でした。
「このあとタライが落ちてくるんじゃないの?」
車で出たものの、落ち葉が排水口を塞いでしまっていて左車線は「川」。
歩いたほうが早いような渋滞となりました。
果敢に排水口を開ける作業の方々も出動し、ご苦労様ですとしかいいようがありません。

春、桜並木で美しい通りの「秋の桜の紅葉」もこれでおしまいとなりそうです。残念。

魚をすくってビニール袋に酸素をつめる「パッキング」。パックした直後に袋は「結露」。
ものすごい湿度です。
EHEIM
エーハイム社より新発売です。
エーハイムアクアボールパワーヘッド1212。
球状のポンプヘッドを上下左右に動かすことができますので、排水方向を思いのままに変えられます。
エアーディフューザーが付いていますのでエアレーションもできます。
別売りのプレフィルター(写真)を接続することもできます。
使い方はいくつも考えられますね。

流量225~660リットル/h
最大揚程0.43m
淡水・海水両用
消費電力5.3W
エビ、カニ、ザリガニなどが、飼育下ではカルシウム不足になるといいますが、どうしたらいいですか?

お店に立っておりますとよく問い合わせがあります。
甲殻類の飼育の際には、その殻を構成するカルシウムは重要な要素となります。
餌から摂取する方法が一般的です。
魚の骨やエビ、カニの殻など、できるだけカルシウムを多く含んだものを与えると良いでしょう。共食い?とも取れますが、餌の容器に表示されているカルシウム量や成分を比べてみて下さい。魚粉などという表示や成分○○パーセントなどという表示があると思います。
貝殻やサンゴ砂などを入れておくと、種類によってはそれをかじったりして摂取することもあるようです。

甲殻類に関してではありませんが、僕の後輩の話も。
彼はアフリカ湖産のシクリッドを飼育しています。アーリーやフロントーサなどは石灰質の岩肌が露呈している場所に生息していることをふまえ、カルシウムを豊富に含むカメ用飼料をおやつがわりに与えているといいます。アフリカンシクリッドに限らすオスカーにもたまに与えるようです。優しい男ですね。あくまで主食は別にあって、カメ用飼料はおやつですよ。
「左ヒラメに右カレイ」という目の偏りは、脳のねじれから始まることを、鈴木徹・東北大農学研究科教授(魚類発生学)らが突き止めたそうです。

ねじれる方向を制御する遺伝子も特定。人工飼育では目の位置が本来と逆になることも多く、養殖技術を改良する手がかりにもなりそう。

ヒラメとカレイは、誕生時は左右対称の形だが、20~40日後に目がそれぞれ左と右に偏り始め、体色も目のある側だけが黒っぽくなる。
鈴木教授らは、右目と左脳、左目と右脳をつなぐ視神経のX形の交差部で脳のわずかなゆがみが最初に生じることを発見。そこから脳全体のねじれが進み、目の位置も片方にずれていくことを確認した。

さらに、人の心臓が左側に形成される際にも働く内臓の位置決定遺伝子「pitx2」が、ヒラメやカレイでは誕生前だけでなく稚魚の段階でも再び働き、脳のねじれを調節することがわかった。遺伝子操作でカレイのpitx2の働きを妨げると、目が左に偏ったり左右対称になったりした。

人工飼育したカレイでは、目の位置が逆のものが20~30%を占めることもある。鈴木教授は「稚魚の生育環境の違いがpitx2の働きを抑えるのではないか」と話している。
木化石
「ぼっかせき」と読みます。
水草レイアウトに最適です。味わい、佇まいがイイですね。
樹木が長い年月をかけて化石になったものといわれています。

天然流木のようにアク抜きの必要もありませんし、長くレイアウトに使用できますね。
好みの形のものを見つけてくださいね。
僕の友人が関西方面に転勤することになりました。
「ぬおー!オレの外部式フィルター50Hzじゃん!向こうじゃ使えないよね?」

はい、50Hz、60Hz、必ず確認してから使用なさるようにご注意ください。

なにしろ水槽の水を抜いて→水槽をしまって(シリコン部分が乾いた状態になって)→再開するときに水もれの心配をするのはヤダ!→お前オレの水槽あずかっておいてくれ!水張って運転しておいて!

うーん、いいたいことはものすごくわかりますが・・・めちゃめちゃワガママ!
同級生ってなんでこんなに気安いんでしょう。
よし!ヤツの水槽で水草を育てよう。
もうどれがヤツの水槽かわからなくしてやる!
昨日の日記、ゼブラダニオも同様なのですが、人気種グローライトテトラもまた、メスのほうが大きいです。抱卵でお腹ははちきれんばかりになりますが、産卵させないで飼育を続けると雌雄の大きさの差はどんどん開いていってしまいます。
産卵は専用の水槽を用意します。
メスのみを収容し、抱卵確認後オスを導入する方法や、
はじめからペアのみを収容する方法があります。

オスは抱卵したメスを追尾します。オスは水草の茂みなどの産卵スポットにメスを誘い入れようとします。
身を寄せ合って産卵体勢に入ります。オスは尾ビレを使ってメスを抱きこみクルクルっと回転しながらウイローモスの茂みなどを進んでいきます。
メスの腹部が上を向いたときに放卵されるようです。
グリーンの中を2匹の赤いグローライトが回転するシーン、ぜひ観察していただきたいと思います。
「ゼブラダニオがいるのですが、何匹かがとても大きくて・・。」
というお客様。たいへん良好な飼育環境をつくっておられるようで、お話を伺っていくうちにメスの抱卵ではないかと思いました。
ゼブラダニオは生後6ヶ月を過ぎると成魚として繁殖に使えます。
メスは抱卵して腹が大きくなります。オスはスレンダーで濃紺と金のストライプが美しいものです。オスの金のラインはメスにおいては銀に見えるかもしれません。
ゼブラダニオの卵は沈性卵です。卵を産むそばから親が食べてしまうこともありますので、防止のため産卵槽にビー玉や大きな玉石を敷く方法が知られています。
卵はビー玉や玉石の間に沈むことで親から食べられなくなります。
水温25℃ほどのとき卵は2日目にふ化します。
5日目くらいからエサを食べ始めますので稚魚用飼料の準備が欠かせません。
生後1ヶ月で1cmをこえる大きさに成長させるようにします。
いよいよ導入
前回の「水をあわせていく」の続きです。
水温が同じになり、水を混ぜていくことで水質差をなくす作業をしたら
いよいよ導入です。
袋の水はなるべく水槽に入れない、ということをこころがけましょう。
エサは次の日から与え、魚のコンディションをあげていきましょう。
水をあわせていく
前回の「浮かべる」の続きです。
魚の入った袋を浮かべることで水温を同じくしたならば次に水質をあわせていきます。
袋の口をあけ、水槽の水をグラスやおちょこなどで少しずつ袋に入れていきます。
袋の口をひとつかふたつ折って口を丸くした状態のものを洗濯バサミなどで水槽のフチに固定するやり方は水温も保てておすすめです。
もちろんバケツなどにあけてエアーホースなどで点滴のように飼育水を足していく方法などもよくみられます。
元々の袋の水と、これから生活が始まる水槽の水が1:1になるようにします。
慎重な飼育スタイルのアクアリストは、ここからさらに袋の水を半分ほど捨てて、飼育水を足す作業をします。
袋をあけていきなり放流することだけは避けてください。
浮かべる
魚を購入し、さっそく持ち帰り、ビニール袋を水槽に浮かべて水温をあわせる。
熱帯魚には欠かせない作業であります。
袋を浮かべているあいだは、できれば水槽照明は消してください。
魚は明るいと袋の中でガンガン泳いでしまいます。
袋の中は、衝突などによりキズしやすく、ストレスも多い環境といえます。
導入の第一歩から最善を尽くしてむかえてあげてください。
浮かべる時間は1時間ほどです。
熱帯魚に限らず、繁殖という面から つかみなおしておきたいのがメンデルの法則です。
熱帯魚も基本的にメンデルの法則に則って遺伝子を次世代につないでいきます。
縞々のエンゼルフィッシュのペアなのに縞々ではないエンゼルがうまれるのは、
使った親が表面的には縞々でも純系の縞々ではなくてゴールデンやマーブルの血を引く個体であることを示しています。
観賞魚の改良品種には、完全に固定されていないものが少なくありません。
したがって教科書通りの結果にはならないのであります。
長い時間をかけて何代もの交配を行い、純粋な改良品種を作り出すうえでは重要な法則です。
ワイルド個体の理解と同時にしっかり把握したいところです。
まずはうまれた兄弟の中からエースというべき美しく優秀な個体を次の親としてキープするとことからはじまります。がんばりましょう!

メンデルの法則は遺伝学を誕生させるきっかけとなった法則であり、メンデルによって1865年に報告されました。優性の法則、 分離の法則、独立の法則の3つからなることは有名です。はい、ココ試験に出ます。

形質への着目
メンデルはまず、エンドウマメに背の高いものと低いものがあることに着目した。

純系の選抜
そして、背の高いものの種子のみを集め、修道院の庭で別に育てた。育ったものの高さを見て、高くなったもののみの種子を集め、さらにその翌年、それをまいた。これを数年続けることにより、必ず背の高くなるエンドウマメの種子を収穫することができるようになった。背の低いものも同様に、数年かけて選定を行い、必ず背の低くなる種子を収穫することに成功した。

優性の法則の発見
次にメンデルは、必ず背の高くなるエンドウマメの種子を育てて咲いた花のめしべに、必ず背の低くなるエンドウマメの種子の花粉を受粉させた。また、逆に背の低いものの花のめしべに、高いものの花粉を受粉させた。そして収穫された種子をまくと、すべてが背が高くなった。

分離の法則の発見
次にメンデルは、このエンドウマメを自家受粉させて得られた種子を、さらに翌年まいた。すると、背の高いものが3,背の低いものが1の割合になった。
メンデルは背の高さ以外に、エンドウマメの種子にしわのあるものとないものなど、複数の形質について同じ実験を行った。すると同じように、しわのないものとあるものを交配すると、翌年はしわのないもののみが収穫された。この種子をさらに翌年育てると、しわのないものが3、あるものが1の割合になった。同様に、種子の色が黄色のものと緑色のものを交配しても、やはり同様の結論が得られた。

独立の法則の発見
メンデルは、エンドウの背の高さやしわの有無など、複数の形質をもつもの同士をかけ合わせた。すると、それぞれの形質の遺伝の仕方に相関関係はなく、1つずつの形質について優性の法則・分離の法則が成立した。これを独立の法則と呼ぶが、メンデルの死後、ある一定の条件のもとでしか成立しないことが分かった。
貝を食べる魚として有名なアノマロクロミス・トーマシー。
お客様から「確かに貝はいなくなった」という声をいただくこともしばしばです。
「貝がいなくなったからエサを与えて育てていたら大きくなってキレイになってきたよ」
「卵を産んだよ」
というお客様も少なくありません。
トーマシーはシェラレオーネに分布するシクリッドです。近年は養殖個体が多いです。
小型ですがシクリッドですからテリトリー(縄張り)を主張することもあります。
赤、青、黄色が複雑に混じりあって美しく成長します。メタリックに輝く美しい魚になったときには、もう「貝を食べる魚」ではなく、水槽の主役になれる魅力的な魚です。
英名アフリカンピーコックシクリッドはダテじゃありません。
彼らの生息地は森林地帯を流れる小川でたいへんきれいな弱酸性の軟水です。ジュエルシクリッドやP.フミリスなどもみられるといいます。水温26℃。
水槽での飼育は特に難しいことはありません。
ショップで入手しやすい若い個体は雌雄判別が難しいのですが・・。
ペアさえそろえば人が見ている前でも産卵するほどです。
岩や流木が産卵床になることが多いです。
5cmほどの小さいメスでおよそ100個、大きなメスですと300個ほどの卵を産みます。
ぜひ繁殖に挑戦してみてください。
仕上がった個体は本当にキレイです☆
稚魚の育成はブラインシュリンプからスタートします。
だんだんと色づく
いきなり冬のような寒さで、出てきた言葉が
「秋はどこへ?」

赤でも黄色でも橙色でも1種類の色ではなくて、いろんな赤、いろんな黄色があります。
自分の色、見つけよう。見つけたつもりでももっと探そう!

色揚げ飼料、良好な水質環境、水槽を美しく演出する照明や底砂。
レッツ色揚げ!!
LT
写真はクマノミとロングテンタクルです。
ロングテンタクルは、LTなどといわれることもあるようです。

クマノミの仲間やイソギンチャクを購入の際「入るかなぁ・・?」と心配されるかたがいらっしゃいますが、通常導入初日、いや導入した瞬間にクマノミはイソギンチャクに入っていきます。
自然下でクマノミはほぼ一生をイソギンチャクとともに過ごします。
飼育下でのクマノミはイソギンチャクがないからといって生活できなくなるわけではありませんが、
クマノミのかわいいしぐさを観察するにはなくてはならないのがイソギンチャクの仲間ですね。
今日は水かえに明け暮れました。手の指紋がなくなりました。
水を張って透明感を増した水槽を見るのは気持ちの良いことです。
自己満足?いえいえ、魚も気持ちよさそうに泳いでいますよ。
いったい、何トンの水を使えば気がすむのか・・
ブレーキが壊れたかのような自分が怖いです!(なんちゃって)
下町アルバム
写真は東京都墨田区八広と葛飾区四つ木を結ぶ木根川橋(きねがわばし)です。
荒川に架かる橋であります。
すぐ近くを京成電鉄が走ります。
開放的な河川敷が広がり、堤防の上からは東墨田の工場群と遠くに東京スカイツリーの建設中の姿を見ることができます。
隅田川花火を遠くから眺める花火鑑賞の穴場でもあります。
河川敷には絶滅危惧種ヒヌマイトトンボの生息地があり、付近にはその事を示す看板が立っています。
都心の自然は意外な場所に残っているものですね。
仕事の関係で、週に何度も渡ります。
あまりにいい天気だったもので一枚。
女性ならではの感性で水槽をつくり込む
繊細な水草を植栽していく
すっきりとした配置で水景も魚も楽しむ
旦那さんの水槽、奥様の水槽、それぞれ独自のスタイル・・・。

アクアライフ2010年12月号が出ました。
特集 Women's Aquarium style 2010
女性アクアリスト大集合
12月号恒例の「マイアクアリウムスタイル」ですが、今月はなんと女性アクアリストに焦点が当てられております。13人の女性アクアリストの、個性あふれるアクアリウムスタイルをお楽しみください。

●新シリーズ
ホルスト・リンケの極上熱帯魚ストーリー

●新連載
ドワシク通信 Dwarf Cichlid Press

●すすめパロット!
パロットファイヤーシクリッドの魅力と飼育

●迫力の大型個体!
テキサス産アリゲーターガーの採集と日本への輸送

●正しい保温を!
ヒーターの安全な使い方&最新カタログ

●海水小特集
愛すべきはスズメダイ

●ピラルクー伝説・後編
ピラルクーの出現背景と化石など

イベントレポート
●世界水草レイアウトコンテスト2010 結果発表
●アジアパシフィックシュリンプコンテスト2010
●第17回 金魚日本一大会
●お台場ECO-AQUA 海の学校2010


● 銘魚拝見! ALショップレビュー
● ルー大柴リバーとトゥギャザー!
● 1種類徹底飼育講座
● 千石先生のワールド・エコツーリングノート
● 観賞魚の病気対策
● ウロコは語る
● アクアメイルボックス
● 編集部が挑戦! Go For Breed など連載多数

定価880円です。