店長日記

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ろ過材は、目の細かいものほど水をきれいにする力があります。
見た目にも粗い目のろ過マットと、1ミクロンのゴミまでもとれる高性能マットの物理的ろ過の差は歴然ですね。
そしていま仮に、1cmの大きさのろ過材と5mmの大きさのろ過材を比べた場合、水槽の立ち上がりの早さ、水の透明度はやはり細かい目のほうが上です。
さて、これを水槽に用いて魚の飼育をスタートすると、ろ過材は徐々に目詰まりしていきます。ここで問題が生じます、目詰まりの速度は目の細かいろ過材のほうがはやいのです。ろ過材は、分解作業をするバクテリアたちの生活の場であります。これが詰まると、バクテリアたちの生活に必要な水や酸素がじゅうぶんにいきわたらなくなっていきます。定期的なろ過槽の清掃が必要なのはこのためです。水道で洗ってしまうとバクテリアが流れてしまうので、水槽の水を少し取り出してその水で洗うことは広く知られるようになりました。自分の管理に見合ったろ過材選びが大切になります。細かい目のろ過材を用いたならば、粗目のものを用いる時よりこまめな清掃が必要になります。
pHを調整するもの、バクテリアの有効付着面積が広いもの、吸着効果の高いもの、いろいろなろ過材がありますので、コレ!というものに出会うことが、良好な水槽環境づくりのカギでもあります。

フルダイズフィルター。というアイテムがあります。ろ過材は非常に細かく、まるで砂のようです。これを専用のろ過槽に入れ、水流によりゆっくり動かすのです。微細なろ過材にはバクテリアが住み、生物的ろ過をします。ポンプにはストレーナーを装着し、粗ゴミはろ過槽に入れません。(もし仮にこの微細なろ過材を上部式や外部式に入れたならば、一瞬で目詰まりして、水の流通量が落ちてしまいます。)
ろ過材は、細かいほどよく取れる、しかし細かいほど目づまりしやすい、というジレンマを、微細なろ過材を水流で動かす!ということで解消したのがこのフルダイズ式です。
ワイルドディスカス、海水魚など、幅広いアクアシーンに意外と古くから用いられてきました。
管理もカンタンですし、趣味としてのアクアリウムのモチベーションがあがります。
微細なろ過材はいい感じにうごめき、水槽環境を良好にキープします。

暑い日が続きます。これだけ暑いと水槽の水温も上昇しやすいですね。
照明器具のリフトアップ、冷却ファンや水槽用クーラー、今年は大活躍ですね。
部屋のエアコンつけっぱなし!なんていうアクアリスト、少なくありません。
さて・・
エアレーションの設備、エアーポンプとエアーチューブ、そしてその先端につけるストーンやスポンジや投げ込み式ろ過器。
もし・・・、もしですよ・・、エアーポンプ周辺の気温が低かったら、冷えっ冷えだったら・・・
冷気は少しでも水槽に入り込み、ちょっとは冷えるのかなぁ・・。なんて・・。
真夏の妄想です。
でもなるべく涼しい(例えば逆流防止弁をつけて)低い位置に置くようにしたりしてみます、エアーポンプ。
お盆。東京はさすがに人が少なく、道もすいていて静かです。
夏休みで思い切って水槽の大掃除!なんていうかたが目立つのもこの時期です。
「さぁて、カミさんも実家だし、水槽やるか!」なんて・・。

今日のパパの悩み。
ディスカスの写真を撮りたいんだけど、水槽の前に立つとディスカスたちがみんなこちらを向いてワラワラとアピールしてくるため、肝心の体側面が見えない!撮れない!

別のパパの悩み。
家族はおばあちゃんちに行って、ゆっくり寝ていられる!と思っていたら
エサを催促するカメにおこされる!!うーん、よし、エサだ!
原石や溶液がアクアリウムに有効な製品として多くのアクアリストに使われています。
麦飯石とはいったい何なのか?
入れたら水がキレイになる、魚がイキイキと元気になる、悪い成分の吸着、ミネラルの溶出、いろいろな言葉が使われます。
盲目的に水かえ時に投入する魔法の薬・・・
お店でイイってすすめられた!
あの人も使っている!
という認識やウワサ、先入観は捨て、今日はちょっと麦飯石について見ていきましょう。

■麦飯石とは
麦飯石は、鉱物学的には石英斑岩、あるいは花崗斑岩に属し、アルカリ長石と石英を主成分とした鉱石です。同種の花崗岩質ペグマタイトなどと比較すると、麦飯石では長石やその他の部分が炭酸化作用を受けていることや、α線が存在するなど多くの違いが発見できます。このことは、麦飯石の鉱脈に、他と異なる特殊な環境変化があったものと考えられ、ゼオライトなどの、同じ花崗岩質ペグマタイトの仲間でありながら、それらの持つ機能をはるかに上まわる生体への好影響・高機能があるのです。

■麦飯石の歴史
麦飯石は、はじめ中国において漢方薬として利用されていました。天然薬の専門書、「本草図経第21巻」(1061年)には麦飯石の名を見つけることが出来ます。以来、麦飯石は皮膚病や鎮痛、傷口の治癒などに効果があるとされ、その効き目は高く評価されてきました。しかし、中国でも近年、精度の良い麦飯石は発見されておらず、幻の石とされてきましたが、日本の岐阜県において新たに発見され、各研究機関による科学的分析が行われた結果、多種多様の分野で利用できることが確認されました。


■麦飯石の吸着作用
麦飯石の持つ吸着作用は、物理的・化学的の二つの要素を合せ持つところに特徴があります。
ひとつは、単位重量あたりの表面積が圧倒的に広く、有害物質は多孔性内に捉えられて物理的に吸着されてしまうこと、もうひとつは多物質鉱物の特徴を活かした化学的吸着で、必要な有害物質を吸着してしまうことです。

漢方薬としての麦飯石は、皮膚病、特に化膿時の吸出し薬として、また皮膚病薬として効果の高いものとされてきました。麦飯石の吸着力の強さは、この素材が多孔性で、主成分が無水珪酸酸化アルミであることからも十分判断できます。

また、他の素材で見られるような、ある程度の吸着効果があがってもいずれその効果が急に無くなるという、いわゆる飽和状態になりにくいという性質を持っています。

■水質の調整機能
麦飯石は、水の中に入れるとその水質を調整します。水質の調整には大きく別けて3つの調整機能がありますが、麦飯石はこの3つの調整機能を単体で行うことがてきます。


【1】クラスターの調整機能が働きます
液体の水は、H2Oという単一分子がばらばらに存在しているのではなく、水分子の間に働く水素結合の力によって分子集団(クラスター)を構成しています。各方面でおいしい水と言われるミネラルウォーターは、クラスターが比較的小さく、水道水などは大きいと言われています。

麦飯石は、マグネシウムイオンやカルシウムイオンなどとイオン交換するばかりでなく、遠赤外線の存在による電磁波やα線の影響によってクラスターの大きさを最適の状態に調整する機能を持っています。


【2】PHを調整する緩衝作用(中和作用)
麦飯石は水などのPHを調整します。
これは極端な酸性水やアルカリ水を別として、水質中の成分により、例えば鉄など多すぎる場合は吸着し、少ない場合は溶出することによってPHを調節し緩衝する働きです。


【3】 ミネラルを溶出する
麦飯石の成分中には、飼育環境に必要な微量元素(ミネラル)がバランス良く含まれています。
しかも、融合する水質中のミネラル濃度を感知し、過剰ミネラルの吸着と不足ミネラルの溶出を相互に行うことによって、ミネラルバランスを調節する機能を持っています。

ミネラルは、動植物の生物学的に活性な化合物(酸素・ビタミン・ホルモン等)の成分となり、化合物の合成・作用機構に大きく影響します。
また、天然の多元素ミネラルのもとでは、物質代謝が活発に行われることから麦飯石の作用は生体に好影響を与えます。

■炭酸化作用
麦飯石を希塩酸に投入すると、他の石では見られない多量の泡が発生します。これは麦飯石に含まれる斑晶長石の一部が方解石(CaCO3)に変質していることが原因で、炭酸化作用が行われたことが認められます。長石では通常見られないこの炭酸化作用はかつて麦飯石の鉱脈の地下で鉱泉が湧き出し滲透したことによってこのような炭酸化が行われたと考えられています。



■超多孔性鉱物である
麦飯石を500メッシュ以上の微粉末にしてその一粒を電子顕微鏡で観察すると、さんご礁か海綿のように非常に多孔性であることがわかります。麦飯石をこのような微粉末にするには、水とともに砥石で研磨していきますが、それでも多気孔性という性質は維持され続けています。
なお麦飯石の1gにおける表面積は数百平方メートルにも達すると推定され、吸着作用の強さが他の類似した素材と比較しても大きいということは容易に判断できます。

■希に見る多物質の鉱石である
麦飯石を粉末エックス線回析法でその成分を分析すると、25,000種類以上の成分によって構成されていることが確認できます。特に他の石に見られない特徴として麦飯石は、珪酸を主成分として多数の成分がバランス良く含まれた多物質鉱物であることが言えます。
中でも、鉛・カドミウム・ヒ素などは生体にとって必要な元素ですが、また多量にあると有害な成分です。これが麦飯石では偏って多量に含まれることがなく、生体に有益な量だけがいわゆるミネラル(微量元素)として存在しています。


■遠赤外線の存在
麦飯石の分析では、水質を変化させる電磁波としてよく知られる遠赤外線の存在も確認されています。

よくある質問
麦飯石って何ですか?

麦飯石は岐阜県の一部の鉱脈で採れる花崗斑岩(かこうはんがん)の一種です。
水と触れる事によってミネラルを溶出し、また一方で有害物を吸着する作用があります。
この性質を利用して水に関係する色々な分野で採用されています。


どのような効果がありますか?
1.水をきれいにする効果
麦飯石が溶出する各種ミネラルの働きにより、水質の悪化を防ぎ鮮度を保ちます。
2.魚や水草を元気にする効果
水槽内の限られた環境の中で多種多様の成分に反応し、多すぎる不純物は吸着し足りないミネラルは溶出する効果があります。常に水槽の中のミネラルバランスを保ち、清流の湧き水のような環境を作り出します。その結果、魚や水草が元気になるのです。


薬品(魚の治療薬)と併用してもいいですか?
薬品(魚の治療薬)との併用はしないでください。成分を吸着し薬品本来の効果が得られない場合があります。


カルキを抜く事は出来ますか?
カルキを吸着する性質はありますが、市販されているカルキ抜き剤と同等の効果は得られませんので、魚・水草の安全を考え、カルキ抜き剤を併用してください。


他社商品と併用してもいいですか?
特に問題はありません。


飲み水に利用してもいいですか?
観賞魚用製品となっておりますので、ご利用しないでください。飲料用には(麦飯石ミネラルカートリッジ)をご利用ください。


海水魚にも使用できますか?
ご使用いただいても問題はありません。ただし液体タイプの商品(麦飯石濃縮液・麦飯石濃縮液プレミアム)は入れすぎると比重が変化する場合がありますので、規定量を守ってご利用ください。


麦飯石濃縮液を利用して7~8時間経過したのに、ニゴリが取れないのはどうしてですか?
考えられる原因として、ろ過装置やバクテリアに問題があると思われます。
1.ろ過装置がない場合
麦飯石濃縮液に含まれる微粒子パウダーの引っかかる場所がなく、水槽内に舞っている状態が考えられますが魚や水草には影響はありません。もう少し時間をかけて沈殿するまで待っていただくか、ろ過装置を利用することをお薦めします。

2.ろ過装置が付いているのにニゴリが取れない場合
水槽の初期セット、水換えなど行いませんでしたか?
バクテリアの減少により麦飯石濃縮液だけでは、補いきれない水質の不安定が原因と考えられます。
物理ろ過を行う麦飯石に対し、生物ろ過を行うバクテリアの減少が考えられます。
バクテリアが安定してくれば、この問題はなくなります。
月刊誌からは多くの情報が得られると同時に、
飼育のモチベーションを上げたり
新しいチャレンジへの意欲がわいたり
新しいアイデアが浮かんだりしますね。毎月の楽しみとされると良いと思います。

アクアライフ2010年9月号が出ました。

特集 特選!
本当に使える水草 80+α
ここ数年で発表された水草の中から、見かける頻度の高いものを優先して掲載。プロショップが制作したレイアウト例も併せて多数紹介し、参考になることうけ合いです!
●主な内容
■前景草カタログ&レイアウト
■活着性の水草カタログ&レイアウト
■後景草カタログ&レイアウト
■普通の水槽を水草水槽へリフォーム!
■水草とエビの関係


●デカくてカッコいい
ガーパイクの仲間 その1 レピソステウス属

●踊る大アフリカ河川
テトラを飼育せよ!

●最新カタログ&レビュー
LEDライトで輝くレイアウトを作ってみた!

●日本の自然で遊ぼう
水生昆虫を求めて

●ニューフェイス登場!
最新 熱帯性渓流魚入門

●日本の自然で遊ぼう
水生昆虫を求めて

●海水魚小特集
カテゴリー別 ハゼへのアプローチ

イベントレポート
●TBCインターナショナルベタコンテストinタイ

フィールドレポート
●ハイコ・ブレハーのアマゾンレポート
新しいディスカスを発見!


●銘魚拝見! ALショップレビュー
●ルー大柴リバーとトゥギャザー!
●1種類徹底飼育講座
●千石先生のワールド・エコツーリングノート
●観賞魚の病気対策
●ウロコは語る
●アクアメイルボックス
●編集部が挑戦! Go For Breed など連載多数 !

フィッシュマガジン2010年9月号も出ました。

【 総 特 集 】
人気の秘密を探る
ポリプテルス&ガーパイク

ポリプテルスにガーパイク、今やいわずと知れた人気種である。「古代魚」というカテゴリーの中でもその人気はトップクラス。昔は「手が届かない存在」であった彼らだが、現在では流通量が増え、多くの人が飼育を楽しめるようになっている。そうした今だからこそ、改めて彼らの魅力に触れ、古代から生き抜いてきた彼らを飼育できる喜びを感じていただければと思う。

▼この魅力溢れる古代魚の歴史を振り返る

▼2大人気古代魚、ココに集合!
 ポリプテルスの仲間たち。
 ガーパイクの仲間たち。

▼33歳のロングノーズ・ガー

▼教えて! 飼育の基本とトラブルQ&A

▼ポリプテルス水槽内繁殖の概要

▼マニア探訪!
 「大型ポリプ飼育の醍醐味」
 「目指すは太く大きな個体!」
 「ポリプテルスの尽きない魅力!」
 「ガーの成長と変化を楽しむ」
 「ガー飼育を前提に自宅を設計!!」



【 特 別 企 画 】

■水槽部屋作成の手引き

■第1回 ディスカスコンテスト&メモリアルブルー品評会レポート

■セミナーへの招待~全てのアクアはアマゾンに通ず~
連載
【 For Fresh Water Fun 】

■Small Fish World
「ベタ・シンプレックス」

■再発見! 魅力の熱帯魚たち
「ティラピア・スニデラエ」

■泰國魚漫遊
「熱帯スイレンが咲き乱れるタレー・ノイの湿原に生息する
ドワーフ・ラスボラ」

■日本水風景巡り 淡水魚を求めて
「サロマ湖~濤沸湖」

■簡単! 楽しい!
 グッピー講座

■Study Water Plants
「ミソハギ科の水草」

■渋魚、珍魚探訪!
 温帯域の魚たち

■今月の注目魚

■水草面白談義


【 For Salt Water Fun 】

■MARINE SCOPE
「ヨスジフエダイ」


【 Reptikes & Amphibians 】

■両生類爬虫類飼育指南
「パンサーカメレオン」

■HERPS IN THE WILD
「ヤシレタのキイロアナコンダ」

■日本産爬虫類・両生類魅力再考
「ナミエガエル」
金魚の故郷は中国といわれております。
いくつかの古い文献によれば、3世紀のはじめ、晋の時代に中国南部地方で金魚の原種と思われる魚が見られたとされています。
10世紀の北宋時代には、宮廷で観賞されるようになり、熱心に金魚を飼育する皇帝もあらわれ、南宋時代には金魚飼育や販売を生業とする者もいたようです。
世界初の金魚の飼育書「硃砂魚譜」が発行されたのは1596年のことです。

金魚の日本への伝来時期は、はっきりとしていないようですが、1748年に刊行された日本初の金魚の飼育手引書「金魚養玩草」(安達喜之著)によれば、1502年 現在の大阪堺市に入ってきたとされています。
当時の日本は室町時代末期の戦乱の世、心を癒す金魚の存在が求められたのだと思いますが、広く一般に普及するまでには至りませんでした。
江戸時代に入り世の中が落ち着きを取り戻すと、一部の大名や豪商などの特権階級の間で金魚飼育が行われるようになりました。
江戸中期以降、金魚養殖も盛んになり、それとともに金魚の価格も求めやすいものとなり、庶民でも背伸びをすれば金魚を手に入れることができるようになりました。
また、オランダ商人を通じてガラスの製造技術が伝えられ、ガラスの金魚鉢も作られていたようです。浮世絵や錦絵などには、ガラス玉の中に泳ぐ金魚の姿が描かれていますね。

江戸時代、江戸での金魚養殖は不忍池付近が発祥の地といわれており、入谷や根津あたりでも行われていたようです。明治に入って本所や深川あたりに移り、その後亀戸や大島、砂町あたりに移動してきました。
明治30年、東京金魚商組合が60の生産者及び卸業者によって設立されました。その頃、
平井に6軒、小松川に1軒の金魚生産者が移転してきたのが江戸川区における金魚養殖のはじまりのようです。
明治22年の統計には、葛西、小松川、篠崎、小岩、平井などが金魚養殖生産地にみられます。
江戸川区内での金魚養殖が盛んになったのは、大正12年の関東大震災以降のことです。

関東大震災後、金魚の需要の増大とともに、小売業者が市街地に次々と誕生しました。それにともない、卸売業者が求められるようになり、養殖業者の中には卸売業者に転換したものもいたようです。また兼業農家で養殖業を営んでいた業者の中には繁忙期が農繁期と重なることから養殖専業になるものが多数みられました。
砂町あたりは、今のように工業が林立する前は池沼が多く、金魚だけでなく鯉や鰻の養殖が盛んに行われていました。
次第に大工場が建設されるようになり、池沼は埋め立てられ、良水の確保も困難となり、養殖業者は江戸川区方面に移ってきました。大正末から昭和はじめ頃が江戸川区に金魚養殖家が一番集中した時といえます。
江戸川区は現在でも金魚のまちであり、公立の小学校には必ずといいっていいほど金魚の泳ぐ水槽や池が設置されています。
2010年10月お台場海浜公園に~世界最大熱帯水族館~お台場ECO-AQUA【海の学校2010】がやってくる!世界の熱帯魚たちそしてプロ観賞魚のプロたちがお台場に一同に集結!更には水槽と音楽の融合【海のステージライブ】やアクアリストNo.1ガチレアウトバトルなどイベント満載です!

詳しくはこちら・・
http://www.eco-aqua.jp/index.html

お台場ECO-AQUA 海の学校2010

日時  
2010年 10月1日(金)・2日(土) 10:00~19:00
 
        10月3日(日)9:00~18:00
 
場所  
お台場海浜公園 及び お台場ビーチ 周辺エリア
 
主催  
お台場ECO-AQUA 海の学校2010実行委員会
 
後援  
日本観賞魚振興事業共同組合/農林水産省/水産庁
 
協力  
日本ビーチ文化振興協会
 
特別協力  
港区立港陽小学校PTA会/NPO法人海辺つくり研究会
魚に癒される、
水草に癒される、
水槽のある空間に癒される、
世の中癒されたい人がたくさんいらっしゃいます。
まずは人間サイドが、生き物たちを癒す環境を整えるのが先です。
癒されるのはそれからなんですね。

夏休みのあいだは、水かえの際、捨てる水を少なくするかわりに作業の回数を増やす私です。
熱帯魚や金魚のえさを別の容器に移しかえるかたがいるようですね。
観賞魚のエサは・・・
粗タンパク、粗脂肪の吸収を良くするためビタミンなども入っています。(入っているのが良いえさですよね。)
そしてその容器は光線を通さず、ビタミンの破壊や品質の劣化を防いでいます。
湿気にも対応した容器を作るメーカーもあるくらいです。
それをわざわざ、空いたコーヒーやジャムの透明なガラス容器に移しかえなくても・・・
与えやすくなるのででしょうけれども、魚たちはちっともうれしくないんですねぇ・・。

酸化してしまったエサを魚が食べることを よしとしない姿勢、大事です。
先週ようやく入荷してきたヤマトヌマエビ。落ち着いて活発になってきました。
通常入荷するものよりひと回り大きいですね。
取り扱うヤマトヌマエビは宮崎県からやってきます。

記録的な大雨で、採取困難(不可能)だったことは容易に想像できます。

ヤマトヌマエビは普段、川の上流で生活しています。
大雨のあいだ、いったいどのように避難していたのか、たいへん気になるところです。
多くのアクアリウムのコケ対策にまた力を発揮することでしょう。
スウェーデンの生物学者リンネ(Carolus Linnaeus 1707-1778)が創始した
生物の分類系で現在の分類学の基礎となっています。上位より、
界(かい:Kingdom)
門(もん:Phylum)
綱(こう:Class)
目(もく:Order)
科(か:Family)
属(ぞく:Genus)
種(しゅ:Species)
の7階級が基本となり、さらにこの間に様々な階級が細分化されています。

例えばメダカは・・
動物界脊椎動物門(魚類上綱)硬骨魚類網ダツ目(メダカ亜目)メダカ科メダカ属・・・というふうに。
辞書的な意味は、
メダカ(目高、Oryzias latipes)は、ダツ目 メダカ科に属する魚。体長 4 cm 程の淡水魚。学名の Oryzias latipes は『稲の周りにいる足(ヒレ)の広い魚』。
・・・ということになります。学名はラテン語で、斜字であらわされます。
お店では、お客様の水槽の水質検査を実施することがあります。
お客様には、ご自宅の水槽の水をお持ちいただき、私どもが各項目を測定していきます。水質管理の本場ドイツを視察した際、現地のプロショップが実施していたものを真似て、はじめたサービスです。ドイツではお店に行列ができるほどでした。ドイツの水は、日本と比べてpHも硬度も高いため、管理にはみなさん敏感です。対処法やアドバイスを受け、器具やノウハウを仕入れ、自宅に戻る様子を見ていて衝撃を受けたのです。
水道水に塩素中和剤と水質調整剤を入れるだけの水づくり、
バクテリア頼りの管理、
ろ過器頼りの管理、
飼育者の「カン」による管理がまだまだ見られる日本は遅れている!と感じて、10年ほど前からはじめたものです。
また、化学の実験のような試薬や化学式に拒絶反応が出てしまうかたも少なくありませんね。ならば!ということです。

(お店では、平日の比較的ゆっくりした時間にサービスさせていただいております。申し訳ありませんが、バタバタしている週末はご遠慮いただいております・・。)

わざわざお店に水を持ってきてくださるお客様の飼育水は、よく管理されていて比較的良好なことが多いのですが、先日久しぶりに見ました、「亜硝酸地獄」。
すべての魚にとってきわめて危険な領域です。
今回のお客様は、突然バタバタと魚が死に至り、当店に水をお持ちいただきました。知り合いに外部式フィルターの清掃をしてもらった際、中のろ過材を水道水できれいに洗ってしまったとのことでした・・・。

危険なレンジの亜硝酸値を見たならば・・
水を交換する、
ろ過材の手入れ、
バクテリアの追加など、原因究明と原因の除去作業や、
継続的な亜硝酸値の測定
など、すみやかな処置が必要です。
今回のこのお客様は、あわてて亜硝酸試薬をお求めになられました。
油断大敵です。もうこれからは、ひとりで亜硝酸値を把握できることでしょう。

また、別のお客様に 3種類の水をお持ちいただきました。
ひとつは「水かえ前の水」
2つめは「水かえ用に用意した新水」
3つめは「水かえ後の水」です。
ここでは、水かえ作業によって、水槽内で何がおこったのか、を知ることができますね。こちらはきちんと亜硝酸値や硝酸塩値は下がっていることがわかりました。
さあ、みなさん!がんばりましょう!
魚類には黒色素胞(メラノフォア)、赤色素胞(エリスロフォア)、黄色素胞(キサントフォア)、白色素胞(ロイコフォア)、虹色素胞(イリドフォア)の5種類の色素胞があることが知られています。

ヒメダカ
遺伝子型ではbbRRと表されます。BBRRが野生のメダカの体色です。
野生のメダカの体色から黒色素胞(メラノフォア)が欠如したことでオレンジ色の体色となっています。

白メダカ
黒色素胞(メラノフォア)、黄色素胞(キサントフォア)、両方が欠如したものが白メダカです。

青メダカ
野生のメダカから黄色素胞(キサントフォア)が欠如した遺伝子型を持ちます。青みがかって見える改良品種です。


色揚げ用のエサはアスタキサンチン含有量が多いです。魚の赤を美しくします。
ヒメダカに与えるとオレンジ色を鮮やかにすることができます。
ヒメダカは赤色素胞(エリスロフォア)を持たないので赤色がきれいになるのではなく、黄色素胞にエサが効果的に働くわけです。
繁殖について
メダカの繁殖を観察するには横から観察できる水槽が適しています。上からしか見えない池や容器、野外(フィールド)では観察しにくいでしょう。
水槽で良好な状態で飼育を続けていくと繁殖に至ります。
保温設備を用意して水温をコントロールする愛好家も多いのですが、保温設備がない場合でも、春になり水温が上昇し、日照時間が長くなると、それが刺激になります。
メダカ繁殖について、飼育者の意見はたいへん多く、
「オスとメスの比率は1対2が良い!」
「産卵は早朝に行われるから産卵期は水槽を新聞紙で隠し日照時間をコントロールする!自分で新聞紙をはずしたときが朝で、産卵を観察する!」
など熱い議論が絶えません。
オスとメスの比率ですが、水槽の大きさにもよると思います。幅60cm以上の大きい水槽ならば1対2(例えばオス10匹、メス20匹など)でも良いと思います。
小型水槽の場合はこの限りではありません。繁殖は雌雄一対一で行いますから健康なオスとメスがいれば繁殖行動は観察できます。
産卵行動はオスがメスを追尾するところから始まります。
オスは抱卵したメス(腹部の丸みが増しています)の前でクルリと回転するように泳ぎ、ヒレを広げディスプレイします。ヒレを広げてメスの行く手を遮るような仕草が観察できます。
求愛に応じたメスは泳ぎを弱めます。
受け入れられたオスは、メスを抱きかかえるようにして産卵行動に入ります。
メスが卵を産む瞬間、オスは背ビレと尻ビレを使いメスの体の後半部を抱くようにします。
メスは卵を産み出し、オスが放精することによって受精が完了します。
産卵時間は15~25秒です。
メスは卵をもったまま泳いでいますが、しばらくすると水草などに卵をくっつけていきます。
卵は房状になっていて、粘着糸によって水草などにからみつくのです。
水温によって孵化までの日数は異なります。
水温18℃のとき20日、
水温25℃のとき10日、
水温30℃のとき8日ほどでふ化します。産まれた卵の一部がまずふ化し、翌日多くの仔魚がふ化するイメージで臨むと良いでしょう。
親メダカは卵や稚魚を食べてしまいますので、
卵はくっついている水草ごと、その水ごと、別容器に移し、孵化を待ちます。
孵化した稚魚(体長4~5mm)は、はじめ腹部に卵黄があります。卵黄を吸収し、自由遊泳に入ったら稚魚用のエサを与えていきます。卵黄の吸収には2日ほどかかります。
成長は非常に早く、3~4ヶ月も経過すれば産卵可能な大きさになります。
卵や稚魚が吸い込まれないような構造のろ過器、エサを与えるためのピペット、粉末状の稚魚用飼料などは欠かせないアイテムとなります。
メダカの飼育
メダカたちの命は100パーセント、人の手にゆだねられています。どうしたらメダカが幸せに暮らせるかを考えるのは人間の役割になります。
メダカにとっての幸せとは命の維持・発展が妨げられない環境で生活することであります。
メダカが成長し、繁殖し、世代交代をする瞬間を、バーチャルの世界ではなく
目の前で観察・体験することで生命の尊さ、その舞台となる自然の本質について考えることができるのがメダカ飼育水槽であります。
実際に飼育するにあたって、
この飼育方法は正しいのか、もっと良い方法はないのか、などいつもメダカのことを考えてあげることはたいへん重要です。
一日のうち、朝と夕方、夜中とで水温変化が大きい置場所、直射日光が当たり水温が上昇する場所、開閉の多いドア付近などはメダカにとって生活しにくい場所になります。

メダカに側線なし。
体側線は、魚の感覚器官といわれています。魚は側線で音や振動を感じています。
しかしメダカには側線がありません。そのかわり、目のまわりと頭の上のほうに点状の器官があって、そこで音や振動を感じています。メダカ飼育はメダカたちが静かに暮らせる場所選びから始まります。

メダカの水槽を「見ること」と「観察すること」とはたいへん大きなちがいがあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、メダカにとって住みやすい水であるかどうかなど、チェックする項目はたくさんあります。
メダカの姿、泳ぎ方、エサの食べ方、体のハリ・ツヤなどからメダカのコンディションを把握し、どのように管理していくかを決めていきましょう。
飼育・管理において一番大きなウェートを占めるのは「エサやり」と「水かえ」です。

どんなエサを与えるか?
配合飼料
容器に入って市販されている「メダカのエサ」はたいへん手軽で、メダカの主食になりえます。配合飼料の性能は年々高くなっており、健康なメダカづくりには欠かせないエサであります。摂取量に対してフンが少ないエサがより優秀なエサといえます。それだけ血となり、肉となった証拠であります。水を汚さないということを売りにしたエサも多く見かけます。与えたときにメダカたちが飛んできて喜んで食べるエサを探してあげましょう。
冷凍飼料
冷凍ミジンコ、冷凍赤虫、冷凍ブラインシュリンプ、冷凍コペポーダ、冷凍ワムシ、冷凍ブラインシュリンプなどがあります。いずれも冷凍庫で保存ができ、手軽に与えられるうえ、嗜好性も高いです。メニューに加えることで、メダカがより多くの栄養素を摂取でき、なんでも食べる強く健康な個体に育ちます。
フリーズドライ飼料
赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプ、イトミミズなどがフリーズドライ加工されて容器に入って市販されています。フリーズドライ飼料は水に浮きやすいため、メダカたちにとっては食べるのに好都合といえます。
活きエサ
イトミミズ、赤虫、ミジンコ、ブラインシュリンプなど、生きたまま与えます。
嗜好性は高いですが、病原菌を水槽に持ち込んでしまうリスクがあります。活きエサを入手するときにどういう経路をたどってきたかを調べられるとよいでしょう。

どのくらい与えるか?
与えたエサはすべてメダカの口に入るのが理想です。
水槽の底にエサが沈んだまま
与えたエサがろ過器(フィルター)に吸い込まれている
などといった状況は水質悪化に直結します。水槽内に残ったエサは、水槽の水をどんどんメダカが生活しにくい水にしてしまいます。
まずは少量のエサを投与します。みている内にエサがなくなるのが理想です。メダカはコンディションが良ければ活発にエサを食べますし、具合が悪ければほとんどエサを食べません。エサ食いは体調を知る目安になるのです。
水温も大きく関係しています。

メダカの体温
メダカは言うまでもなく魚類で変温動物です。人間のように決まった体温を持ちません。生活している水の温度がそのまま体温になります。
メダカの場合は季節によって、あるいは一日のうちでも体温に変化があることになります。
水温が高ければ代謝は活発でより多くのエサを摂取しなければなりません。
水槽飼育においては「エサは毎日このスプーンにこのくらい」などと決めつけずに、毎回観察しながら与えていきましょう。極端な例を挙げれば、冬、氷が張るような状況でメダカはエサを食べません。
春から初秋にかけては水温も高めですので1日に2~3回、食べ残さない量を与えます。

水かえ
水槽や池などの飼育環境は「閉ざされた・限られた空間」です。
毎日エサを与えメダカを飼育していくと、飼育水はメダカが生活しにくいものになっていくのです。
水質データをもとにしますと
pHが下がってくる(あるいはpHが急変する)
アンモニア、アンモニウム値が増える
亜硝酸値が増える
などはメダカの命に関わる項目です。こうなる前に行わなくてはいけないのが「水かえ」作業です。全体の三分の一ないし半分の水を捨て、新しい水を注入するのです。
悪い水を捨てて、良い水を入れ、飼育環境全体を良好にキープするのが目的です。
ポイント
用意する新しい水は、飼育水槽の水温と同じにすること。
「同じくらい」はダメです。水温計で確認が必要です。
水槽の水温と異なる温度の水を入れると
水槽の水温が変わるので、メダカの体温が変わってしまいます。
目には見えませんがバクテリアが死亡するので飼育水はメダカが生活しにくいものになってしまいます。
我々人間も、体温が34度だったり38度だったりしては普通の生活がおくれないように水温はきわめて重要なポイントです。
水温が変わりやすい置場所の設置は避けなくてはなりませんし、気温・水温が変化する季節の変わり目も注意が必要です。

どのくらいの周期で水かえを実施するか?
もっとも一般的な目安とされるのが「一週間に一回」です。
あくまで目安です。
同じ大きさの水槽がふたつあったとします。ひとつには10匹のメダカが、もう一方の水槽には30匹のメダカが収容されているとしたならば、当然水の劣化、悪化の速度は変わってきます。
メダカは新しい水で飼育してあげたいものです。キビキビと泳いで元気にエサを食べます。
古い水だと泳ぎの「キレ」が鈍り、エサの摂取量も低下しやすいのです。病気になりやすいのも酸性化した古い水や汚れた環境です。
メダカたちにいつも同じ水質や環境を提供するために必要な作業が定期的な水かえです。
水かえ前と水かえ後の環境がちがい過ぎてもいけませんので、水かえはさぼれません。
どのくらいの周期で水かえを実施するかは管理者が最適なレンジを探ってあげなくてはなりません。1日おきがいいのか、水曜・日曜と週2回がいいのかは、飼育者が観察し、実施して決定していくことです。

続く
メダカのデータ
体長 3.5cmから4cm
分布 本州 四国 九州 琉球列島 北海道にも移入されています。
寿命 自然では1~2年、飼育水槽では3年ほどです。
卵の数 1回に自然では10~20個、飼育水槽では20~30個。
3月下旬~9月下旬までが産卵期。
日照13時間前後、水温15℃以上が産卵の条件です。

オスメスの割合 自然のメダカの群れはおよそ8割がメス

雌雄の見分け方
成魚のオス 尻ビレが大きく平行四辺形に近い形。メスを尻ビレで包み込むようにして産卵を促すという生態に関係しているので、メスより尻ビレが大きい。
背ビレの後方(基部)にキレ込みが入る。
メス 背ビレにキレ込みは入らない。尻ビレはオスに比べて小さく台形に近い形。


地域ごとにメダカの形質に特徴があります。遺伝的な研究がすすみいくつかの型に分けられるようになりました。
南日本集団東日本型 関東地方でもみられるクロメダカ
北日本集団 下北半島から日本海に沿って丹後半島周辺まで分布。大型で鱗が網目状にはっきりみえる
南日本集団山陰型 中国地方から北側、丹後半島以西の本州、隠岐に分布。瀬戸内型とは遺伝子型が異なる
南日本集団瀬戸内型 瀬戸内海をはさむ本州、四国、九州に分布
南日本集団北部九州型 九州北部と対馬、壱岐、五島列島にかけて分布
南日本集団有明型 有明海に接する長崎県から熊本県にかけて分布
南日本集団薩摩型 九州南西部、薩摩半島を中心に分布。細身の体形でやや大型。
南日本集団大隈型 九州南東部、大隈半島周辺に分布
南日本集団琉球型 琉球列島にのみ生息する型。オスの体高が高めで、体形はやや寸詰まり。

飼育においては、種の保存ということをふまえてむやみな交配は避けるべきです。
1種類を徹底的に飼育し、血統まるごと管理するくらいの気持ちで臨みましょう。
人間の手で、野外に魚を放流することはあってはなりません。
一度、人間の手の中に入った個体を野外に放ってはいけないということです。

続く
先日、東京・江東区の東大島文化センターで行われた「メダカの世界」という催し物に講師として招かれ、みなさまにメダカについてお話をする機会がありました。
様々な質問を多く受け付けましたが、今日はメダカについて見ていきましょう。

東京で暮らす私たちがメダカに接するには、大きくふたつの道があります。
ひとつは自然(フィールド)に出かけて、野生に暮らすメダカを観察すること、
もうひとつは家庭に水槽を設置してメダカを飼育することです。
自然環境で生活するメダカと水槽環境で飼育されるメダカ、共通する部分と、分けて考えなくてはならない部分がありますので、今回はこのふたつの面からメダカの世界をのぞいてみましょう。

現在、自然の中でメダカを探すのは意外とたいへんなことです。
田舎に出かけて地元の人に「あの川にメダカがいるよ!」と聞いて出かけても、実際は別の川魚の幼魚であることも少なくありません。
日本でメダカが生活できる場所はたいへん少なくなってきているのです。
メダカが住んでいるのは川、池、沼、用水路、田んぼなどです。春から秋にかけてのあたたかい季節には流れのゆるやかな浅瀬があるような場所の水面に、群れを作って暮らしています。冬になると川底の落ち葉の下、岩や流木の陰などにかくれて暮らします。
流れのはやい場所にはいません。ゆるやかな流れに対して全員が頭を向けて群れで泳ぎます。
メダカはそこで何を食べているのか?
メダカの食べ物となるのは
緑藻類 アオミドロ、ミカヅキモ、ボルボックス
原生動物 ミジンコ、ゾウリムシ、ケンミジンコ、イトミミズ、アカムシ、ボウフラなど
水面に浮かんだエサを食べることが多いようです。
水槽飼育の場合、多くは市販されているメダカのエサ(配合飼料)ミジンコなどです。
飼育下でなれた個体は水底のエサも食べる様子が観察できます。

こうした緑藻類、原生動物、プランクトンは河川の開発とともに減少します。
生息環境の開発や悪化によりメダカの野生個体は減少傾向にあり、1998年には環境省のレッドデータブックに掲載されました。日本で絶滅のおそれのある野生動物であるというリストに載ってしまった、ということです。
メダカは何に食べられるのか?
メダカが生活している場所にはほかの生き物も多く生活しています。自然界ではメダカをエサとする生き物も多く知られています。
メダカを食べる生き物
ヤゴ、タガメ、ゲンコロウ、タイコウチなどの水棲昆虫、
サギなどの鳥、
アメリカザリガニやブラックバスなどの外来生物です。

飼育下では水槽にフタをする場合が一般的ですが、屋外のスイレン鉢や池などでは猫、カラスなどには注意が必要です。防止のため容器にアミをしている管理者も見かけます。残念なことにメダカや水草、場合によっては飼育容器を持ち去る泥棒被害も毎年耳にいたします。

続く
「いぬのきもち」や「ねこのきもち」「馬のきもち」という言葉があります。
「さかなのきもち」はどうでしょう???
ガラスの中、水槽や池の中、直接触れ合うことができない魚は、一般的に犬や猫よりも軽視され、その命を軽く見られがちな面があります。
さかなのきもちを理解するためには
一に「観察」
ニに「実行」です。
三は再び観察で、四はその結果の考察です。

魚の命は飼育者の手にゆだねられております。ほぼ100パーセント・・。
連日の猛暑日で、水温上昇対策の問い合わせが増加しております。
冷却ファン、クーラー、水温計、器具のチェックもお忘れなく。
水槽をのぞきこむ。
興味を持って魚を観察する。愛情をもって管理をする。
そうしていくうちに、ガラスを通過して、水槽の中へ引き込まれるような感触に出会うのです。
ガラスを隔てているはずの魚と人間が、人間世界でもなく、魚世界でもない共通の空間にいるような感覚になるのです。
魚の魅力にとりつかれた人の魚へのエネルギーはものすごいものがあります。
新しい恋が始まった高校生の数十倍数百倍の力が発生します。
人から魚に向かうベクトルの矢印はとっても大きいのです。
さあ、次は魚から人間に向かっている矢印を感じ、受け止めてあげなくてはいけません。
この感覚は、人がステップアップするごとに出会うアクアの醍醐味であります。
小さな水槽でも、水族館でも、川の水面でも、池でも、湖でも、海でも、水面・ガラス面を通り越した向こう側にある世界を、どうか体験してみてください。
いや~観賞魚って、本当にイイものですね!
金魚のことを記した書物はたくさんあります。金魚500年の歴史に残る偉大な先生方の足跡、秘伝は趣味の枠組みを超越した研究対象でありますから、敬意を表し真剣にうけとめましょう。当コラムでは、金魚販売の現場において実際によく受ける相談や質問、そこから発生する考察をスペースの許す限りナビゲーションしていきたいとおもいます。

■金魚すくいのこと
お客様からいただく質問の中でいちばん多いのは金魚すくいの金魚が長生きしないということです。確かに持ち帰った金魚すべてを生かすのは難しいと思われます。彼等は流通の過程においてショップで販売される魚のような扱いをされていないのが現状です。浅く張られた水に過密に詰め込まれ、紙やモナカ(ポイといいます)で追いかけられ、酸素も入れてもらえず運ばれてしまうのです。持ち帰られてもセットしたての不安定な環境や、異なる水温異なるphに入れられては‥‥彼等が生活するには過酷な1日であります。通常、魚を飼育するにあたって、あらかじめ用意した水槽に水合わせをして導入することと比べていただきたいのです。金魚すくいには受け入れる水槽をセットしてからでかけましょう。縁日の和金と10年つきあう人も少なくないのです。

■購入時の金魚の選びかた
金魚、ディスカス、アロワナ、フラワーホーンを筆頭に魚の第一印象はきわめて重要です。購入のときのみならず、品評会、コンテストにおいても大きなポイントとなるところです。長いつきあいになるので気に入った個体を入手してほしいのです。ショップの店員さんに『元気そうな子を』とお願いしてもよいと思いますが、もうワンステップアップして自分で選択した個体をすくってもらうとよいでしょう。元気に泳いでいるか、ヒレや体にキズやいたみはないか、眼球、エラは正常か、体型はどうか、更紗(赤と白の織りなす模様を更紗といいます)や三色の場合は、模様の入り方が好みか、などをポイントとすると良いとおもいます。なるべく多くの魚を見て、見る目を養うと将来性について推測する楽しみもでてきますし、コンテスト出展などにも夢が膨らむでしょう。

■エサのこと
現在では多くのメーカーから良質のエサがリリースされています。何種類か用意してローテーションを組んで与えると良いでしょう。1種類だけのエサで育った魚と、数種類のエサを食べて育った魚を比べると発色、太り具合、ツヤなどの面でやはり差が出てきます。1種類のエサのみを与えることによって、赤色であった金魚が白くなってしまったり、成長不良をきたしたりすることもあります。また、金魚はグルメな面も持ち合わせており、開封直後のエサは食いつきが良いのです。何でも喜んで食べさせるためにも、数種のエサは用意してほしいところです。ペレット、フレーク、冷凍、フリーズドライ、赤虫、イトミミズ、水草など、食べる様子を観察してほしいとおもいます。

与え方について。購入したエサの説明を見ると『数分で食べきる量を1日2~3回』とたいてい書いてあります。当コラムとしてはエサの与え方として次の方法を提案します。

まず、少量のエサを入れる。そして食べきったらもう少し与える。この繰り返しの時間を数分としてほしい、ということです。数分あれば水温やろ過槽の状態もあわせて確認できます。一度に大量のエサを入れてエサが沈んでしまう状態も問題発生の原因となりますし、決まった時間に1~2回の投与ではエサ不足も招きかねません。水温、水の状態、魚のコンディションなどによって食べる量はいつも同じとは限りませんので、与えたエサはすべて愛魚の口に入れる、くらいで良いでしょう。昔から『エサをやりすぎると死ぬ』といわれますが、これは本当で与えすぎるよりは控えめの給餌をこころがけると良いでしょう。

■Phのこと
金魚の飼育においてPhの把握、管理はきわめて重要です。一般的な飼育セットでスタートし、エサをやり、バクテリアによる硝化作用がすすむと、どうしてもPhは低下していくのです。Ph5前後では、金魚の遊泳が鈍くなり、エサ食いも鈍り、底のほうでじっとしてしまうこともあります。Phは、毎日決まった時間に測定しましょう。数値をメモし、できればグラフにすると水槽内でなにが起こっているかが把握でき、適切な処置方法も見えてくるとおもいます。

Phの管理においてはスタイルに合った方法を選んでほしいところです。

①Phを降下させにくい機能をもつろ過材を使用して安定を図る。

②硅砂やサンゴ砂、カキガラを使用すると成分が溶けだすことによりPhを上昇させることができる。

③Ph調整剤を使用する。などの方法が知られています。

■病気のこと
病気にはならないように管理するのが理想でありますが、金魚の病気の問い合わせは白点、尾ぐされを筆頭に後を絶ちません。病気を発見したらすぐに処置を施すため、魚病薬は数種類用意しておくと良いでしょう。人の1日と魚たちの1日は異なるらしく、病気の進行は早いのです。処置が遅れると完治も遅く、死に至ることもあります。あわてて薬を買いに走ることがないようにしたいところです。日ごろの管理、観察が重要です。なお、精製前の原塩の使用はミネラルバランスを改善し、殺菌効果もあり有効であります。0.5%の塩水(飼育水10リットルにおよそ塩50g)で予防薬浴する方法も知られています。

転覆病について。琉金、オランダなど丸手の金魚に多く発生する病気で上下さかさまにひっくりかえってしまう症状であります。エサを食べるときは戻ったりして、すぐに斃死することはありません。原因は、水温が関係しているといわれています。15℃以下だと発生しやすいとされます。また、水かえなどにより水温が急変したりすると発症するようです。運動神経系に異常をきたすとされています。

食べ過ぎの金魚もかかりやすく、肥満により圧迫されたウキブクロの調整機能が狂うともいわれています。コレを入れれば元通りに泳ぐようになる、という薬はなく、ヒーターの使用で水温を一定に(25℃前後)保つことで予防となります。発症した場合、水温を上昇させることで元通りになることもありますが、発症して長期間が経過しているときは現在のところあきらめるしかないようです。

「転覆病の原因」、最近では以下のようにとらえられております。
転覆病は、金魚のうきぶくろの異常により発生すると考えられてきました。金魚は浮き袋を2個持っていますが、そのうち1個または2個がなんらかの原因により収縮してしまい、金魚は平衡を保てなくなり転覆すると言われてきました。しかし、転覆病になった金魚のレントゲン写真を見てみると、正常な浮き袋を持っているものでも転覆することがあるということがわかり、浮き袋の異常が転覆病の直接的な原因ではないことが示唆されました。
最近の研究では、金魚の脊椎の中の平衡感覚に関係する神経が支障をきたし、それらが原因で金魚が転覆すると考えられています。
ではどんなときに神経が支障をきたすのか、を考えてみましょう。
①エサの与えすぎによる金魚の肥満で平衡感覚をつかさどる神経が圧迫される。
②水温の低下で神経そのものが支障をきたす。
まだまだわからないことの多い病気ですね。
「対策」
完全な治療法はありません。しかしこの病気は水温が低下する冬に多く見られることから、水温をゆっくり25℃前後で一定にすると、転覆して間もない金魚に限っては治ることが知られています。
肥満を防ぐためには2~3種類のエサを与え、栄養のバランスをとり、なおかつ与えすぎない量を見きわめることが大切です。カボンバやアナカリスもエサとして与えると良いでしょう。水草に含まれるカロチンが体色を鮮やかにし、調子を整えます。
粗塩の使用(0.2~0.3パーセント)は、金魚のミネラルバランスを整えるので、一応効果的です。体表にキズがある場合は浸透圧調整機能が低下していますので、入れたほうが良いでしょう。

■水道水について。
水道水は各地で水質が大きく異なります。できれば水かえ毎に水質チェックをすると良いでしょう。浄水場によって、季節によって、でてくる数値は異なるはずです。梅雨時や季節の変わり目、この夏いちばんの暑さ、などという時は注意したほうがよいとおもいます。水道局に問い合わせれば塩素量など詳細がわかります。マンションなどに多い貯水タンクの場合、汲み置かれることによって炭酸ガスが放出され、原水よりPhが上がる、という性質を忘れてはなりません。停電時、水も出なくなってしまう上階にお住まいの方は注意してほしいところです。マンションの定期的なポンプ点検や、タンク清掃後の水は、はっきりいって使わないほうがよいでしょう。

■繁殖のこと
金魚の産卵は明け2歳魚から可能であります。寒い冬が終わり、水ぬるむ春がシーズンであります。飼育下では金魚のライフサイクルに合わせた水温管理が必要となるでしょう。金魚に冬を感じさせるには水温5℃~10℃で50~60日の環境を提供します。春が近づき15℃、20℃になってくると産卵が始まるのです。

雌雄の判別について。オスの特徴は繁殖期に現れる追い星であります。エラブタや胸ビレに白い点が現れます。毎年白点病と間違える人から問い合わせを受けます。(たしかによく似ています。)メスは冬のあいだから抱卵しているため生殖孔が突出していて、大きいのが特徴です。抱卵しているメスのお腹はやわらかくなっていきます。産卵槽には、カボンバ、アナカリス、ホテイアオイなどの水草を入れましょう。(人工水草や荷造り用のテープでの成功例も多いです。)両親を合わせて産卵を待ちます。2、3日で産卵しなければ元にもどして仕切りなおし。産卵後は卵が食べられてしまわないように親は隔離して、稚魚育成水槽とします。産卵後、精子で白く濁った水は必ず交換しましょう。消毒の意味もこめてマラカイトグリーンやメチレンブルーをうっすら(規定量の三分の一程度)投入するやり方もベテランのあいだでは多いですね。よく受ける質問の一つに、卵や稚魚がフィルターに吸い込まれる、というのがあります。ろ過をしないケースではエアレーションのみで換水によって管理していきます。フィルターを使用する場合は吸い込み口にストレーナースポンジをつけたり、水流を弱めにする処置などが必要となります。さて、卵は20℃~25℃においてはおよそ4~5日でふ化します。17℃のときは7日ほどです。ふ化したての稚魚たちはサイ嚢とよばれる器官から養分を摂り、2~3日間じっとしていますが、自由遊泳をはじめたらエサを与えなければなりません。エサ供給の安定性からブラインシュリンプをふ化させて与える方法が良いでしょう。各メーカーからリリースされている優秀な稚魚用飼料や、冷凍飼料も忙しい現代人には大きな助けとなるでしょう。ふ化して一週間から10日で最初の水かえをし、エサやり、水かえを基本的な管理として成長させましょう。育成の段階で、淘汰の作業も必要であります。奇形魚、成長不良魚などは、思い切ってはじかなければなりません。なお、異種間の交配は奇形魚が多く産まれるようで、交配は同種間が良いでしょう。新品種誕生の大きな夢は異種間交配にありますが、固定には10年以上かかると思われ、覚悟と決意と実行力が必要です。

■世界各地で金魚ブーム
ピンポンパールのブレイクもうけて、シンガポール、香港、ペナン、中国での生産がめざましいです。ドイツでの金魚、錦鯉の熱も高まっており、ノウハウが輸出されているような状況であります。アクアラマ、インターズー、ペットエキスポなど世界レベルの会場には金魚や錦鯉が展示され(ランチュウ、紅白、三色などは日本語そのままです)コンテストもしっかりカテゴリー分けされてきています。日本の生産者が作る魚とは一線を画したかわりだねも見かけられ、まだまだ発展していくことは想像にかたくありません。金魚先進国日本も、生産者からちびっこキーパーまで、更なる発展を遂げることを切に希望します。